12月25日(土)新宿K’sシネマにて、初日を迎えたドキュメンタリー『夫とちょっと離れて島暮らし』の舞台挨拶が行われました。10時からの上映終了後、主人公のちゃずさん、奄美出身の歌手 中孝介(あたりこうすけ)さん、國武綾監督が登壇しました。國武監督自らMCで、携帯電話や撮影について、マスク着用など注意事項のお願い、ゲストの紹介もされました。
★2022年1月7日(金)まで毎日10時より上映中(元旦のみ休映)
監督 皆様映画のほうはどうでしたでしょうか?(拍手)ありがとうございます。初日にお越しいただいてすごく感無量です。この映画は奄美先行上映というのを行っておりまして、いろんなところで上映して来まして、たくさんの方にご覧いただきました。
奄美大島にはシネマパニックという映画館があります。土日しかやっていないんですけど、そこを3日間お借りして超満員だったんです。
(宣伝さんから合図)
イラストレーターのちゃずさん、そして本日奄美代表でお越しいただきました中孝介さん、お入りください。(拍手の中、お2人が入場)
こうして無事に初日を迎えることができてとても嬉しく思います。私はこの映画を撮影した後なんですけれども、あ、後ろでカメラを回しているのが、私の夫で本作のプロデューサーでもある中川究矢、と一緒に今年の2月に奄美大島に実は移住して、名瀬というところに住んでいます。この映画を撮る前と撮った後では、自分の性格も変わるような…「明るくなったね」と東京に来てから言われました。ほんとにこの映画を撮ってよかったなと、ちゃずさんには感謝しております。ではお1人ずつお言葉をいただこうと思います。
ちゃず 今日は年末のお忙しい中ほんとにありがとうございます。イラストレーターのちゃずです。去年の9月まで加計呂麻島(かけろまじま)に住んでいて、今は旦那と一諸に埼玉県のほうに住んでおります。ちょうど1カ月前に息子が生まれまして、なんと生んだばかり(笑)!(拍手)このタイミングで皆さんとお会いできて、中さんともお会いできてすっごく嬉しいです。綾さんありがとうございます。
監督 中さん今も奄美で暮らしてらっしゃるんですけど、映画のほうもご覧いただいてありがとうございます。いかがでしたでしょうか?
中 いやもう、なんか「行かないで」って感じ(笑)。「なんで帰るの?」みたいな(笑)。
ちゃず 帰りたくなかったです(笑)。
中 ですよね。そのシーンが胸に焼きついてますけども。ほんとに島の人たちが知らないことまでも、当たり前にある感情みたいなものもこうしっかり伝わってくるような、素敵な映画で。はい、非常に感動しましたね。
監督 ありがとうございます。中さん西安室(にしあむろ)集落に行かれたことは?
中 僕は西安室集落に行ったことはなくて。加計呂麻には縁があるんですけど、父方の祖母が加計呂麻の人で芝という集落です。
監督 西安室とはちょっと離れているところで。
中 そうですね。だいぶ離れています。
監督 結構大きいんですよ、加計呂麻島。奄美大島も実は結構大きくて、人口が今6万人くらい。私と中さん今住んでるお家が近いんです。
中 そうです。名瀬で。
ちゃず ご近所さんなんですね。
中 奄美群島内でも大きい街。
監督 奄美市は人口4万人かな。だから加計呂麻島によく行かれたなと、ちゃずさん。
ちゃず ああそうですねぇ。加計呂麻島に初めて行ったときに、「住みたい!」と思った気持ちが2年ぐらい消えなくて。なかなか夫を置いていくなんて(笑)。いろんな人に「えっ!大丈夫?」って(笑)。でも消えなかったんで、させてもらいました。
ちゃずさん、中孝介さん
中 その辺の夫婦間の、確固たる絆みたいなものとかもすごく感じてね。絶対ないじゃないですか、普通だと。
ちゃず ビデオ通話ができる時代だからできたっていうのはあると思いますけどね。
中 遠いもの、やっぱりね。
監督 「夫とちょっと離れて島暮らし」ってどうなの?と思うんですけど、見たらラブラブやんけ(笑)。ほんとに毎日電話してるし、ビデオ通話してるし。けんちゃんとも島暮らしをしたことで、いい距離感になったということで。
ちゃず 夫婦ってずっと一緒にいるのが当たり前って思ってたけど、ある程度の距離があったほうが仲良く暮らせるなって思いましたね。今は子どもも生まれて、たまに喧嘩もするんですけど、やっぱそういう時ってすごい距離が近かったりするなって思いました。
島に住んで、自分が昔感じていた家族の仲の良い感じとか、それが集落全体だったんで、ほんとにそれに癒されたというか。うん。
監督 集落がね、大きい家族みたいな感じなんですよね。私も東京からぽんと西安室に行ったときに、すごい安心したというか、こんなに自然体の人たちがいて、なんでかなと思ったら家族のような安心感っていうのもあるのかなって。もちろん大自然に癒されてというのもあるんですけども、不思議なところでなんですよ。それを切り取らせていただけたらいいなという思いで、映画を作りました。
中さん次はぜひ西安室に。みんな大喜びですよね。
中 行ってみたいです。あの別れ際の感じね、あるあるなんですけど。2月末から3月くらいは港で別れの季節なんです。いまだにこうテープを引っ張ってね。
ちゃず 空港なんかもすごくないですか?
監督 見送りね。奄美空港の屋上からみんな見送るんですよね。
中 全然関係ないのに、そこからもらい泣き(笑)。
ちゃず 想像しちゃって?
中 そう。
監督 島ってやっぱり来てくれたらすごい嬉しいし、離れていくときは門出を祝福するけど、寂しい気持ちになるんだなって、住んでみてわかったっていうのがありますね。ちなみに加計呂麻島に行ったことのあるよ、っていう方どれくらいいらっしゃいます?
(あちこちから手があがり、3人「おお!」)
じゃ加計呂麻島には行けなかったけど奄美大島に行ったことのあるよ、っていう方は?結構いらっしゃいますね。世界自然遺産登録もされたばかりですので、ぜひ遊びに来ていただきたいですね。中さん、住んでいらっしゃる名瀬と加計呂麻島は全然暮らしが違いますよね。
中 やっぱり違いますよね。「物流」がやっぱり一番違いますかね。
監督 コンビニないですから。
中 「トラ屋」しかないじゃないですか(笑)。トラ屋ってトラックの移動販売の。
監督 お肉とか売ってくれる。
中 そうそう。それが来てくれるのを待つか、ちっちゃな商店。
監督 市場とかですね。トラックが「ハイサイ、おじさん♪」遠くから聞こえてくる。
ちゃず、監督 そこだけ沖縄(笑)
中 僕が小さいときは名瀬でもあれが走ってたんです。ガンガン島唄かけて。
ちゃず、監督 へえー!! だいぶ変わったんですね。
監督 名瀬で上映したとき「名瀬も昔はね」って懐かしがる方が多かったんですよ。だんだん薄れてきたって、そのコミニュケーションをとる関係が。だから加計呂麻見たら、懐かしい気持ちになるって言ってましたね。
じゃ写真撮影の前に一言ずつお願いします。
ちゃず はい。この映画は自分のドキュメンタリーと言いつつ、綾さんが切り取った「島にしかない良さ」がすごいある映画なので、いろんな地域の方に観ていただきたい、人情というか、あのう暖かさを感じる映画なので、たくさん拡がってほしいなって思います。ぜひお家に帰って、ご家族やお友達に話してくれたら嬉しいです。ほんとに今日はありがとうございます。(拍手)
中 今ちゃずさんもおっしゃっていましたけど、「人情味あふれる」映画だと思いますし、島の人たちも忘れかけてた素晴らしい「人が人を想いあう」感じが詰まっています。それは奄美だけの話じゃないですが。「人が人を想いあう」ことを忠実に表現されている映画だと思いましたし、ちゃずさんの素晴らしい感性がここから世界へ拡がっていくことを、優しく後押ししているような…そんな感じを僕は受け取りました。ぜひぜひ皆さん、この映画いろんな方に広めていただけたらなと思います。(拍手)
國武綾監督
監督 ありがとうございます。
フォトセッションに移らせていただきます。皆様携帯電話出していただいて大丈夫です。この機会にたくさんSNSとかにアップしていただいて、明日も明後日もやっておりますので告知いただけたら嬉しいです。
(まとめ・写真 白石映子)
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