『新感染半島 ファイナル・ステージ』(原題:반도、英題:Peninsula)
*ストーリー*
半島が謎のウイルスの感染爆発で崩壊してから4年。家族を救えなかったジョンソクは、香港で義兄と身を潜めて暮らしていた。ある日大金を手に入れる仕事が舞い込み、二度と足を踏み入れるつもりのなかった半島に潜入する。そこはさらに増殖したゾンビと、凶暴な民兵集団で地獄のような有様だった。双方に追いつめられたジョンソクは、生き残っていたミンジョンと娘たちに助けられる。ここから脱出するためにジョンソクとミンジョンたちは協力して戦うことになった。
https://gaga.ne.jp/shin-kansen-hantou/
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★2021年1月1日(金)公開
来日の叶わなかった主演のカン・ドンウォンとヨン・サンホ監督のリモート取材によるオフィシャルインタビューを提供していただきました。
=カン・ドンウォン インタビュー=
1981年生まれ。優れた演技力で韓国国内外問わず最も称賛されている俳優の一人。2000年にモデルデビューし、TVドラマ「威風堂々な彼女」(03)で俳優に転身する。以降、工作員、死刑囚、超能力者や詐欺師など、様々な役を演じてきた。
主な出演作は、『オオカミの誘惑』(04)、『彼女を信じないでください』(04)、『デュエリスト』(05)、『私たちの幸せな時間』(06)、『M(エム)』(07)、『あいつの声』(07)、『チョン・ウチ 時空道士』(09)、『超能力者』(10)、『義兄弟 SECRET REUNION』(10)、『世界で一番いとしい君へ』(14)、『群盗』(14)、『プリースト 悪魔を葬る者』(15)、『華麗なるリベンジ』(16)、『MASTER/マスター』(16)、『隠された時間』(16)、『1987、ある闘いの真実』(17)、押井守原作の『人狼』(18)、伊坂幸太郎原作の『ゴールデンスランバー』(18)など。
新作はハリウッド映画『Tsunami LA(原題)』(撮影中)に主演、さらに『ブローカー(仮)』(是枝裕和監督/韓国映画)が2021年にクランクイン予定。
ー本作へのご出演、一番の決め手になったポイントを教えてください。
事前に監督とお話しすることが出来て、シナリオ・ビジョンが良いなと感じたことだと思います。
―前作『新感染 ファイナル・エクスプレス』のご感想を教えてください。
4年前に劇場で拝見しました!とても楽しかったです。わくわくしました。
―『ソウルステーション』、『新感染 ファイナル・エクスプレス』に次ぐ作品ということで、どのような思いで挑まれましたか?プレッシャーはありましたか。
監督とたくさんの話し合いをして、自信をもって挑むことができました。過去2作とまったく違う映画ですし、ポストアポカリプス背景の映画にぜひ出演したいと思っていたので、良い経験となりました。
ーヨン・サンホ監督とは、どのように打ち合わせを重ねたのでしょうか?監督の印象もお願いします。
この準備時期はロサンゼルスにいたので、リモート会議でたくさんコミュニケーションをとりました。監督は本当に愉快な方で、もともと抱いていたクールな印象と違って愉快で面白い方でした。すごく優しい方だと思います。器の大きい監督で安心して撮影できました。
―今回演じたジョンソクは、どのようにキャラクターを構築していかれましたか?
とにかくシナリオに忠実に演じました。シナリオの初稿をもらった時には、ジョンソクのキャラクターは断片的な部分もあったので、その点をどんどん肉付けして立体的な人物にしていこうと考えました。
観客の皆さんが、しっかりとジョンソクのあとを追って映画を観ることができるように、ジョンソクの心境の変化を見せられるように努力して演じました。
ー本作でのアクションは、これまでと違いはありましたか?ゾンビと戦うのは初めてだと思うのですが。
今までと違うところは、やはりゾンビとのアクションという点ですね。ゾンビとの闘いが難しかったです。ゾンビ役の方が怪我してしまわないように、すごく注意しました。ゾンビ役の方は、ある程度動きが決められていて防御ができないので、こちらも気を付けながら演じました。
―銃を使ったアクションがとてもリアルでした。訓練されたのでしょうか?
実は特に訓練はしませんでした。その時ロサンゼルスに滞在していたので韓国にいるアクションチームの方と、ビデオ通話で何度もミーティングしたのですが、僕自身、もともと銃の訓練をかなり受けていたので、アクションチームからも「とにかく運動して体を作って欲しい」という話がありました。
ーちょうど新型コロナウイルスのパンデミックの最中に公開されるということについて、どのように思われましたか?
この映画が公開されるのは、世界で日本が最後くらいになるのではないかと思います。皆さんぜひ気を付けながら映画館へ行って安全を確保して観てください。韓国では劇場公開した時に二次感染はなかったんです。日本の皆さんも気を付けながら、映画館でお楽しみいただければと思います。
また、このパンデミックの状況の中で、ワールドワイドで公開される作品というのはおそらく本作が初めてだと思います。最初は心配もあったのですが、世界各国で公開していただいて評価をいただくことができたので本当に感謝しています。日本でも公開されたらこの映画にたくさん愛情を注いでくれると嬉しいです。
ー日本にも仕事で来日されていますが、また新たな一面を本作でファンの皆さんに観て頂く事になると思います。どういう面を重点的に見て頂きたいですか?
とにかくこの映画は楽しんで盛り上がってわくわくしながら観ていただきたいです。この映画を撮っているときはまさか世界がこんな風になるとは予想もしていなかったのですが、出来上がってみたら今の現実と重なるところがたくさんある映画だと思います。とても感慨深い気持ちで観ていただけると思います。いろいろなことを感じさせてくれる時間になると思いますし、この映画を観ると、きっと癒されると思います。
=ヨン・サンホ監督 インタビュー=
1978年生まれ。祥明大学西洋学科を卒業。長編デビュー作『豚の王』(11・日本未公開)で、韓国のアニメーション映画としては初めてカンヌ国際映画祭に招待され、監督週間部門に出品される。続いて2013年に『我は神なり』を発表。2016年、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)が、カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に招待され、またたく間に世界中で絶賛され、ファンタジア国際映画祭で最優秀作品賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭で監督賞など数々の栄えある賞に輝く。続くアニメーション映画『ソウル・ステーション/パンデミック』(16)は、どのように感染爆発が始まったのかという『新感染~』の前日譚が描かれた作品で、ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭シルバークロウ賞、アジア・パシフィック・スクリーン・アワード最優秀長編アニメ賞などを受賞する。
―続編のアイデアはどこから生まれたのでしょうか?
前作の『新感染 ファイナル・エクスプレス』を製作するときに、ロケーションで色々なところを回りました。そこで廃家を見たときに世界観としてアイデアを思いつきました。製作会社に話したところ「ぜひやってみよう」ということになって『サイコキネシス -念力-』という作品の公開の後に企画を立ち上げました。
―本作は感染者よりも人間同士の対決に比重が置かれていますが、そこに込めた意図はなんでしょうか?
『新感染 ファイナル・エクスプレス』で描かれたのはアポカリプスの初期段階でした。でも本作の舞台は感染爆発が半島を襲ってから四年後の世界。なので、ゾンビも変種のゾンビになっていると考えたわけですね。希望のない人間こそがゾンビだと思って、このような構図になりました。
―本作を作る上で影響を受けた作品はありますか?
色々な作品がありますが、特に参考にした作品の一つに大友克洋さんの『AKIRA』があります。アニメではなく、漫画の方です。漫画の方ではポスト・アポカリプスを背景とした「ネオ・トウキョウ」にアメリカの特攻隊が潜入にしてくるといったエピソードがあるんですが、そういったところを今回の作品に取り入れてますね。
―三部作がどれも手触りの違う作風になっているのはなぜでしょうか。
『ソウル・ステーション/パンデミック』は寓話的で残忍なブラックコメディを作ろうという気持ちで取り掛かりました。『新感染 ファイナル・エクスプレス』はそれとはまったく違うものを作ろうと考え、結果的にこの二つの作品はカラーも規模も異なる作品に仕上がり、周囲からとても驚かれました。今回も続編と言えども、まったく異なる作品に仕上げようと思ったんです。独特なシリーズになって個人的にも満足しています。
ー現在のコロナ禍の状況について監督はどうお考えでしょうか?
この作品を作っているときは、まさか世界がこのようになるとは思っていなかったです。この作品のテーマは「孤立した、絶望した世界の中でどんな希望を見つけられるか」です。そう考えると今の時代に適したテーマなのではないかと思います。クリエイターとしては幸運だったと思います。
―今後の活動予定について教えて下さい。
まず、私が去年シナリオを書いたドラマ「謗法~運命を変える方法~」の続編の台本を書いています。それはこのドラマを演出されたキム・ヨンワン監督が撮る予定です。私自身はNETFLIXが企画している、韓国タイトルだと「地獄」、英語だと「Hellbound」という作品があるんですが、この撮影に入っています。来年の下半期にオリジナル作品としてNETFLIXでたぶん皆さんに見てもらえると思います。
☆シネジャ作品紹介はこちらです。
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