『唐人街探偵 東京MISSION』 公開直前イベント

6月24日(木) アンダーズ東京
     (虎ノ門ヒルズ最上階52階 ルーフトップスタジオ)
登壇者(敬称略):妻夫木聡、鈴木保奈美、浅野忠信、三浦友和

P1140433補正320.jpg

この作品は、中国の旧正月初日の2月12日に公開されるや、初日に約10.1億元(約164億円)の興行収入を記録。その歴史的・超ヒット作『唐人街探偵 東京MISSION』(原題:唐人街探案3)が、日本公開される。この作品はシリーズ3作目。1作目『唐人街探案』の舞台はタイ・バンコク、2作目『唐人街探案2』はニューヨーク。そして大ヒットシリーズ3作目の舞台は日本・東京。
中国の探偵コンビを演じるワン・バオチャンとリウ・ハオランに加え、妻夫木聡演じる日本の探偵、タイの探偵役トニー・ジャーも加わりヤクザ絡みの密室殺人事件解決のミッションに挑む。妻夫木聡は『唐人街探案2』の最後に出演。他にも中国で人気のある日本人俳優が出演している。

『唐人街探偵 東京MISSION』情報
出演:王宝強(ワン・バオチャン)、劉昊然(リウ・ハオラン)、妻夫木聡、トニー・ジャー、長澤まさみ、染谷将太、鈴木保奈美、奥田瑛二、浅野忠信、シャン・ユーシェン、三浦友和、劉徳華(アンディ・ラウ)
監督・脚本:陳思誠(チェン・スーチェン)
供:Open Culture Entertainment アスミック・エース 
配給:アスミック・エース

『唐人街探偵 東京MISSION』作品紹介 シネマジャーナルHP
『唐人街探偵 東京MISSION』公式HP

『唐人街探偵 東京MISSION』 公開直前イベント

7月9日(金)全国公開の中国映画『唐人街探偵 東京MISSION』(原題:唐人街探案3)公開直前イベントが、6月24日に開催され、事件解決率世界第3位の日本人探偵・野田昊役の妻夫木聡、双子の妹で検事の川村芳子役と、姉で裁判官の川村晴子役を一人二役で演じた鈴木保奈美、事件解決率100%のエリート警視正・田中直己役の浅野忠信、密室殺人事件の解決を野田に依頼するヤクザの組長・渡辺勝役の三浦友和が出席した。大がかりな日本ロケが敢行された撮影秘話が語られ、貴重な撮影話を聞くことができました。

完成した作品について

妻夫木聡「撮影は2年ほど前に実施。コロナで公開はだいぶ遅れてしまいましたが、日本が舞台なので、日本で公開されるのは心からうれしいです。完成した作品は、テンポ感も素晴らしく、こんなに日本で遊んでくれたのかと思うくらいに暴れまくってくれました」と語り、「中国語のセリフがいっぱいなんだろうなと思っていたんですが、台本を見たら翻訳機を付けててあんまりしゃべってないじゃんと拍子抜けしました。『唐人街探案2』が終わってからずっと中国語の勉強をしていたので、監督に言って日本語のセリフを中国語に変えたりしてもらいました」と、日中ハーフという役どころを示すエピソードを。

P1140324補正_R.jpg

鈴木保奈美「楽しい映画なので、日本の皆さんに観てもらえることになって、とてもうれしく思っています。最初、話をもらった時、『唐人街探案2』のニューヨーク編を観て、なんて面白いものを作っているんだろうと思い、これを東京で撮ったらどんな面白くしてくれるんだろうと楽しみにしていまして、非常にカラフルで、スピーディーで、結構ハチャメチャなんだけれど、何も考えずに笑って楽しめる作品だなと思いました。皆さんの熱演も素敵です。妻夫木さん始め、長澤さん、染谷君など、みんな怪演という感じで皆さんとてもステキでした」と微笑みながら語った。

浅野忠信「撮影も面白かったですが、出来上がった作品も腹を抱えて笑ったし、小さい頃に観たジャッキー・チェンの映画を思い出す懐かしさもありました。そんな映画に出られるのはめちゃくちゃうれしかったですね。だけど何で僕は悪者なんだろうと思いました」と苦笑い。

三浦友和「いろいろな言葉の違いがあって最初は大変だったんですが、慣れてくると映画を作るということに向かっていけるようになりました。詳しくは知らないですけど、日本の大作の10倍くらいの製作費をかけているわけですが、こういう感じは日本では撮れないと思いました。笑いのツボがちょっと日本とは違うかなというところもあったのですが、まあ楽しめるかなという作品になっています」

アジアの総力を結集して作られた壮大な物語ですが、撮影の中で驚いたできごとは? という質問に対して

妻夫木「見たことのない機材が多かったですね。最初の空港のシーンとか1週間くらい撮影していたのですが、プログラミングして撮っていて、ああ、人間がもう動かさないんだということがあったり、1千万円くらいかかるドローンを使用したり、どうしても渋谷交差点のシーンを入れたいんだということで、セットも1億円以上をかけて作っています。映画の為ならば何でもやるぞ!という気概を感じました」と高いクオリティ作りに感心しました」

鈴木「中国側のスタッフの皆さんが若くて才能のある、仕事ができる方ばかりでした。ほんとうに真面目に熱心に仕事をしていました。通訳さんもたくさんいて、私たちのことを尊重し、親切に丁寧に接してくれて感動しました。皆さんタイトなスケジュールで大変だったと思いますが、とても気持ちよく撮影できました。しかも皆さん日本のことが大好きで、個人、個人で仲良くなりたいと思える人たちでした。今、この場に中国側のスタッフがいないことが不思議なくらいです」

P1140366補正_R.jpg

浅野「監督のパワーがすごかったです。元々俳優をされていたみたいで、説明もうまくて、ちょっとしたニュアンスも見逃さなくて、力がみなぎってました。監督がやったほうが早いんじゃないかってくらい演出を含めてとてもわかりやすく、その熱量に僕も火が付きました」
*婁燁(ロウ・イエ)監督の『スプリング・フィーバー』に出演するなど、元々は俳優として活躍をしていた。

妻夫木「言われることもありましたが、監督の演出は言葉で説明するのではなく自分でまず演じてみて、こういう風にやってというんです。俺がやるより全然上手で、誰よりもわかっている監督がやるので、そこを目指してやらないといけないというプレッシャーもありました」

三浦「やっぱり監督のパワーに驚きました。監督の立ち位置も違うし、実際にものすごく才能もある人でした。この中で銭湯のシーンがあるんですが、日本じゃありえないことが出てきて『日本じゃ絶対ありえない』と抗議したのですが認められず、映画ができあがってみると、こういうふうな映画なんだからまあ成立はするかなと、良しとしています」

P1140420補正_R.jpg

印象的だったシーンとか撮影事項

妻夫木「やっぱり、また秋葉原で人気アニメ『聖闘士星矢』のコスプレ姿を披露するシーンですかね。プライベートでは絶対にすることはない、完璧なコスプレでした(笑)。あそこまで堂々とコスプレ姿で歩けたのはこの映画だからこそですね。秋葉原もあまり行ったことがなくてどんな街かわからなかったけれど、想像以上に訪れる人々を楽しませる街。役を通じて秋葉原を楽しませてもらいました」

鈴木「私は出ていないのですが、空港のシーン。名古屋のビルで撮ったのですが、すごい大がかりな撮影で、機材もすごく、またスピーディなアクション。監督がこだわっていて、もう一回、もう一回と言って、またやるの? これは大変だなと思いました」

司会「あの冒頭のシーンはどうやって撮られたのか、観た方きっと気になると思うんですよね。とてもスピーディですし、ハートダッシュがすごいんだけど、そこについていくのが楽しいと思えるように撮っていて、失敗は許されないようなそんなシーンでしたよね」

妻夫木「さすがにひとつのカットでずっと追いかけていって、一発で撮るのは難しいので、何カットも撮っていますが、上手につないでいますね。シーンを追いかけていますが、観てくださった方はわかると思いますが、1,5倍速くらいしているんじゃないかと思うくらい、皆さんアクションがめちゃくちゃ速いんですよ。昔の中国映画そうだったよねって思うくらいスピーディで、恐れを知らないアクションなんですよね。それくらい熱量たっぷりに仕上がっていますね」

浅野「浜離宮ですね。僕は初めて行ったので、日本にこんな綺麗なところあったんだというくらいびっくりしました」

P1140382補正_R.jpg

作品にちなみ「探偵に解決して欲しいことは?」という質問に対して

妻夫木「笑い話にしてはいけないけれど、コロナを解決してほしい!それが今一番思うこと」「もう少し映画に寄り添うとしたら、どうやったら宣伝を介して映画がヒットするのか、その方程式みたいのをみつけて解決してほしいです」

鈴木「今日のために履こうと思っていたお気に入りの黒いスカートが行方不明。探してほしい(笑)。かなり長い間探していて、こんなことしてちゃいかんと思って、別の洋服に着替えて来ました」と会場を沸かせた。

浅野「10代の頃に探偵に依頼したことがあるんです。おじいちゃんがアメリカ人で、ちょっとした情報しかなくて、会ってみたくて、それで探偵の会社に電話したら断られました」

司会「その後、他でみつけてくれましたね。まさか探偵に依頼していたとは思いませんでした(笑)」

三浦:しゃれになるものが思いつくかなくてと言って「おかしいと思っているのは、何でずっとオリンピックをやろうと思っているのかな」と東京オリンピック開催に疑問を呈し、「理由を話してくれない。理由も教えてくれないのは、何故なんだ? これを何とかして欲しい」とコロナ禍でのオリンピックに皮肉を。

司会「最後に、この映画を楽しみに待ってくれている方に向けて妻夫木さんからお願いします」

妻夫木「僕自身この作品を観終わってから、日本人である自分でさえも<こんな日本があるんだな>というような知らない日本が出てきて、新しい発見がありました。それは海外から見た日本という姿で、少し誇張された部分もあるんですが、そういう部分さえも笑わせてくれる熱量で皆さん今回の作品に挑んでいます。最後ホロリとさせてくれるところもあったりしますが、映画館がまるで遊園地になったかのような感覚にとらわれるくらいエンターテインメントな作品になっています。ぜひこの作品は劇場の大きな画面で観てほしい」と日本公開に期待を込めてまとめ、公開直前イベントは終了しました。
取材・写真 宮崎暁美


【イベント開催のご報告】『唐人街探偵 東京MISSION』_1_R.jpg

イベント会場を出た東京タワーの見えるテラスで 公式写真より 

この記事へのコメント