韓国籍を放棄して『ワンダーランド北朝鮮』を撮った女性監督チョ・スンヒョンさんトークイベント

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撮影:宮崎暁美

『ワンダーランド北朝鮮』が6月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開されるのを前に、チョ・スンヒョン監督が来日。5月14日夜、講談社の講堂でトークイベント付き上映会が行われました。

日時:5月14日(月)午後7時~9時半迄
場所:講談社 講堂(東京都文京区音羽 2-12-21 6階)
主催:ユナイテッドピープル、クーリエ・ジャポン

上映の前に、このイベントの主催者で、本作を配給するユナイテッドピープルの代表関根健次さんより挨拶。
本日のイベントは、告知して2日で満席になりました。毎日、北朝鮮のニュースが流れています。南北融和会談に先駆けて、韓国と北朝鮮30分時差があるのを、時計を合わせました。私自身は、ビザが下りなくて、まだ北朝鮮には行ったことがありません。チョ・スンヒョン監督は、もともと韓国の女性。ドイツに長く暮らして、ドイツ国籍を取って北朝鮮に行きました。どんな人が住んでいるかという興味だったそうです。今回は、ドイツから初来日されました。

続いて、講談社の「クーリエジャポン」の井上編集長の挨拶。
この会場は講談社の講堂で、飾られているのは歴代の社長の肖像画です。「クーリエジャポン」は世界の多様性を伝える雑誌。今は、Webを中心にしています。無料で見れます。世界に出て行く人の背中を押せるような内容を目指しています。


◆『ワンダーランド北朝鮮』上映
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2016年/109分/ドイツ・北朝鮮
配給:ユナイテッドピープル 
公式サイト:http://unitedpeople.jp/north/
★2018年6月30日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
作品紹介

上空から眺める北朝鮮の大地。
ここにはどんな人たちが住んでいるのだろう?
北朝鮮の人は角の生えた赤い鬼と聞かされて育った1966年生まれのチョ・スンヒョン監督。
地元の協力者に従っての取材で、何が見れるか?
韓国出身の私は、どう見られるか?
不安に思いながら北朝鮮に降り立った監督。
まず、白頭山に向かう。
朝鮮民族の生まれた地。金日成の生誕地でもある。

ぞじて、北朝鮮に住む「普通の」人たちに会う。
プール勤務のエンジニアの男性。地熱発電を利用したウォータースライダーもある大規模プール。一日2万人が訪れる。
26歳の軍人。16歳から軍に入り、今は軍幹部として家で暮らせる。婚約したら除隊するという。
公務員画家。工場で働く女性を描いているが、モデルより美しい顔。
縫製工場で働く若い女性。独創的な服を作りたいという。それがデザイナーという職種だと知らない。
平壌から80キロ南にある800世帯が暮らす共同農場。堆肥を有効に循環利用したエコな暮らし。
将軍様の写真が飾られた幼稚園では、子どもたちが元気に学ぶ・・・

  

◆上映後 トーク

チョ・スンヒョン監督がにこやかに登壇。
まずは、司会の方から代表質問。

司会:なぜ韓国籍を放棄してドイツ国籍を得てまで、この映画を撮られたのですか?

監督:コンバンワ。 韓国の国籍を捨ててまでとおっしゃいましたが、私にとって国籍は心の中にあるもので、紙一枚のものです。ドイツ国籍を取るのに、9ヶ月かかりました。韓国のパスポートに無効の印を押された時の音を今でも覚えています。ドイツ国籍のお陰で、韓国にも北朝鮮にも自由に行き来できるようになりました。映画を撮るのにドイツのテレビ局が支援してくれることになったので、ドイツ籍を取りました。国籍を捨てたというと、ドイツでは笑ってくれるのですが、日本では笑って貰えませんね。
ドイツに私が渡ったのが、1990年。ドイツが統一した年です。東独にも行けるようになって、行ってみたら、まるで北朝鮮に行ったような気分でした。分断国家が統一して、うらやましいなと思いました。今は、北朝鮮も私にとって行ける場所になりました。
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撮影:宮崎暁美

司会:検閲は、どの位行われたのですか? また、引っかかった場所は?

監督:テーマについて、事前に話したのですが、その時に特に強調されたのが、政治的な部分を描かないでほしいということでした。私も政治的なことよりも、日常を描きたいと思っていましたので問題ありませんでした。検閲は逃れられないのですが、1箇所だけカットされました。元山の縫製工場の中でアメリカの輸出先の名前がクローズアップされたところは、外してほしいといわれました。撮影後、完成版を平壌に送ったところ、2点だけカット要請がありました。プールのシーンでビキニ姿が映っている場面と、元山の町の風景の中で、貧しいおばあさんが台車を押している場面は外してほしいといわれました。修正にお金がかかると言ったら、理解してくれて、カットせずに済みました。撮影中も、撮ったものをいつもチェックしてもらってました。

撮影に入る前に4回行って、場所や人物を決めました。その間に信頼関係もできました。
隠し撮りはしないという姿勢を貫きました。撮りたいシーンを提案して、撮らせてもらいました。

◆会場とのQ&A

― 撮影対象は当局からの指定ですか? 暮らし向きのいい人たちでした。今、公開されている『タクシー運転手  約束は海を越えて』で描かれているドイツ記者は光州事件をゲリラ取材していました。

監督:私は映画監督です。人々の話を聞くという役目があります。私が知りたかったのは、人々の日常です。当局が指定してくれた人になるのはわかっていたので、こういう人を取材したいと提案しました。30代のインテリ男性、2~3歳のお子さんを持っている工場で働く女性、田舎の農家の人、という風にリクエストしました。撮影前に当局が用意した方たちと会ってみました。インテリ男性は二人紹介されました。大学の教員の30代の方は、ルックスがあまりよくなかったので、プールで働く男性にしました。
お子さんのいる女性は、最初に会った方はシャイでインタビューがうまくいかなくて、工場の中で私自身が選びました。
映画を観た方からは、いいところしか映っていないので、ほんとの姿ではないのではという人もいます。映画の中で、画家が実際のモデルではなく、美しい人に置き換えて描いている場面があります。いいものしか見せない社会です。将軍様式学習方法は、北朝鮮の個性です。皆さんなりに行間を読んでいただければと思います。

◆最後の監督メッセージ
映画を撮ってから、複雑な心境です。ドイツでも一部の方からはプロパガンダだと指摘されましたし、これまでと違う姿を見られたという人もいました。私自身のため、韓国の人々のために撮りました。パク・チョンヒ大統領の時代(任期:1963年12月17日~1979年10月26日)、北朝鮮の人は赤い顔で角が生えている鬼だといった教育を受けました。北朝鮮の脅威を利用して民主化を押さえ、右派政権が政権維持をはかりました。
この映画は、韓国では特別枠で上映されたけれど、公開はされていません。日本で一般公開が決まって、驚くとともに、ほんとうに嬉しいです。


トークを終えて、会場の皆さんを背景に自分を撮りたいと、自撮りするチョ・スンヒョン監督でした。

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チョ・スンヒョン監督 プロフィール
Sung-Hyung Chu
1966年 韓国、釜山市生まれ
ソウルの延生大学でコミュニケーション論を学んだ後、美術史、メディア学、哲学を学ぶため、1990年、ドイツのフィリップ大学マールブルクに留学。卒業後、ドイツのテレビ局で編集の仕事に携わる傍ら、ミュージックビデオや短編ドキュメンタリーの制作を行う。
現在、ドイツのザールブリュッゲンの単科大学HBKsaar教授。映画制作を教えている。

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トークを終えて、暁さんたちと会場近くの中華料理屋さんで食事をしていたら、インタビューを終えたチョ・スンヒョン監督がユナイテッドピープル代表の関根健次さんたちと一緒にいらっしゃいました。トークの時よりも、さらに笑顔の監督でした。(撮影:景山咲子)

『カメラを止めるな!』初日舞台挨拶@新宿 K's シネマ

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ご挨拶に登壇したキャストの皆様
下段右から
濱津隆之(日暮隆之)、真魚(日暮真央)、しゅはまはるみ(日暮晴美)、長屋和彰(神谷和明)、細井学(細田学)、上田慎一郎監督
上段右から
市原洋(山ノ内洋)、山崎俊太郎(山越俊助)、大沢真一郎(古沢真一郎)、竹原芳子(笹原芳子)、浅森咲希奈(松浦早希)、吉田美紀(吉野美紀)
☆秋山ゆずき(松本逢花)さんはこの回は欠席。
MC:(突然強制的に司会をさせられてしまった)笠井信輔アナ (キャスト・観客・取材陣も喝采)

―じゃ、行きますよ。お1人ずつ紹介いたします。商業長編映画初めての方?(とキャストへ)ああ、みなさんそうですね。では自己紹介の後、自分がからんだシーンで思い出深いところを一つだけ簡単に言ってください。ではまず、熱血監督かと思いきやストレスが爆発しただけだった濱津隆之さんです!
濱津隆之 主演の監督役をさせていただきました濱津隆之です。今日は雨の中をお越しいただいてありがとうございます。たくさんの方の応援のおかげで今日を迎えることができました。嬉しいです。最初のふっきれた監督が大変でした(笑)。あんまりああいうことをしないので。あそこに自分を持っていくというのが、いい経験になりました。(拍手)
―濱津さんお芝居の経験は? 
濱津隆之 一応小劇場、舞台のほうで30手前から始めて、今36なんですけれども。俳優の道に入って舞台を細々とやってました。映像はこれがほぼ初めてです。
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(C)ENBUゼミナール
―続きまして、その娘は本物の熱血ADでした!真魚(まお)さんです。 
 (真魚ちゃーんと客席から声が飛ぶ)
真魚 監督の娘を演じた役者の真魚と申します。今日は雨が降っているんですけど、初日にこんなにたくさんの方に来ていただけてすごい嬉しいです。はい。(拍手)
監督 ちょっと猫かぶってます。ほんとはもっとああいう暴走娘です。(笑)

―ポン!が忘れられません。しゅはまはるみさんです。
しゅはまはるみ はーい、ポン!やりました しゅはまはるみです。今日はほんとありがとうございます。こんなに満席の皆様にお越しいただいて、観ていただけて幸せです。ありがとうございます。この次の回も次の回も満席いただいて。今日池袋のほうでももう1回上映があるんですよね。この回のチケットを「生き返り割り」(リピーター割り)使えますよね?(監督:はい使えます)もう1回観たいと思ってくださる方は池袋はまだありますよ。
監督 池袋(シネマ・ロサ)はもう少し大きくて170席くらいあります。
しゅはまはるみ  また違った臨場感で観ていただけると思います。よろしければさっそく「生き返り割り」をお使いください。よろしくお願いします。ポン!(拍手)
ここで「ポン!」の実演。場内大拍手。

―こだわりすぎのめんどくさい主演俳優は長屋和彰さんです。
長屋和彰 いけすかない俳優をやりました長屋和彰です。僕ちょっと疑問があるんですけど、皆さんに聞きたいなと思ってまして。ゾンビって斧使えるんですか?(笑)いまだに僕疑問に思ってるんです。後で外にいるんで、皆さん一言ずつ「使える」「使えない」って。
監督 ほんとにめんどくさい奴だな。(笑)
長屋和彰 よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。(拍手)
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(C)ENBUゼミナール

―アルコール依存症のカメラマン細井学さんです。 
細井学 酔っ払いです(笑)。最初のゲロは「ふぐ雑炊」を使いました。レトルトのやつ。
監督 小道具ね。それ以来ふぐ雑炊が食べれなくなった?
細井学 いや、もともと食べてないんで(笑)。最後は卵雑炊(笑)。ほんとに今日はどうもありがとうございました。(拍手)

―ドラマの内気な助監督、市原洋(ひろし)さんです。
市原洋 市原洋です。本日はありがとうございます。37分ワンカット、コンタクトレンズがなかなか入らなくて、上映されている本編をテンパリながらずっとやったというのが、印象に残りました。あのー、ロビーに「顔出しパネル」があります。ちょうど僕のところが穴あいているんですけど(笑)、ぜひ写真を撮ってツイッターとかであげていただくと嬉しいなと思います。ポスターももらえますので。
監督 もうちょっとちゃんと説明して。断片的やから。
市原洋 ツイッターでキャンペーンをやっています。顔出しパネルに顔出していただいたり、ポーズとっていただいたりして写真を撮って・・・
監督 #カメ止め#感染をつけて投稿したら、サイン入りポスターを毎週3名様にプレゼントします。
市原洋 キャストと一緒に映ったりとか、撮る人いなかったら撮りますので(笑)。
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(C)ENBUゼミナール
―今日はおなかの具合は大丈夫でしょうか?音声マンの山崎俊太郎さんです。 
山崎俊太郎 山崎です。上田さんって人をいじって笑かせようとするんです。日常的にね。そのときに自分は傷ついたりして怒ったりすることが多いんですけど。でもあるときになんかいじられたらすごい楽になったみたいな瞬間もあって・・・。この映画もなんか頭のおかしい人がたくさん出てますけど(笑)、そういう人を普通の人は絶対撮らないのに、こういうふうにしっかり撮ってくれたから、なんだろ?そういうところがきっと「愛がある」ってところに評価されて繋がっているんじゃないのかな、って自分思ってます。ありがとうございます。(拍手)

―こういう人、実はいるんです。テレビ局のプロデューサー大沢真一郎さんです。
大沢真一郎 どうもー。本日はありがとうございまーす。愉快な仲間達と撮った作品をこうやって観ていただけるのが、ほんと嬉しく思っております。何度でも足を運んでいただけたらと。観ていただいたらわかると思うんですが、何度観ても面白い作品だと思いますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
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(C)ENBUゼミナール
―この方の顔は一度見たら忘れません。テレビ局の局長 竹原芳子さんです。
竹原芳子 あの、始まる前はどうなることかと思いましたけど(笑)、何の問題もなく(笑)無事映画終わりました。みなさん、ほんとにありがとうございました。(拍手)
監督 なんかもうちょっと喋ったほうがいい。まんまセリフ書いたヤツやないですか。(笑)
竹原芳子 前回の上映のときに上田監督が「世界に行ったらいいな」って言ってたんですけど、半年経ってほんとに現実になりました。みなさんほんとにありがとうございます。7月13日までやってますのでどんどんお越し下さい!
監督 もっと延びるかもしれない。最低でもって。7月13?
竹原芳子 すいません、私あんまりちゃんと見てない。(笑)
監督 見とけよー(笑)。出演者!(笑)

―ドラマのアシスタントカメラマン浅森咲希奈(あさもりさきな)さんです。 
浅森咲希奈 初めまして。ありがとうございます。浅森咲希奈です。今日は劇場公開初めてのお客様ということですごいなって思っています。元々はワークショップで始まった映画で、去年限定6日でやって・・・こんなに自分たちの知り合いじゃない人たちにまで届いているっていうのが、すごく嬉しかったです。今日はほんとにありがとうございました。(拍手)

―そして、ドラマのタイムキーパー吉田美紀さんです。
吉田美紀 はい。皆様お足元の悪い中ありがとうございます。吉田美紀と申します。この映画ちょうど1年前ですね。廃墟で、まさに今頃の時期でした。合宿場でみんなでお酒を飲みながらキャッキャ、キャッキャしていた時期もあったんですけども。その中で撮れた、自分が出たってことですごく印象的です。これは体当たりしたっていう点で、“山ちゃんの生首”をパスされてその後ダダダッと持って行って、ヒロイン(ゆずきさん)の足元に首を置くんですけど、そのときすっこけて頭を打って脳震盪起こしたんです。(笑)
監督 そうなんです。スムーズに渡す予定が、こけてしまって脳震盪起こして。
吉田美紀 これはちょっとマズイなって。
監督 生首が来ないからあのヒロインが「生首、生首」って、やってるのが今映っています(笑)。
吉田美紀 ヤバイなって思ったんですけど、案外ちゃんと仕事やってたんでよかった。ずっと頭ガンガンしてました。
監督 そういう予期せぬトラブルがいっぱい入っている。
吉田美紀 今思えばこの作品で匂いとか空気も甦ってきます。苦しさよりも楽しさが多かった現場なので、ほんと良かったっすね。はい。(拍手)ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

―最後に、この信じがたい作品を仕切り、めちゃめちゃ面白い作品を完成させました上田慎一郎監督です! 
監督 脚本、監督をしました上田慎一郎です。記念すべき初日の初回にお越しいただきましてほんとにありがとうございます。これ、2017年の6月21日にクランクインしたんです。今日が6月23日なので、去年の僕たちは撮影真っ只中にいた状態なんですけど、そのときはこんなことになるとは、もちろん思ってもなかったので、それにびっくりしています。「ワークショップで作った映画」ってさっき言ったんですけれども、半分くらいが経験のない人たちで。
僕が選んだ基準が「ポンコツ」ということで(笑)。オーディションしたときに、ちょっとこの人、人間的に不器用だな、っていうか「不出来な人」をキャスティングしたんですよ。そういう人たちが頑張ってる映画を作りたくて。
映画が完成した後も、みんなほんとに「ツイッターとかフェイスブックとか何?インスタって何?」みたいな人たちばかりで(笑)、その後みんな頑張ってほとんどツイッター持ってるんです。山崎だけね、ライングループにも入ってないんですけど(笑)。それくらいみんなわからない中で、今日までの宣伝も一緒になって走ってきました・・・ほんとに今日があの・・・(感極まっちゃったの?とキャストから)大丈夫です。あの・・・何だっけ?
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―37分一発撮り、テイク何回やりました?
監督 6回ですね。
―6回!ではキャストさん、正直に「私が原因で止めました」という方、どうぞ! (誰も手を挙げず)止まってないの?
監督 止めてはないね(キャストへ)?止まった原因は技術的なトラブルが多いです。ゾンビメイクが間に合いません、とか。1回はカメラマンがこけるシーンがあるんですけど、あそこで間違ってRECボタンを押してしまって、カメラが途中で止まっていた。それにみんな気づかずに夢中で続けちゃってたっていうのが。
―それちょっと悲しいですね。「カメラを止めるな!」で止まってたって。
監督 今日見ていただいた中で、例えば血がかかったとかはガチのトラブルです。市原がゾンビに白目のコンタクトをつける場面で、緊張しすぎて手が震えまくって入らなくて、みんながアドリブでつないでいる。「こんなの嘘よ~」とずっと言ってるんです(笑)。
―リアルにつないでいる場面がある?
監督 そうなんです。そういうの混然としてちょっとわかんないと思います。
―役者さんがすごく頑張られたんですね。
監督 あの組み体操(ピラミッド)は当日初めて成功したんです。それまで駐車場でみんなで練習していたんですけど、一回も成功できなくて。本番で初めて成功したんです。
―それって「映画の神」が降りてきてるわけですね。(そうですと監督)海外の話がありましたね?
監督 イタリア、ドイツに僕自身も行きました。
―すごいね。ほんと面白いですもんね。さあ、そろそろ時間がせまっております。
監督 すごい、司会がすごい!(笑)
フォトセッション始まり
―監督、ほんとよく喋るねー(笑)、面白いですわ~

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最後に観客席にいたスタッフ、監督のご家族も入って「全員ゾンビ」

監督 今日まで走ってきましたけれど、今日からまた新たな一歩。これはもう見たお客さんがどんどんお客さんを連れてきてくれたり、応援いただいている作品で、ありがたく思っています。今日「感染」していただいた方はぜひほかにも「感染者」を出していただけるように、ゾンビになって奮闘していただければと思います(笑)。本日はほんとうにありがとうございました!!(拍手)

カメラマンから「本気のゾンビで」と言うリクエストに応えているうちに「ぐあぁ」などと声が出てくるキャストたち。キャストも会場も笑ってばかりの楽しい舞台挨拶でした。最後に監督がご挨拶した後、笠井アナの音頭で、監督が「カメラを~!」全員「止めるな~!!」とコールしてシメとなりました。監督とキャストへ拍手が贈られた後、監督から「飛び入り強制司会してくださった笠井さんにありがとうございました!!」会場から暖かい拍手。
作品紹介はこちら

★記念すべき初日の舞台挨拶です。このときは124館もの拡大公開になるなんて予想もせず。毎回毎回キャストの誰かが必ず舞台挨拶をしていた、という愛と情熱も大きなプラスになったのでしょう。もう一度舞台挨拶を見てこようかな~(8月6日追記)。
★公開21週目に入り累計興収が30億円を突破したそうです(わー!)。200館近くで今も上映中!!(11月13日追記)(取材・写真 白石映子)

シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』父の日舞台挨拶@東劇

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6月17日(日)
映画館で歌舞伎が楽しめるシネマ歌舞伎の最新作『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』(歌舞伎座上演は2017(平成29)年8月)の公開を記念して、本作に出演した市川染五郎さん(13歳/当時は松本金太郎)、市川團子さん(14歳)が登壇。お2人のお父さん松本幸四郎さん、市川中車(香川照之)さんのプライベートと面白エピソードを披露しました。


最初にそれぞれの父の印象をフリップに書いたお二人。
染五郎さんは幸四郎さんを「変。」と一字で。
團子さんは中車(香川照之)さんを「昆虫の心を理解している」とカマキリ姿のイラスト入りで。

―説明をお願いします。

染五郎 「ポテトチップスは野菜」と言って食べたり、変なところが数え切れないほどあります。(会場笑)

團子 洗面所にも昆虫の本、台所にも、リビングにも家中にあります。昆虫の本ばっかり見ているので、これしか思い浮かびませんでした。(会場笑)

―父との共演について。尊敬しているところは?

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染五郎 尊敬している点は挑戦している役者なところ。高麗屋は挑戦する家、それを受け継いでいてすごいと思います。

團子 この作品で初めて共演して、実際に芝居をしているところを見て、頑張っててすごいなと思いました。前に映画の『ゆれる』を見ました。感情がちゃんと出ている演技をしていてすごい。

―「昆虫すごいぜ!」※の演技をしている部分も含めてですか?

團子 あれは演技ですか?演技じゃないと思います。(会場笑)

―この夏に第3弾の「東海道中膝栗毛」が上演されます。お2人とも3回目ですね。4人の宙乗りは史上初だそうですね。

染五郎 第1、第2は自分でも楽しみました。第3弾はまた違った内容なので、今回はどういうストーリーになるのか楽しみです。宙乗りで回りたいです。

團子 宙乗りは楽しみです。観てくださったお客様が全員楽しんで帰られるような、そういうお芝居ができるようにちゃんとお稽古して、アドバイスなど吸収できたらいいなと思っています。(拍手)

―松本金太郎さんから市川染五郎さんになられて初の舞台ですね。今年はこうしたいとか今ならこうできるという部分はありますか?

染五郎 これ、ずっと持っているんですか?(とフリップを渡す。会場笑)梵太郎がもっと成長した感じを見せられたらと思います。

團子 自分が成長したと感じます。心のことじゃないんですけど、毎朝お風呂に入るんです。そのとき見る鏡がどんどん下になっていく(会場笑)、それが一番成長したと感じる点です。最近ちょっと声が低くなって、もっと大人っぽい芝居ができるかなと。

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(左 團子さん 右 染五郎さん)

―伊月梵太郎と伍代政之助というのは2人にとってどういう役ですか?

染五郎 役名に自分の本名が入っています。自分にしかできない役だと思うので、これからも毎年やっていきたいです。

團子 染五郎さんと最初に共演したのは4年生のとき「胡蝶」でした。その次に共演したのが「東海道中膝栗毛(やじきた)」なんですけれども、成長するとともにいろんな方と共演させていただきました。1も2も自分の人生にとってはかけがえのないものです。

―父の日でもありますので、お互いのお父さんのこと、染五郎さんから見た中車さん、團子さんから見た幸四郎さんのことを一言ずつ。

染五郎 中車さんの映画も見るのですが、お芝居が自然というか「気持ちの見えるお芝居」をされているのがすごいなと思います。

團子 アイスの上でやる歌舞伎だったりとか、いろんなことに挑戦されているのがすごいです。楽屋だといたずらなんです。勧めるお菓子を甘いと思って食べたら激辛だったり。(会場爆笑)

―父の日のプレゼントは?

染五郎 カードを書きました。「いつもありがとうございます。これからもお芝居のことをたくさん教えてください」と書きました。

團子 書いてないです。(会場笑)

―じゃあここでメッセージを一言。

團子 これからもよろしくお願いします!(会場笑)

★シネマ歌舞伎 『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』(こびきちょうなぞときばなし) 全国公開中
配給:松竹 (C)松竹
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
宙乗りメイキング映像はこちら 

※「昆虫すごいぜ!」は2016年からEテレで不定期放映されている昆虫愛に満ち満ちた番組。超昆虫好きの香川照之さんが民放の番組で「Eテレでやりたい!」とアピールしたのがきっかけで生まれた番組とか。香川さんがカマキリの着ぐるみのカマキリ先生になり、様々な昆虫のすごいところを講義してくれます。http://www.nhk.or.jp/school/sugoize/

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未見だったので、取材終わって次の回のチケットを買いましたら、上映前に舞台挨拶がありました。「かぶきにゃんたろう」を手にしたこの一枚は、観客席中ほどから撮ったものです。遠いので画像粗いです。
お話の中で、染五郎さんが父の幸四郎さんは「実は歩道橋もダメ」なほど高いところが嫌い。「それなのになんで宙乗りするの?」と聞いたら「お客様が喜んでくれるから」と答えたと明かしていました。若い2人は高いところ平気で、4人での宙乗りをとても楽しみにしているそうです。

(取材・写真 白石映子)

〝森崎ウィン 1st visual & interview book 『Win-Win』〟先行発売記念イベント

6月17日(日)SHIBUYA TSUTAYAにて初のビジュアルブック〝森崎ウィン 1st visual & interview book 『Win-Win』〟発売記念のイベントが開かれました。

前日の“PrizmaX”ライブで歌い続けだった森崎ウィンさん、声が枯れています。咳き込んで「昨日ライブで使ったので…」と詫びつつ「嬉しいのといろんな方に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!」とまず一言ご挨拶。

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Q:あらためて感想を

初の・・・ゴホゴホ(咳き込む)ごめんなさい・・・初めての本なので、お話をいただいたときは自分の人生も振り返りますし、いろいろこう・・・「僕でいいのかな」という気持ちもあったんですけれど、いざ出来上がってみると純粋に嬉しいです。やっぱり僕を知ってもらってナンボなので、知ってもらうチャンスが一個増えてありがたいなと思います。
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(c)SDP
Q:「Win-Win」に100点満点で点数をつけるとしたら何点ですか?

ああ~185ですね。185点はいったと思います。というのはインタビュー内容がけっこう赤裸々で、今までつけてきた日記を振り返ったり、生まれ育った環境だったりを・・・人って自分の辛かった部分には触れたくなかったりするじゃないですか。それとまた向き合えて新しい自分が見えた。僕にとって新たな引き出しになって、それがほんとによかったと思います。

Q:まずinterviewについてお聞きしたいのですが、一番読んでいただきたい部分はどこですか?

ミャンマーで生まれ育ったことは意外と知られていないと思うので、そこに注目していただけたらなと。ハリウッドのことは取材でもたくさん話してきたのですが、その前の僕のルーツの部分を知っていただけたら嬉しいです。

(ここでスチール撮影は一旦終わり、声の出にくいウィンさんの近くにマイクを設置しなおし)

Q:次にvisualについてお聞きしたいのですが、お気に入りの写真はありますか?

初めて会ったカメラマンさんだったんですけれど、初めて“もっていかれたな”という感覚になりました。全部好きなんですけど、 しいて言うならこれですね、恥ずかしいな(頁を開く)、右側の写真です。

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お気に入り写真 (c)SDP

Q:そのカットが一番お気に入りの理由は?

メイクさんにすごく水をかけられたんです。かけられながらもカメラマンさんの現場が・・・ほんとに初めてなんですよ、あの感覚・・・うまく言葉にできないんですけど、その現場では「異世界の扉が開いた」ように感じました。はい。

Q:映画『レディ・プレイヤー1』(スティーブン・スピルバーグ監督)が大ヒットした実感や、自分の世界が変わってきた感覚はありますか?

そうですね。一年前は、こういう環境(イベントや取材)はありませんでした。こういう場をいただけるようになったり、ありがたいことにたくさんテレビにも出していただけるようになりました。そういう意味では「やっとだな」「やっと、きた~!」という思いがすごくあります。「すごい給料があがった!」とかはないんですけど(笑)、周りの世界が怒涛のように毎日走り続けて行くので、振り返ることができていない部分があるのですが、自分の中の意識が変わっていっている実感はあります。

Q:映画『レディ・プレイヤー1』(スティーブン・スピルバーグ監督)の中で一番好きなシーンは?

「俺はガンダムで行く」というシーンは撮影のときから衝撃を受けていたので、あのシーンが一番好きです。しかもハリウッド映画であれだけアップで使っていただけるなんて!これはスピルバーグ監督に感謝です。 役者として自分だけのアップのシーンがあるっていうのはもう嬉しかったですね。

Q:せっかくなので「俺はガンダムで行く」再現していただければ、と思うんですが、声の調子が・・・。

この声でですか。エヘン、ゴホッ…頑張りますっ!「俺は・・・ゴホゴホッ、すみません。俺はガンダムで(声かすれる)…全然行けねーわ」(会場笑)。別の日にまた来てもらっていいですか。

Q:これからさらに役者業が忙しくなると思うんですけど、今後演じてみたいジャンルやキャラクターはありますか?

僕はアクション映画が好きなので、「CRISIS(クライシス)」みたいなアクションドラマをやってみたいです。せっかく『レディ・プレイヤー1』に向けて殺陣も勉強しましたし、今も時間があると通っています。ふだん歌って踊ったりするので運動神経はいい方です。明るい性格なので、悪人の役をやってみたいですね。殺人鬼とか、自分とは真逆にいる自分を知ってみたいです。

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Q:今後の目標や野望があれば教えてください

10年以内にアカデミー賞をとります。そうやって目標を決めると、逆算して自分に足りないものも見えてきたので、日々勉強ですね。一個一個しっかりとやっていかなきゃいけないし、やっぱり夢は大きく。そのためにやって行くので森崎ウィンから目を離さないでください。よろしくお願いします。

Q:アカデミー賞は具体的に何賞で?

あ、それは特にこだわりはないです。新人賞でも助演男優賞でも。何で賞をとりたいかというと、(俳優の仕事は)正解がないから、常にこれでいいのかと思ってやっているので、ここまで正解だったと自分を認めてやりたい。スティーブン・スピルバーグ監督に直接感謝の気持ちを言えたんですけど、10年後に僕が出てくることで「やっぱりスティーブンが選んだ人。やっぱりスティーブンはレジェンドだ」って言ってもらうのが僕の今後の役目かなって思うんです。

Q:作品が公開されてから街で声をかけられたりすることはありますか?

ないです(笑)。街で声かけられることはなくて、でもTV番組のロケをしてた時に「ダイトウですか?」と男性3人に言われたのはすごく嬉しかったです。普段は歌ったり踊ったりで女性のファンは多いんですけど、同性のファンがついてくれるのは有難いです。「ガンダムに変身する方ですよね」も言われました(笑)。そのときはあらためて「森崎ウィンです」と言いました(笑)。

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Q:スピルバーグ監督にこの「Win-Win」は贈りましたか?

あ、まだ差し上げてないです。送料自腹で送ります(笑)。あれ、あんまりウケないですね(照)。

Q:映画『レディ・プレイヤー1』を見て「PrizmaX」のメンバーの反応は?

やっぱり、ジェラシーは強いと思います(笑)。いい意味での“悔しい”感とかはあるかもしれませんが、純粋に「すごいね」と言われました。嬉しかったです。 グループである以上お互いに切磋琢磨していくんですけど、世に出るっていうのはすごく難しいので、僕が「PrizmaX」の窓口、きっかけになって出て行けたら嬉しいです。

Q:この本をメンバーは?

まだ中味は見せていないです。見たがらないと思います(笑)。仲良しですが僕もそうですけど、誰か仕事が決まると悔しいんです。でも時間をおいて見ると思います。気にしてるので、絶対(笑)。だから僕からも「見て」とは言わないです。

Q:「俺はガンダムで行く」のセリフを言えなかったのは初めてですか?

初めてです(笑)。きのうもライブで言ったんですけど、意外と言ってないです。実はテレビ番組で言った「First to the egg」の方が多くて、「俺は~」の回数はそんなにないのですが、その中でも言えなかったのは今日だけです(笑)。

サッカーワールドカップの話題も出ました。サッカーは自分でするのも見るのも好きなウィンさん。答えも熱かったです。

Q:世間はW杯シーズンですが、ウィンさんはどこが優勝すると思いますか?

最近話題になったイニエスタ含め、スペインが好きです。無敵艦隊と呼ばれているバルセロナが好きなんです。あのパスワーク!スターだけ集まってもダメですし、チームとして勝利を目指していくあの団体芸、あのインカムもついてないのに阿吽の呼吸のパスワーク!もうすごいですよね。スペインにしかできないサッカーだと思います。

Q:W杯で日本は19日(火)のグループリーグ初戦コロンビア戦でWinできますか?期待している選手はいますか?

Winできるんじゃないですか!明日からミャンマーに行くので、あちらで見ます!絶対にwinできると思います!!
本田圭佑選手はサッカー選手としてだけでなく、人として男性として憧れ、リスペクトしているので、日本のファンタジスタとしてやってほしいなとすごく期待しています。

最初はたびたび咳き込んでいましたが、だんだん声が出るようになって、いつもの笑顔も全開。会見終了していったん引っ込んだウィンさん、すぐ戻ってきて声が出なかったことをもう一度ていねいに謝っていました。この会見の後、引き続き購入者対象のイベントがあり、会場に訪れた約1000人のファンと交流しました。公式提供の可愛いファンとの写真をご覧下さい。ほぼ書き起こしましたが、コメントの順番や内容などいくらか編集しています。
翌18日はメンバーと一緒にミャンマーへ出発。テレビ出演も続いて大忙しです。今が大きな波に乗るときなのでしょう。でも身体をこわさないないように、ちゃんと休んでくださいね~。
(取材・写真 白石映子)


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(c)SDP

★森崎ウィン 1st visual & interview book 『Win-Win』
 発 売 日:2018年6月20日(水)
 価 格:1,500円(税込)
 サ イ ズ:A5 変型
 ページ数:144ページ
 ISBN:978-4-906953-62-2
 発 行:SDP

『榎田貿易堂』初日舞台挨拶

6月9日(土) 舞台挨拶@武蔵野館
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ゲスト(写真並び順):飯塚健監督、三浦俊輔(真木一幸・千秋の夫)、伊藤沙莉(真木千秋・バイト)、渋川清彦(榎田洋二郎)、森岡龍(落合清春)、滝藤賢一(萩原丈・チーフ助監督)、余貴美子(志摩ヨーコ・常連客)、片岡礼子(永井柊子・洋二郎の恋人)、キンタカオ(弁当屋店主)
MC いとうさとり

渋川 監督、初日おめでとうございます!え~そうですねぇ・・・何も考えてこなかったなぁ(笑)。無事初日迎えられて良かったですね。これ、ちっちゃい映画なんで大きい宣伝とかないんですけど、盛り上がったらまた次もできるんで、みなさんよろしくお願いします。はい。(拍手)

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森岡 落合清春を演じさせていただきました森岡です。今日は初日にわざわざ足を運んでくださってほんとにありがとうございます。自分の中ではほんとに愛おしい、好きな作品です。こうして初日を迎えることができて、こうやって皆さんと再会することができて嬉しく思っています。
え~あんまり大きい映画ではないので、ぜひ宣伝をしていただけると嬉しいなと思います。今日はどうもありがとうございます。(拍手)

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伊藤 こんにちは。真木千秋を演じさせていただきました伊藤沙莉です。本日は劇場までお越しくださり、本当にありがとうございます。今日からたくさんの人たちにこの映画を観ていただくことができると思うと、ほんとに嬉しいです。たくさんご協力くださるとありがたいです。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。(拍手)

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滝藤 「帰省中(きせいちゅう)」の滝藤です(会場笑)。最初ホン読みで「きしょうちゅう」って言ってたんですけど、間違えて恥ずかしかったです。本日はとんでもなく暑い中、多くの方に来ていただいてとても嬉しいです。自分で出ている映画で、試写を観てこんなに笑ったことはなかったものですから、早く多くの皆様に観ていただきたいと思っていましたし・・・僕はこの作品が大好きなんです。どんな形であれ、続けていけたらなと思っております。皆さん良かったら多くの方に勧めていただいて、また2度3度と足を運んでいただけたら嬉しいです。ありがとうございます。(拍手)

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余 余貴美子でございます。今日はみなさん観に来てくださってありがとうございます。世の中は8日から是枝監督の『万引き家族』が公開されましたが、『榎田貿易堂』はなかなか観れません(会場笑)。何度観ても笑える映画だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

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片岡 永井柊子役の片岡礼子です。今日ここに榎田貿易堂の仲間と一緒に並んで感慨深いです。洋ちゃんに意地悪ばっかりしていたような。とにかく映画がずっとヒットしていくように、そのことを祈ってきました。劇場を出た後よろしくお願いします。(拍手)

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三浦 三浦俊輔です。僕の撮影は一日ちょっとで終わっちゃって。撮影してからもう2年くらい経つんですけど、今日この場に呼んでいただいてちょっと不思議な感じがしています。(Tシャツだねと渋川さん)これ新しいです。今日たぶん初めて着ました。さっき滝藤さんに突っ込まれて「お前、それラフすぎるだろ」って。ちょっとビビッてたんです。(会場笑)。こんなにたくさんのお客さんに来ていただいて嬉しいです。これからもよろしくお願いします。(拍手)

 
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キン キンタカオです。私も一日の撮影でしかもセリフがないというシーンで(笑)。結局一泊してすっかり伊香保温泉のお湯に浸かって帰ったんです。僕は飯塚監督も大好きだし、ドイツにいた監督にメールで直談判して「監督、俺も舞台挨拶に出して」と(会場笑)。ありがとうございます。皆さんよろしくお願いします。(拍手)

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監督 飯塚です。今日はこの映画を観に来てくれてありがとうございます。撮ったのが2年前なので、とても感慨深いですね。最近テレビではオリジナルはやらせていただいたんですが、映画でオリジナル脚本で撮らせていただくのは10年ぶりくらいです。だからどう受け止められるんだろうな、というのもありながら、わかってもらえればいいなと思いながら、今日はちょっと怖いなと思いながらここまで来ました。楽しんでいただけたなら嬉しいです。皆さんの言葉に出ましたけど、「小さい小さい作品」なので皆さんの口コミが頼りなんです。つまんなかったら黙っててください(会場笑)、面白いなと思ったら拡散してください。よろしくお願いいたします。(拍手)

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―ありがとうございました。(観客へ)ほんとに面白かったですよね?(拍手)楽しませていただきました。まずは渋川さんにお伺いします。ご出身は群馬県の渋川市で、まさにご自身の生まれ故郷での主演映画で企画をもらったときってどういう思いだったんですか?

渋川 正確に言うと狩野プロデューサーっていう人がいて、狩野さんも群馬で、俺と飯塚監督を会わせてくれたんです。飯塚監督とは高校も一緒なんです。しかも小学校も低学年のとき一緒で、という変な縁があってこれはもう絶対・・・(笑)。俺は渋川って名付けてるくらい渋川市好きなんで、俺もプロデューサーみたいな気持ちでやりましたよ。うん。

―(観客へ)皆さん渋川行きたくなりましたよね。あんなところもこんなところもあるんだ、って発見があったんですけど、渋川さん自身はどんな思いが駆け巡っていたんですか?

渋川 撮影しているところは渋川市の駅前とかメインなところじゃなく、結構ローカルなというかアンダーグラウンドなところだったりするんで、ああいうところをちょっと観てもらえたのも良かったなと思いますね。うん。

―森岡さん、伊藤さんにぜひ伺いたいと思います。渋川さんにしかできない役だなと思ったんですが、お2人共演されてみてどんな印象をお持ちになりましたか?

森岡 そうですね。渋川さんとは僕何度も共演させていただいているんですけど、「いい兄貴」って感じで、優しくて暖かくて。今回特に地元での撮影ということで、温泉地や美味しいご飯やさんだとか教えてくださって、ほんとに大好きな先輩です。

伊藤 私も思っていたよりも何倍も優しくて・・・もっとなんかこうクールな感じかと思ったんですけど、すごく優しくてほんとに兄貴って感じでした。

渋川 そういうしかないでしょ。(会場笑)

伊藤 いやー、ほんとですよ!私一回新宿でお見かけしていて元々大好きな役者さんだったので「あっ!」と思ったけど、ミーハー心を抑えてずっと我慢したんです。やっと共演できてほんとに嬉しかったので、毎晩毎晩飲みに行ったりとかして楽しかったです。

―いろいろ案内してもらったんですか?

渋川 伊香保温泉だけだよね。

伊藤 そうですね。あの周辺を。

―飯塚監督と渋川さんの地元での撮影は、何か違った感触がありましたか?

滝藤 お2人のところに便乗して出させてもらって。とても低予算ですよね?それなのにすごく贅沢なケータリングとか。

 地元の方のご協力でね。美味しかった!

滝藤 お2人の人望か、たくさんの方が手伝いに来てくださいましたよね。

監督 差し入れはたぶんキー(渋川)さんのポケットマネーで。

キャスト え~~!!

滝藤 そうなんですか?

渋川 そうでもないけどね。

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監督 正直キーさん赤字だと思うんです。

滝藤 そうだったんですか?言ってくれたら、ねぇ?(と余さんに。余さん頷く)出すのに。
俺たち金なんかいくらでもありますよ。(会場キャスト沸く)

渋川 頼むよ。

滝藤 これ、忘れませんか?(会場笑)

 地元の方のお気遣いもね。

滝藤 ええ、素敵な現場でしたよ。(キャスト頷く)

―渋川さんは?

滝藤 憧れてますから、僕は。

渋川 俺に関しての質問はいいんじゃない? 映画に関しての質問に(笑)。

―もう観終わったところなのでいいと思うんですが、片岡さん軽トラックのシーンなど凄かったなと思います。ああいう話があったときいかがでしたか?

片岡 そうですね。どう答えていいいのか(笑)。一番自分の印象に残っているのは、田んぼが広がっているところで、呼び出しておいて駅に立っているというのはどういう気持ちなんだろうと、ホン(台本)いくら読んでも生で自分には来なかったんですが、彼が見えた瞬間に張っているクモの巣に獲物がかかった!っていうような喜びだったんです。それが衝撃でした。私は榎田貿易堂のメンバーにジェラシーを感じていました。楽しそうだなぁ、あのジャンケンとか。

―監督、あの脚本はどういう風に?

監督 あれは~半分くらい書いたときに、キーさんと一緒に車で群馬に行ったんです。とにかくいろんな場所を走って「美味しいラーメンあるから食おうぜ」とか「この場所ならいいね」とか。2人でロケハンみたいなことをしながら、話がなんとなくできていった感じですね。

―できあがったものを観てどうでしたか?

渋川 面白かったですよ、うん。監督の言葉は洒落が効いているというか、そんなセリフがいっぱいあって良かったですよ。あとね、全く話変わるんですけど、登場人物の名前に“春夏秋冬”が入っているんですよ。自分には夏、清春の春、千秋の秋、柊子の冬。はい。っていうだけの話なんですけど(笑)。

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―三浦さん、奥様役の伊藤さんとの共演シーンで笑うところがたくさんあったんですけれど、共演されていかがでしたか?

三浦 初めて共演したんですけど。しかも衣装合わせのときに一回会って次は撮影だったんです。ほぼ初対面の人と夫婦役を演じなきゃいけないという。難しいなとは思っていたんですけど、台本にセリフないんですね。僕のところ全部ト書きなんです。状況だけ書かれている。ほぼ何も準備をしないで。でもリアクションしやすいようにしてくださってすごい楽しかったです。あのときはありがとうございました(と伊藤さんにお辞儀)。

伊藤 あ、こちらこそ(とお辞儀)。

―伊藤さんも脚本読んで「え、こんなシーンあるの?!」と、チャレンジするところもいっぱいあったんじゃないですか?

伊藤 そうですね。そこはいろいろ検索をたくさんしました(会場笑)。あの時期の私の携帯は結構ヘンタイでした(会場爆笑)。家族も心配したりして。いろんなものを家で見ましたね、正直・・・。

三浦 男性のシンボルをこっちからこっちへいくじゃないですか、あれ素晴らしいなと思いました(会場笑)。

伊藤 検索の結果です(会場笑)。

渋川 あれは激しかったね。

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伊藤 スピードがちょっとね。(会場笑)

渋川 監督がやれと言ったんだよね。

伊藤 指示通り。(会場笑)

監督 あそこは指示を言うのも言葉をすごく選ぶ、というかセクハラになってしまうんですよ。「こんなのもあるらしいよ~」とそういう言い方で・・・。(会場笑)

―大笑いしましたよね。キンさんもまたすごく衝撃的なシーンで、驚きました。あのシーンがあるというのは?

キン 私の場合はセリフももちろんなく、事前の衣装合わせもなく、「短パンのスエット持ってきてください」という感じ。行ったら“クジラ弁当”って書かれているTシャツがあった。普通は台本にはセリフがカギカッコで書かれているんですけど、私の場合はそのカギカッコがなく、全体の動きの中に「パンパン、パンパン」って、とにかく「パンパン、パンパン」しか書いていない(会場笑)。
私もちょっと経験がないのでアレなんですけど「男性同士でパンパン鳴るのか?」と監督に現場でぶつけたりしながら(笑)。待ち時間が結構長くて、相手役の諏訪太朗さんと話してたんです。諏訪さんは前の映画で壇蜜さんとちょっと濃厚なシーンがあって、壇蜜さんとのツーショットを自慢気に見せてくるんです(会場笑)。こっちはもう相手は諏訪さんなのに、と「チクショー!」と思いながら(会場笑)・・・その怒りはあの撮影現場では出せたんじゃないかなと思います。

―ありがとうございました。監督、これだけのキャストが揃って、大人が楽しめるような遊び心がある映画を作られましたけど、あらためて皆さんとのお仕事いかがでしたでしょうか?

監督 短い時間ではあったんですけど、幸せな時間でしたね。久しぶりに「フィクス(固定撮影)」という、カメラを三脚にすえて動かさない手法でやったんです。それってこっちが動けないので、人がかぶったら終わりなんです。そういうのもすぐやってくださる力のある方々がこんなに揃ってくれたので、「いやぁ現場ってめちゃくちゃ楽しい!」って思いました。

―ぜひまたPart2も。

ここから写真撮影(狭いので肩を入れ込む形で、とMCのいとうさん。背中をそらして撮らないと全員が入りません(キャストの皆様が私を心配そうな暖かい目で見ていた気が)。最後に観客にも10秒間の撮影タイム。「#榎田貿易堂で発信してくださいね」といとうさん。

渋川 とにもかくにもよろしくお願いします、とこれだけですかね。第2弾をみなさんやりたいと言ってくれているので、応援をよろしくお願いします!!

監督 さきほど言ったことと重複しちゃうんですけど。(映画製作の)スタッフは大きいのになると200人300人です。この作品は全部で30~40人。そういう世界で作りました。そのうちの誰一人欠けても今日の日はありませんでした。さきほどキーさんが言ったように続きをやろうとは思っているので、皆さん力を貸してください。今日はありがとうございました!(会場拍手)

ここまで。

=取材を終えて=
たくさんある(会場笑)の部分は、ほとんどキャストもいとうさんも私も一緒に笑っていました。キャストのみなさんの作品への愛情がよくわかる楽しいひとときでした。ほぼ書き起こしましたが、録音が聞こえないところは飛ばしております。ご容赦くださいませ。
この中で、滝藤さんが「帰省中(きせいちゅう)」と「きしょうちゅう」と言われているのですが、初めにアップした記事で「寄生虫」と「希少虫」と書いてしまいました。??と思いながら書いていたのですが、自称チーフ助監督だけれど、親元ですねかじりしている役なのでそのことかなと判断。記事を読んだ宣伝さんのお知らせでわかりました。「音同じ」ですが、漢字の読みのことだったんですね。訂正済みです。ごめんなさい。

(取材・写真 白石映子)