『AWAKE』完成報告会見

IMG_5013b.jpg

12月8日(火)、グランドハイアット東京にて『AWAKE』完成報告会見が開催され、キャストの吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ、山田篤宏監督が出席。ピカピカの【新電王手さん】も登場しました。ほぼ書き起こしでお届けします(聞き取れなかったところは省略)。(司会:いとうさとり)

―まずは一言ずつご挨拶をいただければと思います。清田英一を演じられました吉沢亮さんです。
吉沢 ありがとうございます。清田英一を演じさせていただきました吉沢亮です。初めてこの脚本を読ませていただいたときから、すごく大好きで思い入れのある作品だったので、着々とこう皆様にお届けできる日が近づいていることにドキドキしています。今日は最後までよろしくお願いいたします。(拍手)

―英一のライバル浅川陸を演じられました若葉竜也さんです。
若葉 初めまして、若葉竜也です。このようにたくさんの記者の方々に集まっていただき、ほんとに嬉しく思っています。もうすぐ、こんな時期なのに公開できるということで、すごく嬉しく思っています。よろしくお願いいたします。(拍手)

―英一の大学の先輩磯部達也を演じられました落合モトキさんです
落合 初めまして、落合モトキです。こうやって完成報告会見を今日開けるということで、まずこの作品は一歩前に勧めたんじゃないのかなと思います。25日公開できるように願うばかりです。今日はよろしくお願いします。(拍手)

―監督・脚本を手がけられました本作が商業映画デビューとなりました山田篤弘監督です。
監督 初めまして、山田篤弘と申します。今日はお集りいただきましてありがとうございます。素晴らしいキャストとスタッフで、とても自信を持ってお届けできるエンターテイメント作品になったのではないかと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

=演じた役柄=

―吉沢亮さんにお伺いしたいと思います。本作が発表されたときに、これまで出演した映画の中でかなり好きという風におっしゃっていたと伺っておりますが、どんなところが特に惹かれたんでしょうか?
吉沢 やっぱり最初に読ませていただいた脚本がものすごい面白くてですね。商業映画でAIを使っている映画なので難しいのかなぁという思いもあったんですけど、全然そんなことなく「ど直球」のエンターテイメントで。メッセージ性とかもわかりやすいし、すごく爽快感のある青春ストーリーになっていて面白い。完成した作品を観て、なんですかね。今まで自分の出た作品って冷静に観れずに、わりと自分の芝居のイヤな部分ばっかり目立っちゃって。今回は自分の芝居がどうこうじゃなく、単純にすごい面白いなあと思った。すごくいい作品ができたな、それに参加できて良かったなと最初に思ったので、この作品は自分の中では新鮮な感じでしたね。出来上がったものを見てすごい好きでした。はい。

吉沢亮 as 清田英一_DSC02701.jpg

―将棋の棋士を目指す英一の目線から動きからも「わ、ほんとに棋士の人みたいだ」と見ていたんです。そこは準備されたことが結構あったんじゃないですか?
吉沢 とにかく英一という人間はちっちゃいころから将棋しかやってこなくて、将棋以外のことを何も知らないというか、将棋以外こいつは何も持っていないんだというものを全面的に出したくて。撮影始まる前に太ってみたりとか、姿勢から将棋を指しているときのちょっとした体の揺れとか表情の変化とか、いろいろ現場で工夫しながらやってましたね。

―そんな英一のライバルになります天才棋士を演じられた若葉さんに伺いたいと思います。圧倒的な天才棋士ということで、台詞もすごく少なくて、ほぼ無口だったと思うんですけれども、今回演じるにあたってご自分で肌で表現することとかいろいろ準備されたことがあるんじゃないでしょうか?
若葉 やっぱり棋士の方々の指し手とか所作とかというのは、絶対条件として、身体に落とし込まないといけないなと思ったので、そこは気をつけました。
―どんなことをリサーチされたんですか?
若葉 最初に子どもたちの将棋を見に行って、その後に映像でプロの棋士たちの立ち居振る舞いを見て、そこでアマチュアからプロになっていく段階でのサインみたいなものを見たりとか。もちろん指し手が一番たいへんでしたけど。彼らの歴史が詰まっているので、そこを軽んじて演じることはできないなと思いましたね。

―続きまして落合さんに伺いたいと思います。今回英一の先輩の磯野という役ですけれども、この二人とは違って非常に早口の専門用語を使うということで、台詞もすごく多かったと思うんですけれども、監督から何か演出を受けたこととか、ご自分で意識したことはどんなことでしょうか?
落合 衣装合わせで監督と初めてお会いしたときかな?そのときに「どういう形で演技しましょうか?」という話をしたときに、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクをイメージしてやってくれ」という風に言われて、「こっちではカタカタやりながら、こっちは全然別のことをまくしたてて言ってるみたいな感じ」のことを言われたので、確かにそうなんだろうけど、台詞が専門用語過ぎてたいへんだなぁと。でもなんていうんだろ、考えて覚えるというよりも、呪文のように覚えるといいんだろうなと思って、自分が演技してきた中でも「考えないで物事を言ってた」というのに近いかもしれないですね。

―それを横で吉沢さんはごらんになっていたわけですよね。
吉沢 はい。めちゃめちゃ大変そうでした。聞いたこともない単語をずっとペラペラしゃべっていて、すごい早口だし。それが全然違和感なく落とし込まれている感じがやっぱりすごいなぁと思いました。台本読んだときの磯野と、モトキ君が演じた磯野って僕の中ではギャップがあったんです。なんか想像の斜め上をいくなぁと思ったんですけど、それがすげー面白くて、英一といるときのバランス感とか、なかなかおもしろいことになったと思いますね。
落合 そうですね。わーーって羅列したことを言ったときに、亮君がその後の台詞で「わかりました」っていう台詞があったんですけど、その台詞も亮君がつきあってくれたりして。前から亮君のファンだったので、ほんとにいいお兄ちゃんだなと思いながら現場にいました。(吉沢「いやいや」と手を振る)

IMG_5009.jpg

―さて、監督に伺いたいと思います。2015年に実際にあった「電脳戦 ファイナル」の対局がモデルになっていると伺っています。この対局をご覧になって、どんなところから映画にしたいと思われたんでしょうか?
監督 2015年の「電脳戦 ファイナル」という対局自体がドラマチックな対局でして。何がドラマチックだったかというと、開発者が元奨励会員であって、プロになれなかったけれども開発者としてもう一度プロと戦うという。前提そのものも魅力的だったんですけれども、その後の実際の対局の顛末も非常にドラマチックなものでした。それを見たときにもうこの二人・・・実際の二人は顔見知りではなかったんですけど・・・この二人が小さいころからライバルだったら面白いだろうなと想像しまして、それを元にオリジナルストーリーとして脚本を書いた感じですね、はい。
―それで、こうやって吉沢亮さんと若葉竜也さんがその二人を演じたということですよね。
監督 そうですよね。すごいなぁと思って見てますけど。いまだにすごいなぁと思って(笑)。

=お互いの印象=

―今回共演されての印象を聞いてみたいと思うんですが。あらためて落合さん、吉沢さんとの共演シーンがたくさんありましたが、どんなところをすごいな、とか面白いなと思ったところありますか?
落合 亮君には入ったときに「〇〇観たよ、俺ファンなんだよ」と開口一番に言ったと思うんですよ。年下の子と共演する機会が増えてきたんですけど、その中でも素晴らしい役者さんだと思うので(吉沢お辞儀)嬉しい気持ちで毎日やってたし、竜也はいなかったんだけども二人の空間でやってたって感じで、ね。毎日楽しかったです。

―そう言われてますけど、吉沢さんどうでしたか?
吉沢 楽しかったですよ、ほんとに。この作品の中で会話する人って、ほぼほぼ磯野だけなんで、僕は。二人で作っている空気感とかも・・・共演させていただくのは初めてですけど、なんかすごく居心地の良いというかやりやすい空気感でやらせていただいてました。すごく楽しかったです!
若葉竜也 as 浅川陸 _DSC09449_hosei.jpg

―若葉さんちょっと孤独なシーンも多かったと思いますが、どうですか?吉沢さんと共演されてみて。

若葉 僕、吉沢くんとほとんど3日くらいしか、ね?
吉沢 そうですね。4シーンくらいしか一緒にシーンがないんで。
若葉 一緒のシーンがなくて、後はほぼほぼ一人で悩んでるシーンなんで全然楽しくなかったですね(笑)。
―お会いになってみていかがでしたか?ファーストインプレッションというか?
若葉 え、吉沢君とですか?吉沢君は・・・勝手なイメージですよ、僕の。爽やかでスターな感じかな、と思ってたんですよ、勝手に。そしたらもう、死ぬほど暗くて(笑)。こんな感じなんだと思って・・・英一が吉沢君の本来の姿に近いのかなと、僕は勝手に思いました。どうなんすか?(吉沢へ)
吉沢 近いですねぇ。(笑)
若葉 暗いよね?(笑)
吉沢 暗いです。自分で言うのもあれですけど、演じていて彼のなんか、暗いんだけど、別にそれを・・・なんていうんだろ。ほんとは周りに興味あるんだけど、暗いしどう接していいのかわからないから全然興味ない振りをしている感じとか、すごく理解できるし。ここまで内心が役とフィットする瞬間があんまりないなぁと思いながらやっていましたけどね。

―落合さんはそういう風に思いました?横で見ていて。
落合 うーん、じゃ俺の前では気丈に振舞ってくれていたのかな?(吉沢 笑)
若葉 そうそうそう。たぶん。一回ね、吉沢君がある女優さんと映画の宣伝をしているラジオを聞いたの。めっちゃ明るくて(吉沢 笑)
落合 ヤバいよねあれは。
若葉 ヤバいよね。全然違うじゃん。あれはなんかスイッチがあるの?それとも日によってあんなに高低差があるの?
吉沢 たぶんどっちもほんとなんですよ。作ってるわけじゃなくて。
若葉 いや、ずるいそんなの。もっとほんとのことが知りたい。(笑)
吉沢 違うんですよ。ほんとに根は暗いけども、ふざけたりするの大好きだし、騒ぐのも大好きなんです、ほんとは。
若葉 じゃもっと話しかけると、もっと吉沢亮が見れる?
吉沢 見れますね。わりとモトキ君はその段階まで来てましたね。
若葉 え、二人でいるときどんな感じだったの?モトキと。
落合 亮君だいたい座らない、かな。
若葉 いやいや、おかしな人になってる。座らず?(笑)二人で飲みに行ったりしたんでしょ?
吉沢・落合 行った。行きました。
落合 ちゃんとほろ酔いになるまで飲んで。でも吉沢亮君が連れてく店ってことだから、俺値段設定がわかんなかったから、しこたまATMで金おろして(笑)・・・楽しく飲めた。
若葉 ああそう。僕は一回も飲みに行ってないですけど。ほんと現場で5言くらいしか喋ってないです。
―ジェラシーですね。
若葉 ジェラシーとか?僕はもう暗い人だと思ってたんで。勝手に。「次に行って」ってカンペ出てます。(爆)

=「〇〇超え」は何?=

―みなさんがどういう性格なのかわかりそうな深堀りの質問をしていきます。空前の将棋ブームの今年、藤井壮太二段が出した一手が「AI超え」と話題になりました。そこでみなさんに共通質問です。個人的に今年「○○超え」、以前の自分を超えたことはなんでしょうか?すっごいシンキングタイムになってますけど。
若葉 誰からですか?
―誰からいきましょうか?
吉沢 これはあれですよね。出た人からいけばいいんじゃないすか?
―じゃ吉沢さん
吉沢 えっ(笑)。僕から?えー、難しい。何何超えですもんね、何かを超えなくちゃいけないんですよね。ほんとに出てこない。ちょっと待って。
若葉 「何何超え」ってどういう意味?(みんなからフォロー)新しくチャレンジしたことじゃダメなんですか?(いいよと声)
吉沢 そういうこと。あります?なんか。
若葉 俺はね、今まで服にお金かけなかったの。現場にいけばすぐに衣裳に着替えちゃうし、別に何でもいいやって思ってたの。だけど「ありえない金額のコートを急に買った!」(笑)それくらいしかない。
落合・吉沢 超えたね~!
若葉 なんかね、ほとんどが数千円で買えるものばっかりだったんだけど、1着だけ何十万もするコートがある。
落合 それさ、逆に合わせづらくない?
若葉 だけどね、今回のスタイリストさんが「上下スウェットにそのコート着てたら、外人のお洒落みたいでいいね!」って言ってくれた。(笑)それ得意技にしようかと思って。
吉沢 筋トレ、超え。
―具体的に教えてください。
吉沢 筋トレを始めました。役でです。今まで筋トレとか全然やってこなくて、けっこうぽちゃぽちゃしてたんですけど、役で、っていうのもそうだし、人前に出る仕事だからと思って、去年の末くらいから始めて。
若葉 ムッキムキの吉沢君ってどうなんだろうね。ムキムキになるつもりなの?
吉沢 細マッチョよりはもうちょい。ガタイ大きい感じの。最近舞台でけっこう体力使って痩せちゃいましたけど。ちょっと前までもっと腕とかも、ポン、ポンポン(胸)と、来てたんですけどね。はい。
監督 僕はね、緊張を越える瞬間がずっと続いておりまして。もう今もよくわからないことになっていますけど、こんなに人前に出ることは人生で一度もなかったんで。自分の緊張をコントロールできてるんじゃないの最近は、ってなってますね。みなさん(俳優陣)ね、表に出るからなんともないでしょうけど、僕はもういいです。

落合モトキ as 磯野達也_DSC03525.jpg

落合 僕、今年30になったんでいろいろ、「食」を見直そうと思って。昼ご飯今までラーメンとか、カレーライスとか食べてたんですけど、最近「鰻」を食べるようになって。鰻重食べています。全然「超え」に落とせないんだけど(笑)、とりあえず「鰻超え」です。
吉沢 意味あるんですか?鰻をとるってことに。
落合 なんかおとなっぽくない?肝串食って一杯やって白焼き食うか、鰻重食うか、選択肢みたいな。それはちょっと大人っぽいというか、ぶってるというか。
吉沢 ああ・・・超えてます。
落合 超えたでしょ?超えました~(笑)。

=立ち直る方法=

―ありがとうございます。ではもう一つ聞いてみたいと思います。主人公英一はコンピューター将棋に出会ったことで再起いたします。みなさんに質問です。これまでにくじけそうになったとき、どうやって自分を奮い立たせたり、立ち直ったりしましたか?若葉さんいきますか?
若葉 俺?俺ですか?ほぼ毎日くじけそうになってるんで、何だろうな?ええ、くじけてますよ、もうとっくに。
僕、大衆演劇出身でずっと芝居に触れて来たんで、正直役者業とか馬鹿にしてて、役者以外になりたいってずっと思ってたんで。だけどあるときから・・・プロ棋士もそうですけど、ボクサーとか年齢制限があるじゃないですか。自分ができることの可能性がどんどんなくなっているって思って。唯一生活できる可能性が高いのは、産まれた時からやってるこの仕事だっていう。だから挫折的に役者になった人間なんで、今現在挫折している状況ですね(笑)。
吉沢 挫折をどう乗り切るか、ってことですもんね。挫折とはまたちょっと違うかもしれないんですけど、あまりにも目の前の壁が大きいとか、どうやって乗り越えたらいいかわかんないってときは、めちゃくちゃネガティブになるんです。自分をネガティブに落とし込んで、いざ蓋開けてみたらそうでもなかった、みたいなパターンが多いですね。
若葉 じゃ『AWAKE』撮影中はそんな感じだったの? あれはスタンダードな吉沢君?
吉沢 ちょっと難しいな、どういうことですか?
若葉 落ち込んで「こんな芝居できないかもしれない」と思ってくるわけでしょ?地獄に着いているのか、スタンダードなのか?
吉沢 あ、そういうこと。あれはスタンダードです。
若葉 ああそう。へええ。
吉沢 今回も台詞難しかったりとか、挑戦しなきゃいけないようなシーンも結構いっぱいあったんです。そういうときも落とし込めば落とし込むほどなんかこう、心配になってきちゃってやるしかなくなってくるじゃないですか。それでやったら意外とできる、みたいなことが多いですね。
―ちょっとMっ気があるんですね。
吉沢 ・・・はい。そうかもしれない(笑)。
落合 挫折はみんなの言葉を借りればほんと毎日しているし、カメラの前でワンシーン、ワンカット撮るたびに挫折してるいうか、後悔しているような気持ちだし。でもどうにか続けていかなくちゃ、と。どうするかというか、ほんと時間が解決するものかなって思いつつも、応急処置は必要だなと思ってるので。うち猫2匹飼っているんで、帰ったら猫が2匹寄り添って寝てるところに顔をうずめて猫に迷惑をかけるっていうのが一番の応急処置かな。猫に癒されて次の日も頑張ろうって思う。
長い台詞のとき、山場だなこれ、っていうとき行けるかな?って思うときあるじゃないですか。次の日の夜(のことを)考えたりしません?この時間には終わってんだろ、このシーンって。
吉沢・若葉 あるあるある・・・
若葉 12時間後には終わってるなとか。
落合 そうそうそう!
吉沢 確かに。ありますよね。
落合 何とかなるんだろ、って思いながらお芝居をしてるっていう。それも応急処置のひとつかもしんない。(笑)
監督 僕はにぶいのか、挫折ってあんまり経験してないような気がしますね。まあ、あるとすれば、そういう気になったときは「なるべく人のせいにする」っていうか(笑)、自分が悪いんじゃなくてそれ以外の何かの要素がきっと悪いんだってことで、自分の身からなるべく離して考えると、あんまり深刻にならなくてすむのかなと思ったりします。

―ありがとうございました。では最後に吉沢亮さん、12月25日に公開になりますので、メッセージいただけますか?
吉沢 もちろん将棋ファンの方にも、そうでない将棋の知識があまりない方にも楽しんでいただける内容になっています。友情の話だったり、青春、成長、普遍的なものを根本のテーマとしておいている作品なので、いろんな世代のいろんな方に観ていただきたいと思っております。クリスマス、ぜひ『AWAKE』を観に来てください。お願いします!(拍手)

(C)2019「AWAKE」フィルムパートナーズ
http://awake-film.com/
作品紹介はこちら
★2020年12月25日(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

『サタンタンゴ』 タル・ベーラ監督来日記者会見

DSCF1114 satan 420.jpg

ハンガリーの巨匠 タル・ベーラ監督が4年の歳月をかけて1994年に完成させた7時間18分におよぶ伝説の作品『サタンタンゴ』。この度、製作から25年を経て、4Kデジタル・レストア版が日本で劇場初公開されるのを記念し、タル・ベーラ監督が来日。9月14日(土)、記者会見が開かれました。

サタンタンゴ
原題:Satantango
監督・脚本:タル・ベーラ
共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
原作・脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
出演:ビーグ・ミハーイ、ホルバート・プチ、デルジ・ヤーノシュ、セーケイ・B・ミクローシュ、ボーク・エリカ、ペーター・ベルリング

ハンガリーの寒村。雨が降り注ぐ中、死んだはずのイリミアーシュが帰って来る。彼の帰還に惑わされる村人たち。イリミアーシュは救世主なのか? それとも?
悪魔のささやきが聴こえてくる・・・
シネジャ作品紹介

1994年/ハンガリー・ドイツ・スイス/モノクロ/1:1.66/7時間18分
配給:ビターズ・エンド
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/satantango/
★2019年9月13日(金)より、シアター・イメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国順次公開


◎タル・ベーラ監督来日記者会見

DSCF1082 satan.JPG

司会:まずは、ひと言、ご挨拶を!

タル・ベーラ監督:
 ハロー! 今日は来てくださってありがとうございます。
(ほんとに、ひと言! え? と呆気に取られますが、監督は「go ahead!」と涼しい顔)

◆人間の根本は同じ 世界どこでも反応は変わらない
司会:本作が完成されてから25年間、世界の各地で上映に立ち会われてきましたが、国によって反応の違いは?

監督:文化、歴史、宗教、肌の色などが違っても、どこの国でも同じリアクション、同じ質問を受けました。ロサンジェルス、中国、タイ、韓国、ポルトガル等々、なぜか同じ反応でした。人間の根本を描いているからかもしれません。
人間の存在、人間関係、時間と空間を組み合わせて過去を振り返るなどの観点で掘り下げたものを、皆さん理解してくれて嬉しい。
私は芸術を信じてないし、私自身、芸術家という言葉は好きじゃありません。私は労働者です。作品を作るときには、人間の存在、世界がいかに複雑であるかを見せる努力をしてきました。
25歳のモノクロは、歳月が経っても人々に同じように受け止められています。時が経って、ある種の物差しになっていると感じています。

― 自分を労働者だとおっしゃいましたが、会社や資本家のために働く労働者ではないと思います。込めた思いは?

監督:public workerです。収益のためでなく人々のために働く公的な労働者です。

◆デジタル映画には違う言語の可能性があるはず
― 今回、デジタルリマスターに変換して、フィルムと違うと感じたことは?

監督:とても奇妙でした。35mmフィルムで撮って、誰にもデジタル化を許可しなかったのですが、25年経って、よし、やってみようと。 すべてのフレームをちゃんと見て、その結果、ほぼフィルムに近い『サタンタンゴ』が出来たけれど、やはりフィルムとは違う。
ワールドプレミアとしてベルリンで上映したのですが、人気を博しました。25年経って、毎年毎年、この作品を好きになってくださる方が増えているのを感じます。
私はフィルムメーカーだと思っていましたので、35mmのセルロイドが好きです。
デジタルカメラで撮るとき、フィルムカメラと同じように撮影するのが問題。今のデジタル作品を観ると、フェイクのフィルム作品を作っているのではと感じています。デジタルならではの撮り方があると思う。違った可能性があると思うのです。誰かが新しいデジタル言語を作ってくれると信じています。

― 7時間18分、すべてご自身でチェックを?

監督: はい、もちろん全部自分でチェックしなくてはなりませんでした。技術者のことを信頼してないからね。アメリカの会社のチームに猜疑心を持ってました。映像や音をちゃんと再現してくれるのかと。でも、とても楽しい作業でした。
DSCF1073 satan.JPG


◆酒場のダンスは酔っ払って自由に
― 酒場でのダンスシーンが何度も出てきますが、振り付けや人々の踊り方はどのように?

監督:
実際にお酒を飲んでいただいていました。ダンスを踊れる技量があることはわかっていたのですが、完璧に酔っ払い状態で、自由に踊ってもらいました。ワンテイクでいいものが撮れたのは、私自身、実に驚きました。
それぞれの方が自分のファンタジーをそのシーンにもたらしてくれました。踊り方も違いました。
我々は状況をもとにフレームを構築しなくてはいけないのですが、恵まれていれば、新たにフレームを作らなくても済みます。
出演者の方に自由にしてもらえば、彼ら自身の人生を反映してもらえます。
一人一人にこうしてくれというより、100%良い結果になると確信しています。
自由であることは力。花咲くことができるし、そこに存在してもらえます。

― 酒場のシーンはワンテイクですが、最もテイク数の多かったシーンは?


監督:よく覚えていません。撮れたと思った時には、どれ位かかったか、どうでもよくなっています。
生命感にあふれる瞬間を撮りたいと日々闘っているのですが、そんな中でも大変だったのはイルミアーシュの演説のシーンですね。これだけは台詞がきちんと用意されていましたから。他のシーンは、状況に合わせて、人々が自然に反応する形で撮っています。

◆演出できない蜘蛛や猫を動かす

― 蜘蛛には、どのように演出されたのでしょうか?

監督:いい質問! 動物トレーナーの方に、蜘蛛に上から下に降りてくる方策を考えてもらいました。複数の蜘蛛がいて、そのうちの1匹でも降りてくればと。
美と真実は、ファンタジーとドキュメンタリーから得られます。すべてが偶然とはいかないけれど、蜘蛛を演出することはできないからね。

― 正しい状況を作れば、正しく動くとのことですが、猫は?

監督:
猫をトレーニングしなければなりませんでした。(少女エシュティケを演じた)ボーク・エリカは3週間、毎日猫とゴロゴロしていました。猫は少しずつ慣れてきて、エリカを引っ掻くこともありませんでした。音もたてませんでしたので、アーカイブから猫の泣く声や引っ掻く音などを持ってきました。猫にとってはゲームのような感覚でした。
猫が死んでしまう設定なのですが、獣医に薬を注入してもらって、眠りに落ちたところで撮影しました。眠りから覚めたときには安心して、ご褒美に餌をあげたけど、まだ薬が残っていて吐いてしまいました。


◆映画で伝えたいことは伝えきって監督を辞めた

― 映画に対する愛情をとても感じます。なぜ監督業を辞められたのでしょうか?

監督:約40年、映画を作ってきました。初めて作ったのは、22歳の時。作品ごとに新しい問いが生まれました。前に進むことを強要され、1作ごとに掘り下げてきました。そして1作ごとに自分の映画的言語を見出してきました。『倫敦から来た男』のあと、何か1本作ったらやめようと決め、『ニーチェの馬』を作って、伝えたいことは伝えきったので、もうこれ以上繰り返し作って行くことはないと思いました。同じことを繰り返しても飽きてしまう。
監督という仕事は、レッドカーペットを歩いたり、美味しいものを食べて、いいホテルに泊まることじゃない。作ったものを分かち合い、皆さんが観て、どう思うか知りたいから作ってきました。それはもう終わりました。
25歳の時に目を輝かせていたのが、だんだん輝きを失ってしまいます。
ほかにやりたいこともたくさんありました。
映画作りをまったく諦めたわけではありません。今は映画学校を設立して、私のもとで若い映画作家が育っています。
アムステルダムやウィーンでパフォーマンスなども行いました。
もう自分の中で物語性のある長編映画は終わりました。

最後にフォトセッション。
DSCF1110 satan.jpg

早くしないと退場されますとせかされましたが、思いのほかご機嫌!


★取材を終えて

タル・ベーラ監督の来日は、『ニーチェの馬』公開の折の2011年11月以来8年ぶり。ハンガリー大使館で開催された記者会見に颯爽と現われた監督の姿を思い出します。『ニーチェの馬』を最後に56歳という若さで映画監督の引退を宣言した直後のことで、記者会見でもそのことが大きな話題となりました。映画界から引退するわけじゃない、後身の指導に当たるとおっしゃっていた通り、映画学校を設立。フィルムをこよなく愛するタル・ベーラ監督ですが、デジタルで新しい映画言語を語れる若手を生み出していくのではないかと確信したひと時でした。

「マイクは嫌い。マイクなしで」と始まったタル・ベーラ監督の記者会見。映画に対する持論をたっぷり語ってくださいました。
「映画が1時間半くらいの尺じゃなきゃいけないなんて、誰が言ったんだ」という言葉も飛び出しました。
最後に、「日本語だと、どうしてこんなに長くなるのかな」と、おっしゃったのですが、いえいえ、英語でも充分長くお話されていました。通訳の大倉美子(おおくらよしこ)さん、お疲れ様でした!

取材: 景山咲子







『記者たち 衝撃と畏怖の真実』 ロブ・ライナー監督来日記者会見

『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』『最高の人生の見つけ方』などの大ヒット作をはなってきたロブ・ライナー監督。リンドン・B・ジョンソン大統領の伝記映画『LBJ ケネディの意志を継いだ男』を経て完成させた本格的な社会派ドラマ『記者たち 衝撃と畏怖の真実』の公開を前に、初来日されました。

2019年2月1日(金)14:45~16:00
会場:FCCJ 公益財団法人 日本外国特派員協会
(東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル5F)


DSCF7855 kisya 420.JPG

登壇者:左からロブ・ライナー監督、ダン・スローンFCCJ理事、ケン・モリツグ氏


『記者たち 衝撃と畏怖の真実』
kisyatachi.jpg
 
2003年3月20日のアメリカによるイラク侵攻。その理由の一つ「大量破壊兵器の所持」が、ねつ造だったことは今や明白だ。
だが、2001年9月11日の同時多発テロ後、ジョージ・W・ブッシュ大統領が愛国心をあおった結果、多くのアメリカ国民が、テロの首謀者であるビン・ラディーンとイラクのサッダーム・フセイン大統領が手を組んで大量破壊兵器を開発しているというマスメディアの報道を信じて疑わなかった。
そんな中、中堅の通信社ナイト・リッダーの記者たち4人は、政府の流す「大量破壊兵器所持」情報がねつ造ではないかと真実を追い求めた・・・
★2019年3月29日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国ロードショー
作品紹介


記者会見

◎ロブ・ライナー監督
DSCF7849 kisya 320.JPG

◆嘘を根拠に戦争に突き進むことに怒り
今日はお招きいただきありがとうございます。アメリカのプレスよりも、アメリカ以外のプレスからの質問の方が面白いので期待しています。
ベトナム戦争のとき、徴兵される年齢でした。2003年、イラク侵攻に至る過程で、なぜこんなことが起きているのだろうと怒りを感じながらみていました。ベトナム戦争と全く同じように嘘が根拠になって戦争になるのは、なぜ?という疑問、そして、なぜ止められないのか?という思いから、この映画を作ろうと思いました。
世界中で抗議活動が起こって、私も妻とデモに参加しました。子どもが道路に飛び出して車にひかれるのがわかっているのに、それを止められないという無力な気持ちでした。

政府は、9.11同時多発テロ事件とサッダーム・フセイン大統領は何の繋がりもないのに、大量破壊兵器を保有しているのが見つかったという嘘をでっち上げました。
嘘だとわかっているのに、なぜ戦争を止められなかったのか・・・と、心を悩ませました。
当時のイラク侵攻は、9.11事件が起こって一般市民が恐怖心を持っていたのを当時の政権がうまく利用して、自分たちの目的のために使いました。

◆健全な民主主義は、独立した自由なメディアなくしては成立しない
元々ネオコンのシンクタンクが作った「米新世紀プロジェクト」の中で、ソ連崩壊後、スーパーパワーであるアメリカがどう自分たちの力を使えばいいのかを提示していました。9.11事件の起こる前に作られたものですが、その中で、すでにイラク侵攻が決められていました。

頭を悩ませてしまうのは、「米新世紀プロジェクト」に関わった人たちが決して知性がなかったわけではなかったけれど、あの地に西欧的民主主義を植えつければイスラエルを守ることができて、中東が安定するのではと考えていたことです。
そもそもフランスや英国が第二次世界大戦後に介入したけれど、シーア派、スンニー派と宗派も分かれ、民族も多様で、そういう地に西欧的民主主義を持ち込むのは無理だとわかっていたのに、政府は目的のために、国民の不安をあおって戦争に突っ走りました。
私としては、なぜアメリカの一般市民がこんなにも政府のつく嘘を鵜呑みにしたのかが検証したいことでした。

映画にする時、『博士の異常な愛情』のような風刺劇にするか、ドラマにするか、あれこれ考えましたが、いずれもうまくいかない。リンドン・ジョンソン米元大統領の報道官だったビル・モイヤーズのドキュメンタリーを観て、今回題材にしたナイトリッダーの記者たちのことを知りました。彼らは真実を知って一般市民に届けようとしたのに、皆に知らしめることができなかった。それはなぜなのか?が映画の基盤になりました。
映画の冒頭にも掲げた「健全な民主主義は、独立した自由なメディアなくしては成立しない」が作品を作った理由です。

◆トランプ大統領の登場で今に届く作品に

製作当時は、現代に響く作品になると思っていませんでした。トランプが当選して大統領になって、「メディアは民衆の敵。フェイクニュースを流している」とメディアを攻撃しています。彼のやり口は、権威主義的で、独裁政治そのもの。恐怖心を一般市民に植え付け、混乱させ、解決できるのは自分だけだと主張するものです。プーチンも同じ手口です。
独裁主義と民主主義の闘いのテンションが高まっている今こそ、ジャーナリズムが真実を伝えていかなければいけないと考えています。


◎ケン・モリツグ氏

映画を作ってくださって、ありがとうございます。
ナイト・リッダーで記者として働いていたので、胸の熱くなるような思い出が蘇りました。2003年当時には、ワシントンにいました。知られざる勇気ある記者たちの姿を伝えてくれたことに大きな意義があると思いました。
当時、このような記事が出ていたことを知らない人が多いのです。真実を伝えたくない政府が存在する中、ジャーナリズムは民主主義の為に真実を伝える必要があります。
私は安全保障ではなく、経済部に所属していて、2001年9月11日には、経済関係の会議があって、ニューヨークにいました。そのため、9.11同時多発テロの取材もすることになりました。
4人の記者がフラストレーションを持って、一生懸命いい仕事をしていたのに、彼らの声は誰の耳にも届かなかった。地方紙30紙には記事を送ってリアルな状況を伝えていたけれど、影響力のない新聞だとワシントンの権力者には届きません。
わくわくするような激動の時代でした。どんどんイラク侵攻を実行する雰囲気が色濃くなってきた時、「イラクに侵攻するとは信じられない」と言ったら、ワシントン支局長のウォルコットさんから「信じなさい、これから実際に戦争になるから」と言われました。
*注:ワシントン支局長のウォルコット氏を、映画の中ではロブ・ライナー監督が演じています。

◎質疑応答
― 日本は報道の自由が2011年に11位だったのが、阿部政権のもと、67位に下がりました。日本で、この映画はどのような評判になると感じていますか?
DSCF7865 kisya 320.JPG

監督:アメリカ以外で、自分が実際に反応を感じることができたのは、チューリッヒとドバイの映画祭と日本です。3カ国ともいい反応です。アメリカ国内よりも、国外にいらっしゃる方のほうが何が起きていたのかクリアーに把握し、イラク侵攻は間違っていると抗議活動も起こっていました。アメリカ国内では、まだ9.11のトラウマを抱えていて、メディアも政府に対して批判的なことをいうと非愛国的だとみられるのではと感じていると思います。日本での反応はいいものになると確信しています。自由な国として、この作品を認めてくださると思っています。

― ホワイトハウスから現実をゆがめるような発信が多いので、メディアの正当性が失われつつあると、監督はある番組で発言されていました。現政権に対する現在のメディアのスタンスは、2003年当時の状況と比べていかがでしょうか?

監督:トランプ大統領が当選して、国営メディアとも呼べるようなメディアがある一方、政府に対して反論しているCNNやワシントンポスト、ニューヨークタイムズといったメディアも存在しています。両方が存在している状態だと思います。
2003年とどう変わったか・・・ それが真実かどうか、きちんと精査されていなかったと思います。とはいえ、2016年の大統領選でも同様だったと思います。
アメリカのテレビ局CBSの社長が、「国のためにトランプはよくないけれど、CBSためには良い」と発言しています。つまり金儲けに繋がるということです。
今もトランプが取り上げられることが多いのですが、民主主義が崩壊しかねない存在として観ている場合と、単純に売れるから記事にするという場合があります。後者の場合でも、究極的に真実が市民に届くのであれば意義はあると思います。
1960年代以降のニュースがどんなものであったかを思い起こしてほしいと思います。それ以前は収益に繋がらなくても、公益サービスの一つとしてニュースは存在していました。1960年代に「60minutes」というCBS放送のドキュメンタリー番組が誕生して以降、ニュースが収益性に繋がっていき、プレゼンの仕方にシフトしていって、一つの商品のようになったように感じています。それでも、真実にたどり着くのであればいいと思ってはいます。
ただ、報道機関が大企業の傘下にどんどん入っているという状況があります。気を付けなければいけないのは、報道機関が独自性を持ってニュースを伝えているかどうかです。
あるコメディアンがメディアに向かって、「皆、トランプのことが嫌いというけど、ほんとは大好きでしょう。だって金儲けさせてくれるから」とジョークを飛ばしていました。このことをトランプ氏もよく知っています。まさに、ホワイトハウスにリアリティ番組のスターがいるような状況です。メディアは彼のことをどんな風に報道していいか模索している段階です。見たいメディアしか見ない人たちに、どう真実を伝えていくかが大事だと思います。

DSCF7868 kisya 320.JPG

最後の質問は、ケン・モリツグ氏から
ー近年は『スポットライト 世紀のスクープ』や『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のような報道の真実について描いた作品が続いていますが、こういったジャンルの映画が確立されてきていると思いますか?

監督:それはどうでしょう。観客はひたすらキーボードを打つ人の姿を映画で観るより、爆発シーンを観たいのでは? でもこういった映画が真実に光を当てることができるのであれば、それは素晴らしいことだと思います。

**★***★**
NHK BS1 3月22日(金)の「キャッチ! 世界のトップニュース」”映画で見つめる世界のいま”で、東京大学大学院教授 藤原帰一さんがロブ・ライナー監督にインタビューしていた中での発言を引用しておきます。

======
市民が真実から切り離されていたら悲劇が起こります。
自由で独立したメディアがいかに大切かを語っています。
同時多発テロとイラクは全く関係なかったことをメディアはちゃんと伝えませんでした。
事実が明らかになった後でもアメリカの75%の国民は、サダムがテロと関係していたと信じていました。それこそプロパガンダの力です。
アメリカ以外の国では、この映画を理解してくれました。
アメリカでもいい反応も得られましたが、気に入らないという人も多く、反愛国的映画だと思われました。
======

一度植えつけられた情報は、なかなか変わらないことを物語っています。
サッダーム・フセインは独裁者で悪魔、だから処刑されて当然と思われています。
擁護するわけではありませんが、サッダーム・フセインが大統領だった時代、イラクでは教育も行き届き、女性も社会で活躍していました。
様々な勢力がせめぎ合い、未だに落ち着かないイラクを見ていると、部外者のアメリカの勝手な思惑で、気に食わない独裁者を倒した後のことも考えずに侵攻したことに憤りを感じます。

そして、このイラク侵攻、お馬鹿なジョージ・W・ブッシュ大統領を裏で操り、実行させたのがディック・チェイニー副大統領。
その悪名高き副大統領を描いた映画『バイス』も、4月5日(金)からTOHOシネマズ 日比谷他で全国順次公開されます。
ぜひ、『記者たち 衝撃と畏怖の真実』とセットでご覧ください。 

   取材:景山咲子

『フロントランナー』主演ヒュー・ジャックマン来日記者会見

DSCF7817 hyu.jpg
    
失墜した大統領選最有力候補を描いた映画『フロントランナー』が2月1日から公開されるのを前に、主演のヒュー・ジャックマンさんが来日し、記者会見が開かれました。昨年の『グレイテスト・ショーマン』以来の来日です。

2019年1月21日(月)日本記者クラブにて
 司会:伊藤さとりさん


フロントランナー
  原題:The Front Runner
監督:ジェイソン・ライトマン

1988年、米国大統領選挙の民主党予備選で、最有力候補(フロントランナー)に躍り出たゲイリー・ハート上院議員。ハンサムでカリスマ性があり、ジョン・F・ケネディの再来とまで言われたハートだが、不倫疑惑を報じられ、大統領選から葬り去られてしまう。
その顛末を、様々な人の目線で追った物語。

2018年/アメリカ/1時間53分
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:http://www.frontrunner-movie.jp/
★2019年2月1日(金)TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー

シネジャ作品紹介





◎パックン、ゲイリー・ハートの魅力を語る

DSCF7792 packn s.JPG

ヒュー・ジャックマンさん登壇前に、ゲイリー・ハートという人物が、どれくらい人気があったのかを、ゲイリー・ハートとゆかりのあるパックンことパトリック・ハーランさんが、資料映像を見せながら熱く語ってくださいました。

パックン:ゲイリー・ハートを知らない方のために、歴史的な事実を紹介したいと思います。時は1988年、場所はアメリカ、コロラド州。若くて、カッコ良くて、頭が良くて、勢いがあって、世界を変えようとしている男がいました。それが、この僕です。18歳になって投票権が手に入る年になりました。その僕の目に入ったのが、頭が良くて、カッコいいゲイリー・ハート。当時、民主党大統領候補。アメリカでは、大統領に同じ候補が3回続けて選ばれることはまずないと言われてましたので、レーガン副大統領は2勝しているし、ジョージ・ブッシュ氏の当選もまずないと思われていました。民主党候補がそのまま当選するだろうと思われていた時のフロントランナー、最有力候補だったのがゲイリー・ハートでした。弱者を守るカッコいい性格、弁が立つ、話がうまい、若者のハートをつかむハート。そんな大統領候補に僕も魅了されて、一生懸命応援していました。それが、それまで絶対越えてはいけないと言われていた痴情を一線を越えて報じたことによって、彼の運命が一瞬にして変わり、若者の夢が一夜にして消えてしまいました。今も、その時のがっかり感が残っている位、胸に抱えています。

司会:実際にゲイリー・ハートさんの活動をご覧になっていたのですね。どれ位、人気があったのですか?

パックン:
一つ前の1984年の時に彼が圧倒的な勢いで上り詰めたけど、当時は重鎮中の重鎮、カーター大統領時代の副大統領のモンデールがいて彼は候補になれなかった。その時、話題になったのは、ゲイリー・ハートは、コロラド州の隅々まで行って、いろいろな人とやりとりして、どんなことにもアドリブで答えてくれて、雄弁な彼に魅了されたのは、僕だけじゃない。

司会:彼が政治から退いたことについて、どう思いますか?

パックン:
複雑な気持ちです。浮気もしく浮気疑惑だったのですが報じられてしまいました。でも、歴代の大統領も皆、女性がいました。男性の愛人がいた人もいる。200年の間、浮気しても報じないという紳士協定があったのに、ゲイリー・ハートの時に初めて報道されて落とされてしまった。今の時代、浮気どころか、複数の女性から性的暴力を訴えられても、ほとんど無傷。彼だけが貧乏くじを引いたのか。
メディアと政治家の関係は、いまだにどうあるべきなのか、どこで線引きするべきなのか、課題は続いていると思います。


●ヒュー・ジャックマン 政治家とジャーナリズムの関係を語る


いよいよヒュー・ジャックマンさんが爽やかに登壇。
オハヨウゴザイマースと言いながら登場し、檀上へ。

【挨拶】

DSCF7802 s.JPG

オハヨウゴザイマース
皆さん笑ってますが、発音どうでしょう?
アリガトウゴザイマス
また素敵な東京に来られて嬉しいです。
ご存知のとおり、素晴らしいジェイソン・ライトマン監督の映画を、ぜひ皆さんに観ていただいて楽しんでいただきたい。そして、今、話し合うべき議論をしてほしいと思っています。

司会:
また来日してくださって、ありがとうございます。


ヒュー:My pleasure, my pleasure 


◆会場とのQ&A


*白黒つけていないのが気に入った
― ゲイリー・ハートを主人公にしながら、群像劇になっています。ここ数作のイメージと違う政治家という役柄、是非やろうと思った最大の決め手を教えてください。

ヒュー:二つ理由があります。一つは、監督と仕事がしたかったから。『JUNO/ジュノ』(2007)や『マイレージ、マイライフ』(2009)、『サンキュー・スモーキング』(2005)など大好きな作品で、機会を待っていました。彼が演出するのは、白黒はっきりしない複雑なキャラクター。毎回、違うタイプのものにチャレンジされ、感慨深い作品を撮っていらっしゃいます。
二つ目は、ストーリーに惹きこまれたからです。最有力候補となってから政界から転落するまでの3週間の話。謎めいて知性のある、自分とは違う人物にチャレンジしたかったということもあります。いろいろな疑問が生まれると思うのですが、答えを出してないのが気に入りました。政治制度などについて、アメリカだけでなく世界中のことを考えさせてくれる。どの観点から見るかが大事だし、どの視点から見てもいいように自由に考えさせてくれる。そこがいいと思いました。
21歳で大学を卒業しました。専攻はジャーナリズムでした。俳優になってなければ、皆さんの席にいることもあり得たと思います。1987年の出来事は、政治とジャーナリズムの関係を変えてしまったターニングポイントで、今に繋がります。映画の中にもありましたが、このような記者会見の席で、「あなたは浮気をしていますか?」と言う質問は、かつてはありえなかった。深夜に路地裏で待ち伏せて質問することもありませんでした。それが初めて起きた出来事でした。

*ゲイリーは家族を守った
― ゲイリー・ハートさんは、表面から見ると失ったものばかりです。彼が何か得たものがあるとすれば何だと思いますか?

ヒュー:takakoさん、ありがとうございます。ゲイリーさんに聞いてみたら、答えてくれました。これは、自分の人生において一番つらい3週間の映画です。でも、その後もいろいろなことをやってきて、つい最近、妻のリーさんと61回目の結婚記念日を祝いました。大統領選を辞退したのは、家族を守りたかったのが一番大きな理由です。選挙制度の神聖さも守りたかった。辞退しない道もあったのではと言われているけれど、それはなかった。政治家とジャーナリズムの関係が、あの時点から変わっていったということが言えると思います。

*未来を見据える力のあった政治家
― 演じる上で膨大なリサーチをされたことと思います。スキャンダル発覚まで、彼が人気を得た一番の要因は?

ヒュー:すごいリサーチをしました。今回初めて、まだ存命の方を演じるので、ご本人がご覧になってどう思うかも気になるので、責任感もありました。
彼は当時も今も理想主義者。若い人に大きな影響を与える力を持っていました。若い人に支持されて、ケネディの再来と目されていました。変革ができる政治家といわれていました。一番優れていたのは、政治家として、10年、15年先を見ていたことです。
1981年、スティーブ・ジョブスがまだガレージでコンピューターを作っていた頃、彼とランチを取りながら、これからはコンピューターの時代と話して、すべての学校にコンピューターを入れるようにしようと語っています。
1983年には、アメリカはあまりにも石油にこだわりすぎているので、中東で戦争になりかねないと発言しています。
1984年には、ゴルバチョフと会って、レーガンがスターウォーズ計画を進めている中で、もう冷戦時代は終わっている。ロシアのいた空間がなくなった後に、中東で過激派が生まれると予測しています。
2000年には、テロの襲撃を受けると警告しています。
このような人が大統領になっていれば、違った世界になっていたのではないかと思います。ほんとに人々に愛された人でした。そして、より良い世界を築けた人ではないかと思います。

*即断が必要なSNSの時代

― ヒュー・ジャックマンさんは、SNSで素敵なメッセージを発していらっしゃいます。SNSのなかった時代と、SNSのある今、ジャーナリズムはどう変わったと思いますか?
ゲイリー・ハートが今政治家だったら、SNSをどう活用されたでしょう?


ヒュー:アリガトウゴザイマス。とてもいい質問ですね。ジョージ・ステファノプロスというクリントン大統領のコンサルタントだった人が、ゲイリーのシチュエーションはすでにいろいろなことが変わりつつあった時代と言っています。今は、どんな情報にもアクセスできる。政治家は単なる政治的リーダーとしてだけでなく、人から好かれて共感できる人物でないといけない。
リアルタイムでやっていかなくてはいけないので、CMなどで政治家をかっこよく見せていますが、裏側は雑然とした状況です。即断しないといけないので、反省するとか、考え直す時間がない。ジャーナリストにとっても、かつては締切まで多少の時間があったけど、今はすぐ書かなくてはいけない。
私は91年に大学を卒業して、ジャーナリストになることも考えたけれど、状況が変わりつつあって、仕事も減ってきているし、経験があれば書けるというものでもない。今では誰でもブログに書ける。質のいいものを書くのは、皆さん、どれだけ大変な思いをしていることかと思います。
もし、SNSがあったら、ゲイリーはたぶん気に入らなかったと思います。受け入れるしかないと思いますが、かつて、「あることをやろう」と決めようとした時、ホワイトハウスに8年いるつもりなので、その間のことも考えなくてはいけないと慎重な発言をしています。


フォトセッション
DSCF7826 s.JPG

DSCF7820 hyu s.jpg


記者会見の様子は、(白)さんのスタッフ日記でもどうぞ!

☆取材を終えて

「今では誰でもブログに書ける。質のいいものを書くのは大変なこと」と、記者席を気遣うヒュー・ジャックマンさんの言葉が、ぐさりと胸に刺さりました。
インターネット時代の政治家の在り方も、考えさせられました。
ヒュー・ジャックマンさんや、パックンから、ゲイリー・ハートさんの政治家としての魅力をたっぷりと聞くことのできた記者会見でした。
歴史に「もし」はないけれど、ゲイリー・ハートさんのような方が大統領になっていたら、違った世界情勢が展開されていたことと、ちょっと残念な思いがします。
そして、SNS時代に大統領になったとしても、ゲイリー・ハートさんは誰かさんみたいに、思ったことを単純にツィッターで発したりはしないだろうなと確信したひと時でした。(景山咲子)







〝森崎ウィン 1st visual & interview book 『Win-Win』〟先行発売記念イベント

6月17日(日)SHIBUYA TSUTAYAにて初のビジュアルブック〝森崎ウィン 1st visual & interview book 『Win-Win』〟発売記念のイベントが開かれました。

前日の“PrizmaX”ライブで歌い続けだった森崎ウィンさん、声が枯れています。咳き込んで「昨日ライブで使ったので…」と詫びつつ「嬉しいのといろんな方に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!」とまず一言ご挨拶。

IMG_5997.jpg

Q:あらためて感想を

初の・・・ゴホゴホ(咳き込む)ごめんなさい・・・初めての本なので、お話をいただいたときは自分の人生も振り返りますし、いろいろこう・・・「僕でいいのかな」という気持ちもあったんですけれど、いざ出来上がってみると純粋に嬉しいです。やっぱり僕を知ってもらってナンボなので、知ってもらうチャンスが一個増えてありがたいなと思います。
wi.jpg
wi2.jpg
(c)SDP
Q:「Win-Win」に100点満点で点数をつけるとしたら何点ですか?

ああ~185ですね。185点はいったと思います。というのはインタビュー内容がけっこう赤裸々で、今までつけてきた日記を振り返ったり、生まれ育った環境だったりを・・・人って自分の辛かった部分には触れたくなかったりするじゃないですか。それとまた向き合えて新しい自分が見えた。僕にとって新たな引き出しになって、それがほんとによかったと思います。

Q:まずinterviewについてお聞きしたいのですが、一番読んでいただきたい部分はどこですか?

ミャンマーで生まれ育ったことは意外と知られていないと思うので、そこに注目していただけたらなと。ハリウッドのことは取材でもたくさん話してきたのですが、その前の僕のルーツの部分を知っていただけたら嬉しいです。

(ここでスチール撮影は一旦終わり、声の出にくいウィンさんの近くにマイクを設置しなおし)

Q:次にvisualについてお聞きしたいのですが、お気に入りの写真はありますか?

初めて会ったカメラマンさんだったんですけれど、初めて“もっていかれたな”という感覚になりました。全部好きなんですけど、 しいて言うならこれですね、恥ずかしいな(頁を開く)、右側の写真です。

view_image (2).jpg
お気に入り写真 (c)SDP

Q:そのカットが一番お気に入りの理由は?

メイクさんにすごく水をかけられたんです。かけられながらもカメラマンさんの現場が・・・ほんとに初めてなんですよ、あの感覚・・・うまく言葉にできないんですけど、その現場では「異世界の扉が開いた」ように感じました。はい。

Q:映画『レディ・プレイヤー1』(スティーブン・スピルバーグ監督)が大ヒットした実感や、自分の世界が変わってきた感覚はありますか?

そうですね。一年前は、こういう環境(イベントや取材)はありませんでした。こういう場をいただけるようになったり、ありがたいことにたくさんテレビにも出していただけるようになりました。そういう意味では「やっとだな」「やっと、きた~!」という思いがすごくあります。「すごい給料があがった!」とかはないんですけど(笑)、周りの世界が怒涛のように毎日走り続けて行くので、振り返ることができていない部分があるのですが、自分の中の意識が変わっていっている実感はあります。

Q:映画『レディ・プレイヤー1』(スティーブン・スピルバーグ監督)の中で一番好きなシーンは?

「俺はガンダムで行く」というシーンは撮影のときから衝撃を受けていたので、あのシーンが一番好きです。しかもハリウッド映画であれだけアップで使っていただけるなんて!これはスピルバーグ監督に感謝です。 役者として自分だけのアップのシーンがあるっていうのはもう嬉しかったですね。

Q:せっかくなので「俺はガンダムで行く」再現していただければ、と思うんですが、声の調子が・・・。

この声でですか。エヘン、ゴホッ…頑張りますっ!「俺は・・・ゴホゴホッ、すみません。俺はガンダムで(声かすれる)…全然行けねーわ」(会場笑)。別の日にまた来てもらっていいですか。

Q:これからさらに役者業が忙しくなると思うんですけど、今後演じてみたいジャンルやキャラクターはありますか?

僕はアクション映画が好きなので、「CRISIS(クライシス)」みたいなアクションドラマをやってみたいです。せっかく『レディ・プレイヤー1』に向けて殺陣も勉強しましたし、今も時間があると通っています。ふだん歌って踊ったりするので運動神経はいい方です。明るい性格なので、悪人の役をやってみたいですね。殺人鬼とか、自分とは真逆にいる自分を知ってみたいです。

IMG_6000.jpg

Q:今後の目標や野望があれば教えてください

10年以内にアカデミー賞をとります。そうやって目標を決めると、逆算して自分に足りないものも見えてきたので、日々勉強ですね。一個一個しっかりとやっていかなきゃいけないし、やっぱり夢は大きく。そのためにやって行くので森崎ウィンから目を離さないでください。よろしくお願いします。

Q:アカデミー賞は具体的に何賞で?

あ、それは特にこだわりはないです。新人賞でも助演男優賞でも。何で賞をとりたいかというと、(俳優の仕事は)正解がないから、常にこれでいいのかと思ってやっているので、ここまで正解だったと自分を認めてやりたい。スティーブン・スピルバーグ監督に直接感謝の気持ちを言えたんですけど、10年後に僕が出てくることで「やっぱりスティーブンが選んだ人。やっぱりスティーブンはレジェンドだ」って言ってもらうのが僕の今後の役目かなって思うんです。

Q:作品が公開されてから街で声をかけられたりすることはありますか?

ないです(笑)。街で声かけられることはなくて、でもTV番組のロケをしてた時に「ダイトウですか?」と男性3人に言われたのはすごく嬉しかったです。普段は歌ったり踊ったりで女性のファンは多いんですけど、同性のファンがついてくれるのは有難いです。「ガンダムに変身する方ですよね」も言われました(笑)。そのときはあらためて「森崎ウィンです」と言いました(笑)。

IMG_6006.jpg

Q:スピルバーグ監督にこの「Win-Win」は贈りましたか?

あ、まだ差し上げてないです。送料自腹で送ります(笑)。あれ、あんまりウケないですね(照)。

Q:映画『レディ・プレイヤー1』を見て「PrizmaX」のメンバーの反応は?

やっぱり、ジェラシーは強いと思います(笑)。いい意味での“悔しい”感とかはあるかもしれませんが、純粋に「すごいね」と言われました。嬉しかったです。 グループである以上お互いに切磋琢磨していくんですけど、世に出るっていうのはすごく難しいので、僕が「PrizmaX」の窓口、きっかけになって出て行けたら嬉しいです。

Q:この本をメンバーは?

まだ中味は見せていないです。見たがらないと思います(笑)。仲良しですが僕もそうですけど、誰か仕事が決まると悔しいんです。でも時間をおいて見ると思います。気にしてるので、絶対(笑)。だから僕からも「見て」とは言わないです。

Q:「俺はガンダムで行く」のセリフを言えなかったのは初めてですか?

初めてです(笑)。きのうもライブで言ったんですけど、意外と言ってないです。実はテレビ番組で言った「First to the egg」の方が多くて、「俺は~」の回数はそんなにないのですが、その中でも言えなかったのは今日だけです(笑)。

サッカーワールドカップの話題も出ました。サッカーは自分でするのも見るのも好きなウィンさん。答えも熱かったです。

Q:世間はW杯シーズンですが、ウィンさんはどこが優勝すると思いますか?

最近話題になったイニエスタ含め、スペインが好きです。無敵艦隊と呼ばれているバルセロナが好きなんです。あのパスワーク!スターだけ集まってもダメですし、チームとして勝利を目指していくあの団体芸、あのインカムもついてないのに阿吽の呼吸のパスワーク!もうすごいですよね。スペインにしかできないサッカーだと思います。

Q:W杯で日本は19日(火)のグループリーグ初戦コロンビア戦でWinできますか?期待している選手はいますか?

Winできるんじゃないですか!明日からミャンマーに行くので、あちらで見ます!絶対にwinできると思います!!
本田圭佑選手はサッカー選手としてだけでなく、人として男性として憧れ、リスペクトしているので、日本のファンタジスタとしてやってほしいなとすごく期待しています。

最初はたびたび咳き込んでいましたが、だんだん声が出るようになって、いつもの笑顔も全開。会見終了していったん引っ込んだウィンさん、すぐ戻ってきて声が出なかったことをもう一度ていねいに謝っていました。この会見の後、引き続き購入者対象のイベントがあり、会場に訪れた約1000人のファンと交流しました。公式提供の可愛いファンとの写真をご覧下さい。ほぼ書き起こしましたが、コメントの順番や内容などいくらか編集しています。
翌18日はメンバーと一緒にミャンマーへ出発。テレビ出演も続いて大忙しです。今が大きな波に乗るときなのでしょう。でも身体をこわさないないように、ちゃんと休んでくださいね~。
(取材・写真 白石映子)


view_image (1).jpg
(c)SDP

★森崎ウィン 1st visual & interview book 『Win-Win』
 発 売 日:2018年6月20日(水)
 価 格:1,500円(税込)
 サ イ ズ:A5 変型
 ページ数:144ページ
 ISBN:978-4-906953-62-2
 発 行:SDP