日帝時代の事件 両国での公開が平和の証
ヒョンビンが祖国の独立に命をかける孤高の男、安重根(アン・ジュングン)を演じ、リリー・フランキーが伊藤博文役で韓国映画初出演を果たした映画『ハルビン』。
7月4日(金)からの日本公開を前に、ジャパンプレミアが行われました。
2025年6月27日(金) 9:30からの上映終了後舞台挨拶
新宿ピカデリー SCREEN1
登壇:ヒョンビン、リリー・フランキー、ウ・ミンホ監督
MC:古家正亨
上映が終わり、満席の観客の前にウ・ミンホ監督、ヒョンビン、リリー・フランキーが登壇。
まずは挨拶。
ウ・ミンホ監督:映画『ハルビン』の監督ウ・ミンホです。お会いできて嬉しいです。
ヒョンビン:こんにちは(日本語で)。こうして久しぶりに皆さんと映画館でお会いできてうれしいです。皆さんにとっていい思い出になれば嬉しいです。
リリー・フランキー: 平日の昼間にたくさんいらしていただきありがとうございます。映画をご覧になったあと。すごくダイナミックな映画。久しぶりにヒョンビンに来ていただきましたので、皆さんどうぞ楽しんでください。
― 韓国で公開され6か月経ちました。いよいよ日本で公開されるのにあたってどんなお気持ちですか?
監督:映画『ハルビン』は、皆さんにご覧いただいた通り、日帝時代の大韓義軍の物語です。日本での公開がとても大きな意味を持っていると思います。この作品を観て、どのように感じてくださるのかわくわくしています。
ヒョンビン:監督がおっしゃった通り、日韓の歴史的事件を描いています。このように観客の皆さんとお会いするのは非常に感慨深いことです。皆さんがこの映画をどのように観てくださるのか気になっています。少し緊張もしています。
リりー:なによりもお互いの国でこの映画が上映されるのが平和の象徴だと思います。映画として楽しんでいただければなによりです。今日はありがとうございます。
◆アン・ジュングンの人間的な苦悩を描きたかった
― 監督がこの題材に取り組んだきっかけは?
監督:元々アン・ジュングンに関心がありました。韓国では彼についてのコンテンツがたくさん作られています。偶然自叙伝を読んで、今まで知らなかった人間的な苦悩を抱えていたことを知りました。日本軍の捕虜を助けたことも書かれていて好奇心を持つようになりました。なぜ彼がハルビンへ行って大きなことを果たそうとしたのか、また、彼の同志への思いを描きたいと思いました。
― お二人が出演を決めたのは?
ヒョンビン:監督と同じような気持ちです。アン・ジュングンは韓国では伝説的な英雄ですが、それだけでなく、人間としての姿を映画を通して見せたいと思いました。監督が映画を通じて伝えたいと思うことが誠意を持って伝わってきて、意義のある映画を作ろうという思いに一緒に映画を作ろうと思いました。
リリー:素晴らしい脚本。面白い映画になると思いました。監督の映画の大ファンですし、ヒョンビンの作品もほとんど見ています。僕に限らずオファーを受けたと思います。
― ラトヴィアやモンゴルの素晴らしい映像でしたが、撮影は大変だったのでは?
リリー:氷の上とか、すごくない?
ヒョンビン:撮影を始める前に監督から、この時代に苦労した人たちがいたから、簡単に撮影してはいけない。充分覚悟してと、スタッフもキャストも言われました。つらいという気持ちよりも、当時の人たちの思いに気持ちを馳せることができました。
◆リリー・フランキー 手を重ねてくれたヒョンビンにときめく
― リリーさんは日本人一人で撮影現場に?
リリー:日本人はほんとに僕一人でした。ヒョンビンも、監督もすごく優しくて・・・ 10人くらいで食事をしていた時に、日本人が僕一人なものですからヒョンビンが横に座ってくれて、韓国語の会話でわからない中、テーブルの下で手を重ねてくれて、「リリー、Are you OK?」と聞いてくれて、あなたたちそんなことされてごらんなさいよ。もう・・・! それくらい気を使ってくれて優しい。
監督はいい時はすごく褒めてくれて、早く終わった時には飲みに行こうと。
― ヒョンビンさん、手を重ねたこと覚えてますか?
ヒョンビン:リリーさんの大ファンでしたので、下心ありました。
◆優先順位1位は、決まった時間の美味しいご飯
― 公式SNSで質問を募集しました。一つ目、韓国での撮影現場はご飯が美味しいと聞きました。何が一番美味しかったですか?
リリー:日本みたいにお弁当じゃなくて、ケータリングで、キムチだけでも何種類もありました。終わった後に食べに行ったお店も美味しかったです。
3日撮影したら、1日休み。スタッフが温泉に連れてってくれて、おじさんが全裸で垢すりしてくれました。休みの時も思い出深いです。
― 監督は現場でのホスピタリティをどんな風に考えていますか?
監督:ケータリングのことが出ましたが、優先順位の1位は美味しいご飯だと思っています。精神的にも肉体的にも疲れているのに、ご飯が美味しくなかったら怒ってしまいますよね。ご飯は美味しくないといけない。時間も守らないといけない。
リリー:これ絶対書いてくださいね。日本の現場では守られない!
ヒョンビン:映画自体は重い雰囲気ですが、現場は重くなかったです。お互い演じるキャラクターがあってプレッシャーはありましたが、お互い話し合ったり、助け合ったりしました。皆で一緒に過ごす時間が長かったので、同志のようになりました。
◆一歩一歩進めば、いい未来が見える!
― 映画『ハルビン』の魅力をひと言で!
ヒョンビン:難しいですね。リリーさんから先に。
リリー:ダイナミックでいい映画!
監督:日帝時代を描いたものですが素晴らしい映画。配信の時代ですが、この映画はぜひ劇場で観てください。
ヒョンビン:一歩一歩進めば、いい未来が見える映画です。
リリー:これまでヒョンビンの映画をご覧になっているかと思いますが、僕が撮影に入った時には、もうアン・ジュングンの髭がはえてて、髭のヒョンビンにしか会ってなかったんです。そのあとプライベートで髭を剃って綺麗なかっこうをしたヒョンビンに会って、「あ、ヒョンビンだ」と。いつもぼろぼろの服を着たヒョンビンに会っていたので、本当にものすごいナイスガイで、監督もものすごく才能に溢れた人なので、また一緒にいろんな仕事をしていきたいですね。
ヒョンビン:私も一言付け加えたいと思います。こうして日本に来てジャパンプレミアをするにあたって大きな働きをしてくださったのがリリー・フランキーさんです。韓国で公開された時にはリリー・フランキーさんも韓国に来てくださってプレミア上映や舞台挨拶もしました。その時にも話したことがあるのですが、日本でもイベントや舞台挨拶することがあれば、一緒にという約束を果たすことができました。
監督:ヒョンビンはいつも見ていたのとは違う姿を見せてくれました。まさにアン・ジュングンでした。 リリーさんの大ファンで、これは伊藤博文以上の存在感でした。あらためてお礼を申し上げます。
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フォトセッション
観客の皆さんにも撮影のチャンス。取材陣が退出したあと、満席の観客をバックに記念撮影も行われました。
ハルビン 原題:하얼빈(ハルビン)
監督: ウ・ミンホ
出演: ヒョンビン、パク・ジョンミン、イ・ドンウク、リリー・フランキー
1909年10月、安重根(アン・ジュングン)と同志たちは
伊藤博文を追ってある使命を果たすため、
中国・ハルビンヘ向かった。
そしてハルビン駅に銃声が鳴り響いた…。
2024年/韓国/114分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
字幕翻訳:根本理恵
配給:KADOKAWA
公式サイト:https://harbin-movie.jp/index.html
★2025年7月4日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
シネジャ作品紹介
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