“ベトナム映画祭2018”熊谷睦子さんインタビュー (1)

“ベトナム映画祭2018”は
2018年9月1日(土)から9月9日(日)までの9日間横浜での開催が決定しています。
ただいまクラウドファンディング募集中です。
https://motion-gallery.net/projects/vietnam_ff/updates/19833

映画祭を企画・運営するというのに興味深々の(白)、配給会社のアルゴピクチャーズさんを訪ねていろいろと伺ってきました。
小出しにいたしますので、ときどき覗いてくださいませ。

IMG_6153.jpg

【熊谷睦子さんプロフィール】
1969年岩手県盛岡市生まれ。東北福祉大在学中に8ミリ映画製作を経験。卒業後、広告代理店・国連社東北営業所に勤務する傍ら、映画製作団体シネサラダや自主上映サークル・仙台シネマ倶楽部に参加。1995年インディペンデント・シネマ・デイズという映画祭を立ち上げ、翌年より仙台市青年文化センター主催のユースシネマフォーラムの運営に関わる。
1998年に上京。アップリンクを経て2000年より、アルゴ・ピクチャーズに勤務。主に経理と配給宣伝を担当。
携わった作品
『火星のカノン』(01/風間志織)、『福耳』(03/瀧川治水)、『犬と歩けば チロリとタムラ」(04/篠崎誠)、『マリといた夏』(05/イ・ソンガン)、『ヨコハマメリー』(06/中村高寛)、『靖国 YASUKUNI』(08/李纓)、『トテチータ・チキチータ』(12/古勝敦」、『ガレキとラジオ』(13/塚原一成、梅村太郎)、『リトル・マエストラ』(13/雑賀俊郎)、『ベトナムの風に吹かれて』(15/大森一樹)、『草原に黄色い 花を見つける』(17/ヴィクター・ヴー)、『榎田貿易堂』(18/飯塚健)、『名前』(18/戸田彬弘)など。


―もともと映画祭を立ち上げたりなさってたんですね。ベトナム映画祭を開催しようというのは?

ベトナムとの縁は、2014年に配給作品の『クレヴァニ、愛のトンネル』で、ハノイ映画祭に行ったことからです。未来穂香ちゃんの。今は本名の矢作穂香ちゃんにお名前変わりましたが。その1週間後11月頃から『ベトナムの風に吹かれて』の撮影に入る予定で。その周辺の方々にすごくよくしていただきました。ベトナムの国とともに印象がすごく良かったんです。それがスタートだったのかもしれないです。

―東南アジア・・・タイやベトナムの人って優しい、という印象です。少し前の日本にもあった穏やかさや優しさがある気がします。

そうですね。『ベトナムの風に吹かれて』原作者の小松みゆきさんもよくそうおっしゃっていました。儒教が根付いているからかもしれないです。通訳してくれた方も日本のカルチャーが好きで日本語を勉強した、みたいな人が多くて。ハノイ映画祭の通訳さん、ボランティアの高校生でした。

―え~、大学生じゃなく高校生ですか?

ほんとに努力家が多いです。彼女も大学生のお姉さんが日本学科だそうですが、自分で勉強していたようです。
穂香ちゃんはテレビドラマの「いたずらなキス」に出ていて、向こうでもネットで見られて人気なんです。レッドカーペットが短いけれどあったんですが、「将棋倒しになるからやめてください!」みたいな注意を受けるくらい大人気でした。みんな日本語を勉強して話しかけてくれたりするんですよ。彼女のお誕生日を祝う会をしたいからとファンがSNSで募集したり。

―日本の映画が上映される機会は多いんですか?

『クレヴァニ』はその日だけでしたが、『ルパン三世』(2014/北村龍平)とか、アニメの『ドラえもん』は映画館で上映されていたと聞きました。『ドラえもん』は大ヒットしたようです。原作のマンガはベトナム語版で出ていますし。通訳の高校生の子はジブリ作品とアイドルの“嵐”が好きだと言っていました。

―アニメとアイドルは国も越える。

そうですねぇ。繋いでいくんですね。アイドルから入っていくというのは、日本の感覚と近いなと思いました。『ベトナムの風に吹かれて』が完成してベトナムで上映するためにまた訪れて、ベトナムやハノイにますます良い印象を持ちました。
そのときにいろいろコーディネートをして下さった新妻さんと言う方がFBに『YELLOW FLOWERS ON THE GREEN GRASS』(後に邦題『草原に黄色い花を見つける』)をあげていて、それを観たいと思っていましたら、2016年の大阪アジアン映画祭で上映されて観ることができました。ぜひ公開したいと思ってからいろいろありまして、そのうちアジアフォーカス・福岡国際映画祭にヴィクター・ヴー監督が来られると聞いて、直接お話しすることができました。

―『草原に黄色い花を見つける』まできました。上映できるようになるまで大変だったんですね。

連絡を取っていた会社が倒産したり、担当が替わっていたり。やっと2017年に公開できました。意外と長い道のりでした。

(2)へ続く

この記事へのコメント