シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』父の日舞台挨拶@東劇

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6月17日(日)
映画館で歌舞伎が楽しめるシネマ歌舞伎の最新作『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』(歌舞伎座上演は2017(平成29)年8月)の公開を記念して、本作に出演した市川染五郎さん(13歳/当時は松本金太郎)、市川團子さん(14歳)が登壇。お2人のお父さん松本幸四郎さん、市川中車(香川照之)さんのプライベートと面白エピソードを披露しました。


最初にそれぞれの父の印象をフリップに書いたお二人。
染五郎さんは幸四郎さんを「変。」と一字で。
團子さんは中車(香川照之)さんを「昆虫の心を理解している」とカマキリ姿のイラスト入りで。

―説明をお願いします。

染五郎 「ポテトチップスは野菜」と言って食べたり、変なところが数え切れないほどあります。(会場笑)

團子 洗面所にも昆虫の本、台所にも、リビングにも家中にあります。昆虫の本ばっかり見ているので、これしか思い浮かびませんでした。(会場笑)

―父との共演について。尊敬しているところは?

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染五郎 尊敬している点は挑戦している役者なところ。高麗屋は挑戦する家、それを受け継いでいてすごいと思います。

團子 この作品で初めて共演して、実際に芝居をしているところを見て、頑張っててすごいなと思いました。前に映画の『ゆれる』を見ました。感情がちゃんと出ている演技をしていてすごい。

―「昆虫すごいぜ!」※の演技をしている部分も含めてですか?

團子 あれは演技ですか?演技じゃないと思います。(会場笑)

―この夏に第3弾の「東海道中膝栗毛」が上演されます。お2人とも3回目ですね。4人の宙乗りは史上初だそうですね。

染五郎 第1、第2は自分でも楽しみました。第3弾はまた違った内容なので、今回はどういうストーリーになるのか楽しみです。宙乗りで回りたいです。

團子 宙乗りは楽しみです。観てくださったお客様が全員楽しんで帰られるような、そういうお芝居ができるようにちゃんとお稽古して、アドバイスなど吸収できたらいいなと思っています。(拍手)

―松本金太郎さんから市川染五郎さんになられて初の舞台ですね。今年はこうしたいとか今ならこうできるという部分はありますか?

染五郎 これ、ずっと持っているんですか?(とフリップを渡す。会場笑)梵太郎がもっと成長した感じを見せられたらと思います。

團子 自分が成長したと感じます。心のことじゃないんですけど、毎朝お風呂に入るんです。そのとき見る鏡がどんどん下になっていく(会場笑)、それが一番成長したと感じる点です。最近ちょっと声が低くなって、もっと大人っぽい芝居ができるかなと。

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(左 團子さん 右 染五郎さん)

―伊月梵太郎と伍代政之助というのは2人にとってどういう役ですか?

染五郎 役名に自分の本名が入っています。自分にしかできない役だと思うので、これからも毎年やっていきたいです。

團子 染五郎さんと最初に共演したのは4年生のとき「胡蝶」でした。その次に共演したのが「東海道中膝栗毛(やじきた)」なんですけれども、成長するとともにいろんな方と共演させていただきました。1も2も自分の人生にとってはかけがえのないものです。

―父の日でもありますので、お互いのお父さんのこと、染五郎さんから見た中車さん、團子さんから見た幸四郎さんのことを一言ずつ。

染五郎 中車さんの映画も見るのですが、お芝居が自然というか「気持ちの見えるお芝居」をされているのがすごいなと思います。

團子 アイスの上でやる歌舞伎だったりとか、いろんなことに挑戦されているのがすごいです。楽屋だといたずらなんです。勧めるお菓子を甘いと思って食べたら激辛だったり。(会場爆笑)

―父の日のプレゼントは?

染五郎 カードを書きました。「いつもありがとうございます。これからもお芝居のことをたくさん教えてください」と書きました。

團子 書いてないです。(会場笑)

―じゃあここでメッセージを一言。

團子 これからもよろしくお願いします!(会場笑)

★シネマ歌舞伎 『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』(こびきちょうなぞときばなし) 全国公開中
配給:松竹 (C)松竹
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
宙乗りメイキング映像はこちら 

※「昆虫すごいぜ!」は2016年からEテレで不定期放映されている昆虫愛に満ち満ちた番組。超昆虫好きの香川照之さんが民放の番組で「Eテレでやりたい!」とアピールしたのがきっかけで生まれた番組とか。香川さんがカマキリの着ぐるみのカマキリ先生になり、様々な昆虫のすごいところを講義してくれます。http://www.nhk.or.jp/school/sugoize/

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未見だったので、取材終わって次の回のチケットを買いましたら、上映前に舞台挨拶がありました。「かぶきにゃんたろう」を手にしたこの一枚は、観客席中ほどから撮ったものです。遠いので画像粗いです。
お話の中で、染五郎さんが父の幸四郎さんは「実は歩道橋もダメ」なほど高いところが嫌い。「それなのになんで宙乗りするの?」と聞いたら「お客様が喜んでくれるから」と答えたと明かしていました。若い2人は高いところ平気で、4人での宙乗りをとても楽しみにしているそうです。

(取材・写真 白石映子)

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