『めんたいぴりり パンジーの花』公開記念舞台挨拶

6月9日(金)新宿バルト9にて、公開記念の舞台挨拶が行われました。
MC:伊藤さとりさん

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左から:博多大吉さん、瀬口寛之さん、富田靖子さん、博多華丸さん、余貴美子さん、森永悠希さん、江口カン監督


作品紹介はこちら
笑いあり涙ありの福岡発の人情物語。みんな言いふらかして映画ば、応援して〜!
(C)2023「めんたいぴりり」製作委員会
https://mentaipiriri.com/
★2023年6月9日(金)より新宿バルト9にて公開中
●前作『めんたいぴりり』初日舞台挨拶(2019/1/27)はこちら
●前作の江口カン監督インタビュー(2019/1/10)はこちら


―先週九州で先行公開されましたが、今日は九州出身の方もたくさん来ているんですよね。手をあげてください。そうじゃない方も、この『めんたいぴりり』を愛してくださっている方々、ご来場いただきました。ありがとうございます!
ではさっそくみなさんから一言ずつご挨拶いただきます。
まず初めにふくのや店主海野俊之を演じられました博多華丸さんです。

華丸 こんにちは!本日は数ある娯楽施設の中から当劇場、しかも『めんたいぴりり』をチョイスしていただきましてまことに御礼申し上げます。短い間ではございますが、ゆっくり楽しんで、映画も楽しんでいただきたいと思います。本日はよろしくお願いいたします。(拍手)

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―おかみさん海野千代子を演じられました富田靖子さんです。
富田 みなさんこんにちは、富田靖子です。今日は『めんたいぴりり』を選んでいただき、ほんとにありがとうございます。実は今回次男の勝(菊池拓眞)もあそこに座ってくれて(客席を指す)、私は次男が作ってくれた折り紙の小物をつけてまいりました。
とてもあったかい作品になっていると思います。珍しく恋の話もありますので、ぜひ楽しんでいってください。(拍手)

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―今回重要な役割の八重山さんを演じられています瀬口寛之さんです。
瀬口 みなさんこんにちは、瀬口寛之です。本日はありがとうございます。
こうしてみなさんにお届けできる日を迎えることができて、たいへん嬉しく思っています。あったかい作品になっていますので、この後お楽しみください。よろしくお願いします。(拍手)

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―スケトウダラの妖精を演じられています博多大吉さんです。
大吉 どうもこんにちは、大吉でございます。みなさんから「スケトウダラで来ないんだな、女装で来い」みたいな感じで言われますけれども(笑)。映画の中で僕もちらほら出ていますが、事前に言っておきます。「こいついったいなんなんだろう?」と考えるだけ時間の無駄だと思いますので、華麗にスルーしながら楽しんでいただきたいと思います。今日はご来場ありがとうございま~す。(拍手)

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―今回ゲストとして、ヒロインの元彼あつしを演じられました森永悠希さんです。
森永 みなさんこんにちは、ありがとうございます。今回あつし役を演じさせていただきました森永悠希です。今日こうやって皆様の前でご挨拶させていただけることがほんとに嬉しいです。ありがとうございます。短い時間ではございますが、よろしくお願いいたします。(拍手)

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―もうお一人ゲスト参加していただきましたたこ焼き屋台の店主、吉田ツル役の余貴美子さんです。
 余貴美子です。みなさんもう何年も一緒にやられていて、一つのチームが出来上がっている中で、ゲストとしてお邪魔させていただきました。物語の登場人物のようにみなさん優しくてほんっとにいい方たちで、いいお話で。私の荒れている心が本当に癒されました。撮影が終わってお別れするのが悲しかったくらいです。私の心、人の気持ちを優しくしてくれるような良い作品ですのでどうかお楽しみください。(拍手)

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―そしてこの作品の生みの親になります江口カン監督です。
監督 今日はみなさんどうもありがとうございます。僕の大好きな『めんたいぴりり』をまた作ることができて、こうしてみなさんに観ていただくことができ、そして再び”ふくのやメンバー” プラス、余さん森永くんとここに立てることを幸せに思っています。今日はよろしくお願いします。(拍手)

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―映画の公開おめでとうございます。(客席から「めんたい!」と声がかかる)華丸さんと靖子さん、2013年にドラマがスタートして、映画になったり舞台になったりして、10年になるわけです。ずっと『めんたいぴりり』に参加されて、久々の映画の現場、どんなお気持ちでしたか?

華丸 最初やったときは、もちろん続いたらいいなとは思っていましたけど、ここまで賞味期限が長いとは(笑)。
去年の夏に撮影に入ったんですけど、ふくのやのメンバー、10年経っても奇跡的にあか抜けないんで(笑)、ずっといい意味で成長を止めているんで(笑)。だから10年前と変わらない雰囲気で撮影ができたので、ほんとに変わらない良さをあらためて感じます。
富田 10年前にはなるんですが、いつも通りにちゃぶ台の自分の席でご飯を食べれる、いつも通りに撮影ができたという感じです。スケトウダラさんのメイクが毎回すてきになっていって、そこだけは楽しみにしておりました。
大吉 そうですね。10年前とは僕も年齢が違いますので、あの頃は40代ですが、今はもう50代なので、今回めちゃめちゃメイクが濃いです(笑)。濃いですけどもね、やらしていただきました。
華丸 ちょっと最近はあか抜けてました(笑)。ふくのやメンバーはね、奇跡的にあか抜けない(笑)。

―ここに”ふくのやメンバー”の瀬口さんがいらっしゃいますけど、今回はメインどころのパートがございました。
瀬口 はい、わたくし八重山が恋をしまして(笑)。台本読んだときは「大丈夫かな?」と思いましたけれども。頭に浮かんだのが、10年前のドラマの中でおかみさんが「一生懸命生きとる人間に綺麗も汚かもなか」って言うセリフがあるんです。それが浮かんできて…
富田 覚えとらん(笑)
瀬口 一生懸命恋をしようと思って、頑張りました!あの言葉大好きなんです。
富田 忘れた…今回はもう世界の中心で叫んでいますから、森永(あつし)さんと八重山さんが。大人女子「きゅんきゅん」です。
華丸 いつから福岡市早良区が世界の中心になったんですか?(笑)室見駅と藤崎駅の間あたりのあそこが?(笑)
富田 あそこが中心で、2人が叫んでいるのがもう「きゅん」です。

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マリ(地頭江音々)とあつし(森永悠希)

―『めんたいぴりり』に今回ロマンスが描かれているんですが、森永さん、こうやってメンバーと共演してどうでしたか?
森永 10年愛されている作品の中に入らせていただけるっていうのが、すごい。やっぱり制作陣にも愛がないといけないし、見てもらっている方々にも愛されてないといけない、でないとここまで続けることってできないですし。短い期間だったんですけど、ほんとに愛がたくさんある現場だなって思います。”ふくのやのメンバー”にも愛をたくさんいただいて参加できて幸せだと思いながら過ごさせていただきました。
―どんな愛情をもらったんですか?
森永 富田さんとかすごい話しかけてくださってて。
富田 はい。おかみさんとしてマリさんと八重山さん、森永(あつし)さんを盛り上げるために。
瀬口・森永 ありがとうございます。

―余貴美子さんも今回はゲストで、たこ焼きで苦労されて。
 はい、たこ焼きいっぱい焼いて練習しました。たこ焼きを焼くのと、屋台を引くのと、あと福岡の言葉をいっぱい勉強しました。初日が(従業員 松尾竹吉役の)斉藤優さん(パラシュート部隊)と一緒だったんです。夜に福岡の空港に着いて、そのまま撮影だったので最初に会った福岡の人が斉藤優さん。
華丸 彼、出身は大阪です(笑)。福岡在住の大阪人。
 そうなんですか。言葉も教えてもらって。今日いらっしゃらないんで寂しいんですけどね。
―華丸さんや富田さんとご一緒していかがでしたか?
 ほんとにやさしくて気を遣っていただいて、気ぃ遣ってますよね?
華丸 気ぃ遣ってました。(笑)大先輩ですから。
 ほんとに映画の中のような人たちなんですよ。この方たち、ほんとに。
―華丸さん、余さんが作られたたこ焼きは召し上がったんですか?
華丸 そこのシーンは少なめだったんです。食べさせていただいたことは、あります。はい。
―いかがでした?
華丸 すばらしい。日本一!(笑)

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―大吉さん、あの(スケトウダラの)シーンが出てくるといつも嬉しくなるんです。今回あのシーンを撮るために何か役作りとかは?

大吉 みなさん役作りって役柄とか背景を考えて、台本を読み込んでみたいな、話を聞いていたので僕もやろうと思ってたんです。最初から僕出てくるんですけど、ライバル企業の商品を持って出てくるんですよ。何度読み込んでも意味がわからない(笑)。首をかしげながら江口さん…監督に「いいんですか?」って聞くとOK出すんですよ。みなさんには厳しいけど僕には甘い。
監督 いち観客になりきっちゃいます。
大吉 ほんとに大丈夫かな?って。
―毎回、大吉さんと華丸さんのシーンはアドリブじゃないかと思ってるんです。
大吉 今回はどうやったっけ?(華丸さんへ)
華丸 えー、一応その~箇条書きがあるみたいな感じ。「全部おまかせ」って書いてあるんです。(キャスト・会場ざわめく)
大吉 華丸とのシーンはアドリブで全然いけるんですけど、後半のゴリけん(でんさん役)とのアドリブは地獄に等しいです(笑)。華丸さんは何か返ってくるんですけど、ゴリけんは、まさかの「黙る」っていう(笑)。黙秘権使ってくる(笑)。なかなか大変でした。
そのへんも「これ、いいのかな?」って思ったら監督が「OK!」ってすぐ出すから、ちょっと心配な楽しい部分でもあります。ぜひ注目していただけたら嬉しいです。
―そこはもう江口監督が大信頼しているわけですね。
監督 決して職務放棄しているわけではなく、それが一番面白くなるんで、はい。僕は楽しんで見てるだけです(笑)。
富田 大吉さんには優しかったんですけど、こわいですよ。キャストにはめっちゃ厳しい。
大吉 だから申し訳なかったです。大変だったでしょ、みなさんは?(みなさん頷く)
富田 はい。(笑)
大吉 八重山さん思い出すだけで汗かくのやめてください(笑)。めっちゃ汗かいてる。
富田 これが「めんたいぴりり」のめりはりだとは思うんですけど、ゴリけんさんがお二人(スケトウダラと)のシーンの後に、いつもお二人でものすごく長い時間反省会をされているんです。
―次に演じる時のための反省会なんですね?
大吉 そうですね。後は僕が遠まわしにゴリけんに「降りてくれ」って(笑)。もうそろそろ引っ越しとか(笑)。

―今話題の「サンクチュアリ」(江口監督作。Netflixで配信中)を見ている方もいらっしゃると思うんですよ。映画だと『ザ・ファブル』もございます。全く違う作風のこの『めんたいぴりり』を作り続けているというのは、江口監督にとって『めんたいぴりり』というのは、どういう存在なんでしょうか?
監督 これ以外は、”血まみれの力士”(Netflix『サンクチュアリ-聖域-』)が出てきたり、”殺さないと言って殺しちゃう殺し屋”(映画『ザ・ファブル』)が出てきたりというようなのが多いんで、こういう優しくていい話を作らないとですね、僕の人気が危ういなと思って(笑)。
華丸 つじつま合わせなんですか?(笑)
監督 「バランス」と言ってください(笑)。
華丸 バランス?
監督 僕の中の優しさをこのために何年間か取っておいて、これにバンっとぶつけるというか。
―そこは華丸さんはどういう風にお考えですか?
華丸 ほんとにはっきりしているというか。「サンクチュアリ」をご覧のみなさんはそれを求めて来られたら、ほんとに何もない(笑)。
大吉 何もない。ちょっとだけ流血シーンがあります。質が違います。
華丸 暴力シーンがないです。そこはご了承いただきたい。とても平和な。
―いつかシリーズの中にアクションシーンとか華やかなのがあるかもしれませんね。
華丸 いつかはね、「ファブル」にも狙われてみたいです(笑)。
―そうなったらすごい展開だと思います。

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―福岡の物語がこうやって全国に広がっていくっていうのもすごいことだと思うんですよね。
そこは華丸さんや富田さんどんな風にお考えですか?

華丸 九州の福岡県のみのドラマだったんで。しかも朝ドラじゃなくて、「ブランチ・ドラマ」みたいな、55分。ローカル枠のところだった地域限定のドラマが、少しずつ、10年かけてこうやって世に出て新宿で舞台あいさつ。感激しております。福岡で先週舞台挨拶だったんですけど、マイクの本数が全然違うんですよ(笑)。福岡はマイクが3人に1つ(笑)。全部東京にあります!ものは。
ね、ここにあったか!って(笑)。日本の中心でこうやってやらせていただけることに成長を感じています。マイク一本ずつ(笑)。
富田 小物やセットもね。

―富田さんもファミリーがこうやって全国に広がって知られていくっていうのは嬉しいんじゃないですか?
富田 そうですね。キャストも今まで子どもたちはずっと福岡、博多、九州の子が多かったんです。今回次男は東京の子で、これまで博多の言葉を耳にしたことがなかったんですけど、2日か3日経ってると普通に博多弁を喋っていました。こうやって『めんたいぴりり』が言葉の枠をどんどん越えて、日本のいろんな方に愛されたら嬉しいなと思います。
―ほんとにそう思います。瀬口さん、地元の方たちも見ていると思います。今回こうやってメインどころになるというのは感慨深いんじゃないですか?
瀬口 ちょっと恥ずかしい気持ちもありますけど、頑張ったんで友達とかみんないろんな人に見てもらいたいです。
―反響は届きましたか?
瀬口 今のところ身内からだけです。
―これからどんどんね。楽しみですね。
富田さん、今回恋のお話があるちょっと甘口な『めんたいぴりり』のお話というのをご覧になって、どういう風に感じられましたか?

富田 いやー10年経ったなぁと思うのは…そこに私たちの恋の話は入れませんでした。
華丸 もう…
富田 もう良か、って感じで。ちょっぴり寂しかったです。愛の話には入りますけど、恋の話はやっぱり若いみなさんにお任せしてって感じで、ちょっと後ろできゅんきゅんしていました。

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―大吉さん、客観的にどうでした?
大吉 華丸さんから今度の話は「八重山さんのラブストーリーだ」って聞いたときは「無理だ」(笑)。「そんなの誰が観るんだよ」って楽屋では言いましたけど、試写会で観たときはジーンとしましたね。
八重山さんのアップめちゃくちゃあるんですよ。大画面で八重山さんが演技するのは…ストーリーも面白いんですけど、ここ10年くらいの軽~いお付き合いはあるので、あ、軽いって言い方はあれですけど(笑)。ずっと勝手に応援してたので「ああ、良かったな、八重山さん」と思ったし、「もっと頑張れよ、笹嶋(ふくのや従業員笹嶋辰雄役:福場俊策)!」とも思いました(笑)。今日来てるのに、舞台にあげてもらってないんで(笑)。頑張ってね。みっちゃん(ふくのや従業員岡村ミチエ役:井上 佳子)も来てるんです。代わろうか?って言うたんですけど。
もう見どころいっぱいです。話がいっぱいあるよね。
華丸 今回はそうですね、トータルで3つの話が。パルプフィクション的なね(笑)。
富田 余さんの(演じる)ツルさんの恋の話と、八重山さん、森永(あつし)さんの恋の話、ちょっと喧嘩しちゃったかなという私たちの話。
華丸 うん。いろいろ幕ノ内弁当になっています。楽しんでいただきたいと思います。
―きゅんきゅんしながら、ほっこりして涙が出るような作品です。ぜひみなさん楽しんでいってください。ありがとうございました。(拍手)

主題歌の流れる中、中心に集まってフォトセッション、パネルありパネルなし。観客の撮影タイムも

―これからご覧になるみなさまへ、華丸さんからメッセージをお願いします。

華丸 今日、朝から生放送やって来たんです。ゲストは安藤サクラさんで『怪物』の紹介をしました(笑)。公開初日にこういうこともあるのはある意味「縁」だと。10年続く作品も僕は「怪物」だと思います。「怪物」対「魚卵」で(笑)頑張っていきたいと思います。(拍手)
(まとめ・写真 白石映子)

=取材を終えて=
前作から4年経っての第2弾です。テレビドラマからだと10年、大きくなった子どもたちは交代しましたが「ふくのや」のみんなが変わらずにいてくれたと、ほっとします。大将は相変わらずお人よしののぼせもんで、おかみさんはそんな夫をしっかり支えています。
舞台挨拶も映画の雰囲気そのままに、和気あいあいとしています。ほんとはキャスト&会場の(笑)がもっとあるのですが(笑)だらけになってしまうので、省略しています。記者席でも笑い声が上がるので、録音にかぶって聞き取れなかったり。
華丸さんの「頑張っていきたいと思います」で綺麗にしめくくられたのですが、その後に実はこんな会話も。

華丸『怪物』を観に行ったんですけど、映画の宣伝で『リトルマーメイド』予告編が流れていたんです。
あれ、大吉さん出てない?
大吉 僕(笑)。
華丸 あれ!?(笑)

おあとがよろしいようで。

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