『Firebird ファイアバード』初日舞台挨拶

エストニアでの同性婚合法化にも影響を与えた真実の愛の物語

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1970年代後半、ソ連占領下のエストニアの空軍基地を舞台に、二等兵と将校の禁断の恋を描いた『Firebird ファイアバード』。
ペーテル・レバネ監督、W主演のトム・プライヤーとオレグ・ザゴロドニーが来日し、初日舞台挨拶が行われました。
イケメン3人の登壇とあって、劇場は満席! 
同性愛が厳罰に処されるソ連、さらに規律の厳しい軍の中で、真実の愛を貫いた実在の人物の自伝をもとに描いた映画について、熱く語ってくださいました。

2024 年 2 月 9 日(金) 18:30~
新宿ピカデリー シアター6


登壇者:トム・プライヤー、オレグ・ザゴロドニー、ペーテル・レバネ監督
ゲスト: 小原ブラス
司会:東沙友美  
通訳:今井美穂子


MC:お待たせしました。ご登場いただきましょう。皆さま、拍手でお迎えください。
(満席の客席から大きな拍手)
皆さまより一言ずつご挨拶いただきたいと思います。まずはレバネ監督からお願いいたします。

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ペーテル・レバネ監督:ハイ! ご来場いただきありがとうございます。満席と伺い、ありがたい気持ちでいっぱいです。 この作品を携えて各国を長い旅をしてきて、ようやく日本のお客様にもお届けできます。とても嬉しいです。主人公セルゲイのモデルになった方の自伝をもとにしたストーリーです。ぜひお楽しみください。

MC: 若き二等兵を演じ、監督と一緒に脚本も書かれたトム・プライヤーさん、ご挨拶お願いします。

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トム・プライヤー:ハイ! ようこそご来場くださいました。この美しい作品を世界各国、そして日本のお客様にお届けするのに長い旅路でした。ご覧いただくときに、愛の可能性と、愛の本質について考えていただければと思います。

MC:戦火のウクライナから奇跡のご来日を果たされましたオレグ・ザゴロドニーさん、よろしくお願いします。

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オレグ・ザゴロドニー:日本の皆さん、東京の皆さん、お越しくださいましてありがとうございます。皆さんにお会いできて嬉しいです。

◆映画化しなければいけない原作に出会った
MC:レバネ監督にお伺いします。この映画はどのような経緯で撮影されることになったのでしょうか?

監督:映画の企画の発端は、2011年ベルリン国際映画祭に参加していた際に、知り合いからセルゲイの自伝を渡されたことでした。自宅に帰ってから読んで、読み終わって、涙を流していました。映画にしなければいけないと突き動かされた気持ちになりました。脚本を書き始めたところに、ハリウッドの友達のプロデューサーが主役に合う人がいると、トムを紹介してくれました。脚本にも参加してくれて、二人三脚で2年がかりで書き上げました。その間、リサーチを重ね、セルゲイ本人にも会いました。脚本が出来上がったあと、オレグさんと会いました。

MC:トムさんは、映画化の話を監督から受けてどのように思われましたか?

トム:監督から聞いた時に、好きな要素がたくさん入っている話だと思いました。もともと軍隊ものが好きでした。冷静時代にも興味があったので、これは面白そうだと思いました。自分自身のテーマである愛の本質について何なのかについても語っていて、ぜひやってみたいと思いました。いろんな困難や壁を乗り越え、愛を突き進む、愛を諦めない人物を描いているところも魅力でした。

MC:オレグさん、ロマン役をオファーされて、いかがでしたか?

オレグ:監督は素晴らしい人物をオファーしてくれました。ロマンはヒーローとして描かれていて、真の兵士。真の愛の物語で、とても演じ甲斐がありました。 このような作品に参加できて嬉しかったです。


◆エストニアでの同性婚合法化にも一助
MC: エストニアでは、先月の元旦に同性婚が法制化されました。監督は、この映画が国を動かす原動力になったと思いますか?

監督:映画というものは、他者の視点で物事を見ることができるメディアで、社会を少しでも変えることのできる力強いものだと思います。共感を呼び起こすものだと私は信じていて、この映画はエストニアで社会に影響を与えたと思います。
私は、2010年からLGBTQのアクティビティをしてきました。エストニアでは、今年1月1日から同性婚が合法化されて、マジョリティーの人にとっては取るに足らないものかもしれませんが、マイノリティーとして幸福度が大きく変わりました。私も他者と平等と感じられるハッピーな日々です。



◆ポジティブな原作者に会ってアプローチが変わった
MC:トムさんが、本作の原作者でモデルでもあるセルゲイさんご本人と会った時のエピソードを教えてくだい。

トム:脚本に参加できたのも素晴らしい体験でした。セルゲイ本人に会ったことで、キャラクターへのアプローチが変わりました。それまでに抱いていた印象と違いました。とても陽気で人生を謳歌しているポジティブ思考の方。ストーリーのバッググラウンドはダークで脅威がはびこる世界なのですが、そんな中でも自分の信念を曲げず、信じる人。愛は全てを乗り越えるということを見せてくれる人でした。こうしたことは自伝を読んだだけではわからない。会って伝わってくることです。ソ連時代の軍隊の時の写真を見せていただいたのですが、それも明るいものでした。アプローチがだいぶん変わりました。

MC:今のお話を聴いて、皆さん、ぜひ映画を楽しんで観てください。


◆スペシャルゲスト小原ブラスさん、恋に落ちるなら監督と!
MC:ここで、少し先に映画をご覧になって、とても感銘を受けたという、スペシャルゲスト、ロシア出身のタレント・小原ブラスさんにご登壇いただきたいと思います。3人にお会いするのをとても楽しみにされていたそうです。

小原ブラスさんが3つの花束を手にして登壇。一人一人に花束を渡しました。

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4人そろってフォトセッション

MC:小原さん、本日はご登壇ありがとうございます。一言ご挨拶をお願いします。

小原:だいぶぎりぎりまで押してると後ろで聞いて、ちょっと早く話さないとあかんでと聞かされてるんです。でも、感想も言ってやってもいいですか。

MC:小原さんご自身もゲイであることを公言されていて、本作も男性どうしの愛が描かれていましたが、どのような印象が残りましたか?

小原ブラス:僕はポスターや予告を見て、滅茶苦茶カッコいい人が出てるわ~と思って、はっきり言うと良からぬ考えで観た気がするんです。観たら、最初はもちろんソ連時代の迫害であったり、そういうテーマなのでちょっと重たいなと思っていたんですけど、後半になると現代でも通じるような話になっていて、日本でも2年位前に騒がれていたようなことが描かれていて、歴史というよりも、まさに現代の日本にも通じる部分があるんだなと、急にふっと近く感じたんです。良からぬ気持ちで観ようと思っている方も、最後、感動するから、そのつもりで観に来てほしいと思います。

MC:小原さんの今のお話を聞いて、監督、いかがですか?

小原:恥ずかしいな。

監督:ありがとうございます。とてもいいですね。よからぬ気持にも同意します。美しさと苦悩がせめぎ合った映画になっていると我ながら思います。

小原:ゲイやLGBTQを扱った映画というと、あまりにロマンティックに描く方向に流れたり、迫害されてつらい気持ちにぐっといくことがあったりします。今回の作品を僕が見ると、必ずしも主役二人の行動に全部は同意できなかったりするんですよ。自分ではこうはしないなとか、筋通ってないなぁと思うところもありました。よく考えたら、筋を通せないのが人間やんか、ゲイだって間違ったこともするし、人間らしいわがままな一面があるんやと、当事者から見たら肩の荷が下りるような映画にもなってました。以上です。

MC:小原さん、ありがとうございます。 3人とも、とっても皆さん魅力的ですが、小原さんは恋に落ちるとしたら誰がいいですか?

小原:え? 何それ? 花束見たらわかるやん。花束見て。監督やがな。イケメンも好きなんですけど、もちろん監督もイケメンですけど、何かなしえた人が好き。お二人もなしえているんですが、要は権力が好きなんですよ。

監督:非常にうまく外交的に向き合って答えてくださって、ありがとうございます。

MC:フォトセッションに移りたいと思います。

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まずは、トムさんとオレグさん!

次は監督・・・ と声がかかり、トムさんとオレグさんが退場しそうに。呼び戻して、3人でのショット (トップの写真)

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「続いて、小原さんも」と呼び込み、小原さんと監督を二人にしようとトムさんとオレグさんが立ち去り、このツーショット。

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トムさんとオレグさんを呼び戻し、「出演者じゃない」と真ん中を拒否する小原さんでしたが、この並びに落ち着きました。

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続いて、観客の皆さんにも写真タイム。


MC:最後に監督から一言、これからご覧になる観客の皆さんにメッセージをお願いします。

監督:ネタバレはなしですよね? 今夜はぜひお楽しみいただきたいと思います。数年かけてこの作品を作ってきましたので、ご堪能ください。こうして皆さんにお届けできるのを嬉しく思っております。気に入っていただけましたら、お友達にも共有してください。

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最後に、4人が観客を背景に写真を撮り、和気藹々の舞台挨拶は終了しました。

Facebook アルバム 『Firebird ファイアバード』初日舞台挨拶
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★大きな写真や、ほかの写真をこちらでご覧いただけます。

報告:景山咲子




Firebird ファイアバード   原題:Firebird

(C)FIREBIRD PRODUCTION LIMITED MMXXI. ALL RIGHTS RESERVED / ReallyLikeFilms
監督・脚色ペーテル・レバネ 
共同脚色 : トム・プライヤー、セルゲイ・フェティソフ 
原作 : セルゲイ・フェティソフ 
出演 : トム・プライヤー、オレグ・ザゴロドニー、ダイアナ・ポザルスカヤ

2021年/イギリス・エストニア/英語・ロシア語/107分/5.1ch/DCP & Blu-ray
日本語字幕 : 大沢晴美
配給:リアリーライクフィルムズ
公式サイト:https://www.reallylikefilms.com/firebird
シネジャ作品紹介:http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/502268722.html 

★2024年2月9日(金)新宿ピカデリー他にて全国公開


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