『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』舞台挨拶

11月12日(月)東京・丸の内ピカデリーにて完成披露試写会が行われ、前田哲監督、主演の大泉洋(鹿野靖明)、高畑充希(安堂美咲)、三浦春馬(田中久)、渡辺真起子(前木貴子)、竜雷太(鹿野清)、綾戸智恵(鹿野光枝)、佐藤浩市(田中猛)、原田美枝子(野原博子)の9人が舞台挨拶に登場しました。()は役名
登壇前に宣伝さんからマイクでなく「本物のバナナ」を渡された大泉さん、タイミング悪くてボケるにボケられずつっこみ炸裂。「テレビにも映らないぞ」「君の名前はなんていうんだ?」・・・
大泉 浩市さんが冷たい目で見ている・・・
佐藤 ずっと持ってろよ。

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「重鎮怒るし・・・」とぼやきが止まらない大泉さん。MCが「ひと笑いあったところで」とひきとり、次へと進みました。タイトルの「夜更け」と「バナナ」にちなんで、みなさん黒い衣装+どこかに黄色を入れるというドレスコードだったそうです。

大泉 うちのお母さんも、まっ黄っ黄ですね。
綾戸 百貨店で「バナナに見える服頂戴」って買うて来た。初めて人生で黄色いの着せてもらうの。ありがとう監督。
前田監督 お似合いです。
ここからひとことずつご挨拶。

―重度の筋ジストロフィーを患い、動かせるのは手と首のみでありながらも病院を飛び出して、ボランティアたち、通称「鹿ボラ」と自立生活を送る主人公鹿野靖明役を演じました大泉洋さん。

大泉 ありがとうございます。小ボケで始まりましたこのイベントでございますけれども、一般の方こんなにたくさんに観ていただくのは初めてなのかしら。大変緊張しております。関係者の方には観ていただきまして、大変評判がいいので皆様にどう観ていただけるのか、この鹿野さんの愛しいわがままが観終ったときにどう思われるのか楽しみです。

―鹿野に最初は反発しながらも、良き理解者へと成長していく新人ボラの美咲を演じました高畑充希さん。
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高畑 美咲は、最初たぶんお客様の目線と似たような役なんです。鹿野さんのわがままを「このヤロー!」と思うんですけど、終わる頃には鹿野さんのことを大好きになっている映画だと思います。

―その美咲の恋人で悩める医大生、田中を演じました三浦春馬さん。
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三浦 北海道で、みんなで丁寧に丁寧に作ってきた映画が、みなさんの元に届けられるということがすごく嬉しく思っています。力を持った素晴らしいキャストのみなさんと1本の作品に携われるという幸福感でいっぱいです。

―気さくな性格で慕われるベテランボラ貴子を演じました渡辺真起子さん。
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渡辺 初めて作品がお客様と出会う日なので、大変緊張しております。鹿野さんという、稀有なわがままで愛しい人のまわりを取り囲んでいるボランティアや家族の、優しい眼差しというか、面白い眼差しを楽しんでいただけたらなと思います。

―息子の靖明の自立生活を温かく見守る清を演じました竜雷太さん。
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 私はあのう、お母さんがお母さんですのでまっ黄色でお邪魔しましたが、お母さんに怒られないようにやらしてもらいました(笑)。お母さんよろしくお願いします。

―では、そのお母さん、靖明さんに愛情を絶やさない母、光枝を演じました綾戸智恵さん。
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綾戸 どうもおおきに。みなさんようこそいらっしゃいました。あのう60くらいになりますと、やっと親に言われたことがわかるようになります。この映画で母親が言うてた「自立言うのは、自分でズボンはいたり、服着たりすることちやうと。ほんとの自立は、自分が誰かと関わって生きていくことや、生きぬくことやと。あれはわがままなんでしょうか? 私はボランティアが自分の生きる道を見つけ、そして息子もこないしてしっかりと生きた。
これは一つの「生きる」。そういう映画かなと思うて、お母ちゃんの言うてたことかな、と毎日首を縦にようさん振ってます。お父ちゃんをよろしくお願いします。

―田中の父で、勉強よりもボラを優先する息子を苦々しく思っている病院長猛を演じました佐藤浩市さん。
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佐藤 えー、この進行台本を書いた方に大変申し訳ないんですけど、決して息子のことを苦々しく思ってるのではなくて、息子の行く末を心配するどこにでもいる普通の父親をやらせていただきました。それが普通のようにみんながちゃんと映っているというのが、リアリズムを持った映画だと思いますので、是非最後まで楽しんでいってください。

―鹿野の主治医で、ほんとに身体を心配している野原を演じました原田美枝子さん。

原田 ご本人の先生ともお会いしたんですけれども、ほんとに可愛らしい先生で、鹿野さんの心の叫びのようなわがままを医者の立場から、大変な思いをして見守っていらしたんだと思いました。すごく素敵な作品にできあがっていると思います。
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―そして本作の監督、前田哲監督です。

前田監督 鹿野靖明さんという人の人生をどうしても映画化したくて、3年半かかりましてこういう風にみなさんに届けることができて嬉しいです。この俳優陣のみなさんが全力で演じてくれて、映画が豊かなものになっていると思いますので楽しんでもらえればと思います。どうもありがとうございました。
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これより映画にちなんだ質問。映画のタイトルにかけて「○○なのに○○かよ」にあてはめて、共演者・監督の意外だった一面、撮影のエピソードなどをうかがいました。

大泉 これは挙手でやるんですか? そうなると「笑点」的なものが・・・できた人から手を挙げるんですね?

―大喜利な感じで。主演の大泉さんはもう整っています?

大泉 ええー、それでは行かしていただきます。
「ランニングなのに止まるのかよ」

―そのこころは?

大泉 今回私の役というのが、太るわけにはいかなったということで、ダイエットしてたわけです。撮影が北海道なので美味しいところへ共演者を連れていくわけですが、食べると太ってしまう。それでランニングをすることにしました。走っておりますと三浦春馬くんが「走りたい」と言って二人で走っていると、なんと高畑充希さんも「私も走りたい」ということで、高畑さんとマネージャーも一緒に走るわけでございます。高畑さんは10mくらい走るとすぐに止まる(笑)。わーっと走るとまた止まる(笑)。そのペースについていくのが大変だった、という気持ちをこめました。
―お見事!
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大泉 (三浦へ)全然長く走ってくんなかったな?
三浦 そうなんですよ。
高畑 すいませんでした!
大泉 がんばって走りなさいって。辛いところ乗り切れば楽になるから、っていうんですけど、止まる。
高畑 かなりマイペースなランニングに二人がつきあって・・・二人めっちゃ優しいです!すいませんでした!大泉さん10kmとか走っていました。
大泉 そうですね。最後のころは10km走れるようになっていました。
高畑 「ランナー」をかけてね。
大泉 三浦春馬くんが爆風スランプの「ランナー」を携帯でかけるんですよ。
三浦 やっぱり「ランナー」ってことで。大泉さんが「春馬くん、そろそろ疲れてきたから」っておっしゃったんです。そのときにあ、いい曲がある! これだったらきっと二人と大泉さんのマネジャーと帰り道を元気良く引き返せる、と思ってかけたんですよ。
大泉 「走る~♪走る~♪」と聞きながら走ってると、向こうから、違う方向から走ってくる人がいるわけですよ。ものすごい恥ずかしくてね。(笑)

ここで竜さんが挙手。
大泉 おーっと、大御所が参りますよ!
 「車椅子なのに元気かよ」
私も若いころは元気でありまして、お喋りを頼まれる機会がありますと「健全な精神は健全な身体に宿る」などと生意気なことを言っておりました。あるとき友達に「健全じゃない身体にも健全な精神は宿るんだよ」と言われました。そのとき「私はなんて傲慢なことを言ってたんだろう」と思って、それ以来その言葉はやめにしております。その彼は身障者の方のお手伝いをしていました。「健全じゃない身体にも健全な精神は宿る」と、またこの映画で教わりました。ありがとうございました。
キャスト「素晴らしい」と拍手。

―この映画の芯の部分のとても素敵なお答えがうかがえました。ほかに?

佐藤 前田監督とは、実は助監督のときから知り合いでしたので、普段は「哲、哲」と呼んでるわけですけど、「監督なのに呼び捨てかよ」(大泉さん爆笑)。
さすがにそういうわけには行かない。現場では「哲ちゃん」「監督」と気をつけていたんですが、すぐ「哲」って出そうになって、おさえて現場をやるのが大変でした。どうもすみません。
前田監督 長いお付き合いなので、僕は全然違和感ないですけども、ま、スタッフが動揺するんで。(笑)僕はなんと呼ばれても、何でも話し合えるので、ほんと今回来ていただいてありがとうございました。でもずっと旭川に来ていただいたんですけど、なんかゴルフに来たのか、撮影に来たのか・・・(笑)
佐藤 いいからさー!(笑)
大泉 私もそれは言いたかった・・・「撮影なのにゴルフかよ」(キャスト爆笑)。
撮影の前乗りをしてゴルフをして、次の日撮影をして、またゴルフしてるんです。で、浩市さんがゴルフをした日だけ晴れて、肝心な撮影のとき雨降っているんです。言ったことばが「やっぱ、俺はさすがだよな」(笑)。
夏の北海道の撮影だから来てくれたんだと思うんですよね。

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―ゴルフもできるし美味しいものもあるし、ランニングもできますし。楽しそうで和やかなようすがよくわかります。ほかに、お母ちゃん。

綾戸 お父ちゃんが言ったんで、私も。
大泉 お母ちゃん大丈夫か? 趣旨わかってるか?
綾戸 大丈夫だよ。もう泣かないから。
「監督なのにことば引っ張るのかよ」
北海道弁たいへんでございました。うまいこと教えてくれはりますねん、この息子が。「あんたんとちやうわ!」って言うたら「あんたんでないよ、がいいよ。おかあさん」って。
大泉 (シーンの説明の後)お母ちゃん、もう大阪弁しか喋れませんから。
綾戸 そう。どんなドラマ撮ってても、2週目から関西弁に変わっている(笑)。1週目は「そうなのよ」と言ってるのに2週目から「なんでやねん」って(笑)。監督は私くらい大阪弁強いんですけど、今回はほんまの話やさかいに。音楽やってるからなるべくドレミで「あんた」を「ミ、ソ」ととってるわけですよ。そしたら監督が「そやでー」「ないんやでー」ってまた引き戻される(笑)。せっかく北海道のリズムがこの大阪弁のおっさんに。
前田監督 おっさん。おっさんやけど・・・(笑)。
大泉 わかる。しかもあの人、自分がなまってると思ってないらしい。
綾戸 ええこと聞きました。自覚症状がない。
前田監督 そんなになまって、ない。
綾戸 なまってるわ! 二人で喋ったら漫才になるねんから!(笑)竜さんがやっぱり大阪出身で、役者しはるとちゃんと言葉直しはる。偉いなあと。直さなくっちゃ、くっちゃと思うてます。
前田監督 次いこう、次。

原田さんは思い出を尋ねられて「富良野まで行ってました、ごめんなさい」と告白。

大泉 いいんです。いいんです。2回もゴルフ行った人いるんですから。(笑)
佐藤 休みの日は何やってもいいんだ! (笑)
高畑 編み物にはまっててヘアバンド編んでメイクさんに渡したりしてたんですけど、萩原聖人さんがマージャン強いんですよね。というか、プロで。「俺にもヘアバンド作って。いい感じにダサいの」と言われて、すっごい考えて、若干睡眠時間削って「絶対王者」って刺繍して作って・・・(笑)
大泉 それはひどくダサかったね。いい感じは通り超えていたね。(笑)
高畑 でもすごく喜んでくださって、撮影が終わって初めての試合でそれつけて出てくれたんですけど、負けてて(笑)。
「せっかく作ったのに負けるのかよ」(笑)
大泉 「絶対王者」では勝てない(笑)。

―面白いエピソードたくさん聞かせていただいて名残惜しいですが、お時間の関係でここで。後ほど皆さんとフォトセッションをしたいと思うんですが、その前に〆のご挨拶を主演の大泉洋さんにお願いいたします。

大泉 このようにたいへん楽しいキャストのみなさんと過ごした1ヶ月でございました。『こんな夜更けにバナナかよ』という、とにかく素敵なタイトルで、いったいどんなお話なんだろうと興味を持って、台本、原作を読んだのを覚えております。鹿野さんという人がなぜそこまでのわがままを言ったのか。鹿野さんが目指していた社会というか、日本がどういう風になればいい、という思いをこめて彼が行動したのか、というのが観た後伝わればいいなと思っております。
このタイトルがみなさんの中でどう響くのか、楽しみにしていたいと思います。もしよければ、ぜひ友達にお伝えください。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

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ここで一旦退場して準備。バナナのカードを手にした観客を背にフォトセッション。
コールの練習をできるまでしますよ~という大泉さんでしたが・・・


大泉「こんな夜更けに~」
会場「バナナかよ~!」


1度で成功。キラキラのテープが発射されて頭上に舞いました。
(取材・写真 白石映子)

作品紹介はこちらです。

2018年12月28日(金)より全国ロードショー

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