『ザ・ファブル』公開記念舞台挨拶レポート

Mr.ストイック岡田准一の人柄と身体能力に
共演者はみな「普通じゃない」と称賛


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裏社会で「ファブル」の名で恐れられる天才的な殺し屋が1年間休業し、大阪で一般人として、普通の生活を送る。この普通でないミッションを殺し屋が真面目に挑む様子をコミカルに描いた南勝久の人気コミック「ザ・ファブル」(講談社「ヤングマガジン」連載)が実写化された。6月22日(土)には東京・丸の内で公開記念舞台挨拶を開催。主演の岡田准一をはじめとする豪華キャスト・監督が集結し、クロストークを披露した。

『ザ・ファブル』公開記念舞台挨拶
【日程】6月22日(金) 
【場所】丸の内ピカデリー1
【登壇】岡田准一、木村文乃、山本美月、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理、安田顕、佐藤浩市、宮川大輔、江口カン監督

ボスのイメージが壊れる? 佐藤浩市の意外な告白

MCの呼び込みと同時に、客席後方の下手扉が開き、岡田准一を先頭にキャストたちが客席通路を通って登壇した。それに続いて下手前方扉より佐藤浩市と監督が舞台に。舞台両脇から金銀色テープの特効が発射された。
ここで司会が佐藤浩市に、なぜ、他のキャストと一緒に下手後方の扉から入ってこなかったのかを尋ねると、「舞台の後ろから登壇するのが流行り始めた頃に、品の良さそうなご婦人が手を差し伸べてきたので、『ありがとうございます』と手を出したら、『あんたじゃない!!』と。それ以来、後ろから登壇するのがトラウマになってしまいまして。すみません、ボスのイメージを壊しているかもしれません」と別行動を取った理由を説明した。岡田はそれに対して「そういうのってありますよねぇ」と同意するコメントを。もしかすると同じような経験があるのかもしれない。続いて、登壇者がひとことずつ挨拶した。

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(撮影:堀木)

「共演者と会うのは初めて!」と宮川大輔

MC:伝説の殺し屋ファブルを演じられました岡田准一さん、お願いします。

岡田:みなさん、お忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。雨の中ですが、スカッとできるエンターテインメントに仕上がっていると思います。(福士蒼汰を応援するグッズを持つファンを見つけて)あっ蒼汰くんが好きですか。僕も好きですよ。そんな素敵な共演者のみなさんとこうやって一堂に集まれて、仕事ができたのがうれしかったです。面白いと思われた方はまた勧めてください。ありがとうございます。

MC:ファブルの相棒、佐藤ヨウコを演じられました木村文乃さん、お願いします。

木村:今日は雨の中、ファブルを選んでいただいて、本当にありがとうございます。2階も上までしっかり見えます。今日は短い時間ですけれど、楽しんでいってください。よろしくお願いします。

MC:素直で優しいアキラのバイト仲間、清水ミサキを演じられました山本美月さん、お願いします。

山本:みなさん、こんにちは。今日はお足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます。ミサキを演じさせていただきました山本美月です。みなさんがあの変顔を見たのかと思うとすごく恥ずかしい気持ちでいっぱいです。梅雨のじめじめを吹き飛ばすような素晴らしい作品になっていますので、おもしろかったら、周りに勧めていただけたら、うれしいなと思います。今日はよろしくお願いいたします。

MC:渋谷系ゆとり世代の殺し屋でファブルに憧れ、執拗に狙うフードを演じた福士蒼汰さん、お願いいたします。

福士:フードを演じました福士蒼汰です。本当に素晴らしいキャストの中で、素晴らしい作品ができたなと思っています。たくさんの人に見てもらえたらうれしいです。本日は短い時間ですが、よろしくお願いします。

MC:出所早々暴れまわる、アドレナリン全開、デンジャラスメーカー小島を演じました柳楽優弥さん、お願いいたします。

柳楽:みなさん、本日はありがとうございます。柳楽優弥です。岡田さん主演のアクション映画に参加させていただいて、最高でした。ありがとうございました。

MC:小島と同じ裏社会のメンバーで、小島と敵対するインテリ砂川を演じられました向井理さん、お願いいたします。

向井:砂川役の向井です。本日はお越しいただきまして、ありがとうございます。とても激しい笑いがあり、いろんなアクションもあり、大変な現場ではありましたが、その中でも座長である岡田さんを筆頭に、いろいろ現場を引っ張ってもらい、実は楽しく和気あいあいとした現場でした。とてもいい経験ができたと思っています。短い時間ですが、最後まで楽しんでいってください。ありがとうございます。

MC:休業中のファブルを預かり、砂川、小島らを束ねる、裏社会の会社社長・海老原を演じました安田顕さん、お願いします。

安田:海老原を演じさせていただきました安田顕と申します。撮影は昨年の今ごろ始まりました。本当にじめじめした空気の中、みなさんが汗をかきながら撮影したものが1年経って、またじめじめとした季節の中で公開になりました。内容的にスカッとしていますので、ぜひお友だち、お知り合いに紹介していただいて、この映画を広めていただけたら幸いです。本日はよろしくお願いいたします。

MC:ファブルたちの育ての親、ボスを演じました佐藤浩市さん、お願いいたします。

佐藤:楽しんでいただけましたでしょうか。この映画はみなさんの声が支えてくれると思いますので、よろしくお願いいたします。本当に今日はありがとうございます。

MC:ファブルを唯一、爆笑させることができるお笑いのジャッカル富岡を演じました宮川大輔さん、お願いします。

宮川:ジャッカル富岡をやらせていただきました宮川大輔です。今日はありがとうございます。このみなさんとお会いするのは今日が初めて。何のエピソードも僕は持っていないので、怖くて仕方ないです。ちょっと短い間ですけれど、よろしくお願いいたします。楽しんで帰ってください。

MC:本作のメガホンを取られました、江口カン監督、よろしくお願いいたします。

江口:今日はお越しいただきありがとうございました。みなさんと一緒に作ってきた、この作品がやっとお披露目できて、最高に幸せです。よろしくお願いいたします。

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(撮影:堀木)

関西人なのに標準語の方が仕事しやすい?
明かされる岡田准一の意外な一面


本作ではファブルがプロの普通を目指すのだが、強烈な個性を放つ登場人物達に翻弄される。そこで、 “今だから言える、普通じゃないと思った共演者、もしくは撮影現場のエピソード”を語り合った。

岡田:まず、柳楽君は普通じゃない。今回の役、良かったですよね。
あと、浩市さんは現場で素敵なんですよ。僕のことを准一と呼んでくれる大先輩で、いつも僕のことを気にかけてくださるのか、現場に入ると、「准一、大変そうだな。がんばれよ」と言ってくださり、今日もパーテーションのところで声を掛けていただいて、「准一、人、入っているみたいだな。よかったな」と。すごくカッコいいんですよね。大先輩になってそれができるのって、普通じゃないですよ。

佐藤:その昔、彼がまだ10代のときに親子役でちょこっとだけご一緒して、それから見て、この隔世の感というかね? こうして今、全部を引っ張っていくというのを見るとうれしくなりますね。がんばれよ、准一!

岡田:父上、ありがとうございます。

MC:木村さん何かありますか。

木村:岡田さんは関西弁だと調子でない。

岡田:めっちゃ出ますけれどね。

木村:関西の方なのに、「関西弁しゃべってください」と宣伝のときにいわれると、いつものお茶目さんが出てこなくなってしまうなと私は思っていて。「あれ、関西の方なのに標準語の方がやりやすいんだなぁ」と。

岡田:いやいやいや、それ、絶対に言っちゃあいけないヤツですよ。いやいやいや、関西弁もうまく使っていきたいですよね。

MC:うまく使っていきたいって、その距離感がおかしいですよね?

岡田:いやいやいや、ホンマ。関西弁なのか、微妙なとこ、ありますよね。

岡田准一が「6年後に格闘技の達人を目指す」と宣言!

MC:山本さん、何かエピソードありますか。

山本:柳楽さん。普通じゃないというか、役がすごく激しいのですが、カットがかかった瞬間、めちゃくちゃ優しいんですよ。その切り替えがすごくて、はっとします。カーディガンを脱がせるところがあるのですが、脱がせた後、すごく優しいですよね。

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(撮影:白石)

岡田:すごい、エロいコメントしたね。そこだけテレビに使われたらやばいよ。

山本:ちょっとテレ混じりなところがすごくお優しいなと思って。気を遣ってくださっているというか。

岡田:僕も耳にナイフを突きつけられたときに、舐め回すようにやった後に「大丈夫ですか。大丈夫ですか。当たってないですか」とすごく優しかったですね。

柳楽:よかった。

岡田:(柳楽を見て)押忍!

MC:福士さんは?

福士:やっぱり准一さんですかね。あんなに壁をスムーズに登る人はいないですし、やること、考えること全て普通じゃないことが多い。お酒を飲んでいるときも、あまりテンションが上がらないのです。ずっと武士みたいに日本酒を飲んでいる姿を見ていて、「ほんとに普通じゃないな」と普段から思っていました。

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(撮影:白石)

MC:はしゃがない?

福士:僕は見たことがないですね。

岡田;辛口一献。
(一瞬の間があり)何を言っているんだろう。すみません、大失敗です。

福士:すみません、滑らせてしまって。

岡田:何か言わなきゃと思ったら、大滑りしました。静かに飲むタイプですね。

MC:福士さんから見て、考え方もちょっと普通じゃないと思ったのですね。

福士:僕もジークンドーやカリといった同じ武術をやっていますが、きつすぎて、気持ち的にも難しい。それをずっと続けて師範の免許も取って。そういうところも異常性が出ているのかなと思いますね。並大抵ではできません。

岡田:6年後、達人を目指していますんで。
またちょっと滑りましたね。

MC:柳楽さんは?

柳楽:15m上から飛び降りるところがあったのです。スタントさんを使わずに、准一さんが縛られている僕を助けるシーンで、准一さんがやるので、僕がスタントさんに頼んだらダメじゃないですか。僕もいなきゃいけないなって。准一さんがやらないでくれたら、僕もやらないで済むのに、と。ほんと、怖くって。そこがビビりました。

岡田:僕もできればやってもらいたかった。当たり前のように上げられて。二人で落ちたよね?

柳楽:すごいところまで上げられて、スタッフさんが「准一さん、ごめんなさい」と言って、足場を取って。。。。もう、やりたくないです。

MC:監督から見て、それはスタントの方を入れてもいい感じだったのですか。

江口:いやいやいや、そこは本物をねぇ。

MC:向井さんはどうですか。

向井:ヤスケンさんはベテランで、経験値も豊富ですが、クランクアップの日は朝からずっとそわそわしているのです。クランクアップをいっぱい迎えてきた人でもまだこんなに、子どものようにそわそわするというのは普通じゃないなと思いました。

安田:慣れたことがないですね、こういう現場に。本当にいつも緊張します。毎日毎日精一杯でございます。

MC:そんな安田さんが、これは普通じゃないぞと思ったのは?

安田:普通じゃないって言えば、みんな普通じゃないですし、普通といえば普通なのですが、やっぱり岡田准ちゃんですかね。この映画の宣伝でバラエティーに一緒に出たときに、岡田さんは無の状態になりながら、フラフープができるっていうのですけど、1つもできないのです。ただただ、ボディビルのようにポージングを取りながら、回っているだけ。あれを見たときに普通じゃないなと思いました。
アクションができて、笑いが取れる方ってそうそういないから、まさにファブルって岡田さんじゃないとできないと思うし、ゆくゆくはジャッキーチェンのリメイクとかやってほしいですね。

岡田:誰も拍手が起こらない。(ここで拍手が起きた)

MC:佐藤浩市さんは「普通じゃないな」と思った人はいますか。

佐藤:若い頃の現場なんていうのは普通じゃないし。でも、やっぱりみんな、仕事も普通じゃなくなるのですよね。キャメラの前に立ったりすると、そこで普通じゃなくなっているし。今回みたいに座長がMr.ストイックだと周りの連中が大変迷惑。そういうアクションの絡みがなくてよかった。

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(撮影:堀木)

MC:福士さんから見ても、Mr.ストイックでしたか。

福士:はい。でも僕はそれに燃えるタイプなので、絶対についていこうって。火をくれる感じですかね。僕がしゃべると滑るので、完結した方がいいですよね。終わりです。

MC:監督が見て、これは普通じゃないだろうってありましたか。

江口:みなさん、普通じゃない中でやらせていただいて、僕は逆に浮いていたのですが、山本美月さんの変顔のシーンで、ここまでやってくださいという指示を出すために顔を触ったのですが、小っちゃさが半端なくて、顔の骨格の小ささがすごかったです。

山本:そこですか。そこかぁ。生まれたときからこんな感じなので。

岡田:多分、みなさん、比べるものが分からないと思うんですよ。テレビとかこの距離だと。スーパーに行って、豆腐を買ってください。あのくらいの大きさです。豆腐一丁くらいです。

山本:もう少しいいものにしてほしいですけど

MC:監督でもびっくりしたのですね。
そして、宮川さん。誰とも絡んでいない。しかも撮影がみなさんの撮影が終わった後、なんですよね?

宮川:そうなんですよ。みなさんが終わった後に僕が撮ったので、正直、スタッフさんも監督も終わった感が強い。だら~っとしているんですよ。そんな中でグリーンバックの前でギャグをやらされるわけですよ。で、決めるじゃないですか、そうすると5秒くらいは欲しがるのですが、シーンとしているんですよ。芸人としては、そこは受けてほしい。声が入るかもしれませんが、後から消せばいいじゃないですか。シーンとしている中、俺、ずーっと(ポーズを取って)こうしてるわけですよ。そうしたら、監督がそばに来て、「面白かったですよ」って。嘘つけ!って感じ。笑ってくださいみたいな。ほんと、1人でやっているのは地獄でしたね。これは岡田さんが実際に見るのかなと思っていたら、もう撮影は終わっていたからモチベーションもよくわからなくて。ずっと地獄でしたね。

MC:岡田さん、まったく見ないで爆笑していたってことですね。

岡田:そうです、そうです。モデル映像すらなく。用意、スタート、わっはっはということでしたね。

MC:そう考えるとすごいことですね。何にもないのに想像して爆笑するという。

岡田:振り付けはこうやりますと振り付けだけ教えられて、僕はやっていました。

MC:できあがったのをご覧になっていかがでしたか。

岡田:本当に大輔さんがやってくれてよかった。

宮川:マジで? めっちゃうれしいです。ありがとう!

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(撮影:堀木)

「岡田ファブル」を原作者も絶賛

トークの後は、公開を祝して原作者の南勝久先生よりお祝いのメッセージが到着。司会が代読した。

この度は江口監督を始め、演者のみなさん、関係者のみなさん、お疲れ様でした。無事に公開となり、僕自身も楽しみにしております。この原作は元々実写化を想定して考えたところもあり、一つの目標に達することができたことに深く感謝しております。よくある殺し屋というテーマに挑戦しましたが、この物語は恐らく今までになかった殺し屋エンターテインメントになっていると思います。それではラストまで笑ってハラハラと楽しんでいただけたらと思います。岡田准一ファブルをとくとご覧あれ。
南勝久

“岡田准一ファブル”を絶賛するコメントに、岡田も「原作の先生が喜んでくださっていてすごくうれしい」と笑顔を見せた。
続いて、本作とゆかりのある贈り物として巨大ないちごのショートケーキが壇上に運ばれてきた。劇中でファブルが一番好きな芸人・ジャッカル富岡が、「ショートケーキにいちごを乗っせ~る~♪」から始まるギャグを披露するくだりがあるのだ。
今回はジャッカル富岡役の宮川が特別に用意された特大イチゴをのせながら、最後は決めのフレーズ「何で俺もやね~ん」をキレキレの動きで披露した。さらに、岡田の無茶ぶりで「カレーライスにらっきょを乗っせ~る~♪」ともう1パターンも披露。登壇者や会場が大爆笑となった。

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(写真:オフィシャル提供)

最後に岡田からこれから映画を観るファンにメッセージが贈られた。

今日は本当にありがとうございます。雨の中来ていただきまして。本当に笑って、スカッとできる、誰もがすっきりできる映画になると思っております。ぜひ、また、何度でも見に来ていただいて、アクションの検証とか、どういうことやっているなとか含めまた見に来てください。ありがとうございます。

ここで登壇者はいったん退場。客席をバックでフォトセッションとなった。岡田の「ザ!」の掛け声に会場全体が「ファブル―!」と答える形でコール&レスポンスが行われ、顔の前に親指をかざすジャッカル富岡の“ジャッカル”ポーズをとりながら記念撮影。大盛況のうちに舞台挨拶が終幕した。
(取材:堀木・白石、文:堀木)

『ザ・ファブル』
<STORY>
どんな相手も6秒以内に殺す――。“ファブル(寓話)”と呼ばれる謎の殺し屋(岡田准一)は、裏社会で誰もが「伝説」と恐れる存在だった。しかし、ちょっと仕事をし過ぎた彼に、ボス(佐藤浩市)はある指令を与える。「一年間、一般人として普通に暮らせ。休業中に誰かを殺したら、俺がお前を殺す」
ファブルは、佐藤アキラという偽名を使い、相棒のヨウコ(木村文乃)と共に生まれて初めて一般人として街に溶け込む生活を始める。インコを飼ったり、バイトしたり...。殺しを封じ、《普通》を満喫し始めた矢先、ファブルの命を狙う裏社会の組織や、ファブルに助けを求める者たちが次々に現れ、事態は思わぬ方向へ急発進する!【絶対に殺してはいけない】指令のもと、絶体絶命のピンチを切り抜け平和に暮らせるのか―?!

出演:岡田准一、木村文乃、山本美月、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理、木村了、井之脇海、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、宮川大輔、佐藤二朗、光石研 、安田顕 、佐藤浩市
原作:南勝久『ザ・ファブル』(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:江口カン
脚本:渡辺雄介
配給:松竹
©2019「ザ・ファブル」製作委員会  
公式サイト:http://the-fable-movie.jp/

映画『居眠り磐音』 “大入り”御礼舞台挨拶レポート

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『居眠り磐音』を見るなら女性はメイクポーチが必須
連れの男性はメイク直しを待つ心の余裕を持ってほしいと
木村文乃がアドバイス


松坂桃李が“時代劇初主演”を務めた『居眠り磐音』が5月29日(水)に新宿ピカデリーで“大入り”御礼舞台挨拶を行った。登壇したのは主人公の磐音を演じた松坂桃李、磐音が江戸で住む長屋の大家の娘・おこんを演じた木村文乃、本木克英監督の3人。松坂の紺のスーツに合わせたかのように、木村は青いノースリーブのワンピースで登場。和服とは違った美しさを披露した。監督はシンプルな黒のスーツだった。
なお、舞台挨拶を前に、スクリーンの入口で松坂と監督がサプライズで観客を出迎え、大入り袋を直接手渡した。観客のほとんどが女性。松坂が「ありがとうございます」とはにかむような笑顔で感謝の言葉を口にしながら手渡そうとすると、驚きのあまり、立ち止まる、後ずさりする、うれしさのあまり動かなくなる、「応援しています」と話しかけるなど反応はさまざま。しかし、誰もがうれしそうだった。ちなみに監督も手渡すはずだったが、手前に松坂が立ったため、みなが松坂から受け取り、監督は補充係と化していた。しかし、穏やかな顔で横に立ち、監督の人柄の良さがにじみ出ていた。
(舞台挨拶詳細は作品情報の後に)

<映画『居眠り磐音』 “大入り”御礼舞台挨拶>
日程: 5月 29 日(水)
場所:新宿ピカデリー スクリーン1 (東京都新宿区新宿3-15-15 )
舞台挨拶登壇者:松坂桃李、木村文乃、本木克英監督

『居眠り磐音』
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<STORY>
友を斬り、愛する人を失った。 男は、哀しみを知る剣で、悪を斬る。
主人公・坂崎磐音(松坂桃李)は、故郷・豊後関前藩で起きた、ある哀しい事件により、2人の幼馴染を失い、祝言を間近に控えた許嫁の 奈緒(芳根京子)を残して脱藩。すべてを失い、浪人の身となった。江戸で長屋暮らしを始めた磐音は、長屋
の大家・金兵衛(中村梅雀)の紹介もあり、昼間はうなぎ屋、夜は両替屋・今津屋の用心棒として 働き始める。春風のように穏やかで、誰に対しても礼節を重んじる優しい人柄に加え、剣も立つ磐音は次第に周囲から信頼され、金兵衛の娘・おこん(木村文乃)からも好意を持たれるように。そんな折、幕府が流通させた新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれ、磐音は江戸で出会った大切な人たちを守るため、哀しみを胸に悪に立ち向かう。

出演:松坂桃李、 木村文乃 、芳根京子、 柄本佑、 杉野遥亮、 佐々木蔵之介、 奥田瑛二、 陣内孝則、 石丸謙二郎、 財前直見、 西村まさ彦、谷原章介 、中村梅雀、 柄本明 ほか
監督:本木克英
原作:佐伯泰英「居眠り磐音 決定版」(文春文庫刊)
脚本:藤本有紀
音楽:髙見優
主題歌:「LOVED」MISIA(アリオラジャパン)
製作:「居眠り磐音」製作委員会
配給:松竹
©2019映画「居眠り磐音」製作委員会


松坂が忙しさのあまり日曜日と勘違い
舞台挨拶は松坂がうっかり日曜日と勘違いし、連ドラの撮影などで忙しく、曜日の感覚がなくなっていることを恥ずかしそうに告白することからスタート。「公開してしばらく経ってから、またこうして来ていただけてうれしいです」
続いて、木村はまた舞台挨拶ができたことに感謝の言葉を述べた後、「居眠り磐音をたくさん愛して、みなさんの心に留め置いて、いえ、留め置かなくても広めていただいても大丈夫なんですが(笑)、これからも好きになってください」
最後に本木監督は「大入り袋配布のときに8回見たといっていた人がいた」と喜びを語った後、「見ていただいた方の話を聞くと居眠り磐音が心に残る作品になったのではないかと感じています」と挨拶した。

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ひとりひとりの目を見て感謝の言葉を言えるのは貴重な機会

大入り袋のサプライズ配布の話になると、松坂は11回見たと言っていた人がいたことに驚き、「僕らより見ている。僕らよりセリフが言えるんじゃない?」というと、監督も「私よりディティールに詳しいんじゃない?」と続けた。そして松坂が「直接、ひとりひとりの目を見て感謝の言葉を言えるのは貴重な機会だなと思いました」と答えると、本木監督が「みなさんの目が松坂さんを見て、驚きとともに喜びでキラキラと輝いていましたね。いいものだなと思いながら、横で見ていました(笑)」と重ねた。

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磐音は愛されるニューヒーロー

公開から2週間ほどが経過し、総動員数が24万人を超え、31名の著名人からコメントが届いていると司会が伝えると、はるな愛のコメントがスクリーンいっぱいに映し出された。

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そこには「 愛する人、家族、友達に対してこんなにまっすぐに向き合ったことがあるでしょうか? 人の思いが重すぎるほど見えてくる愛を教えてくれた映画でした。殺陣のスピード感、景色の綺麗さ、桃李くんのカッコ良さ、この作品は時代劇を好きになっていく、いいきっかけになると思います」と書かれていた。それに対して、松坂は「本当にありがたいですね。これだけ影響力のある方にこうして発信していただけるのは、 より時代劇を知るきっかけにもなるのでうれしいです」とコメントすると木村が「公式なものでは苗字で呼ぶのがスタンダードなのかなと思いますが、桃李くんといっているあたり、はるなさんの重すぎる愛を感じました(笑)。それくらい愛されるニューヒーローなんだなと思いました」と続けた。本木監督は「最近、時代劇は敷居が高いと敬遠されがちだったが、磐音をきっかけに、時代劇の美しさや深い感情の表現を感じてもらえるとうれしい。はるな愛さんは演出意図を分かっていただけたのを感じます」とコメントに対する喜びを表現した。

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感想コメントを聞き、「監督の演出意図がしっかり伝わった」と松坂

続いて、北斗晶のコメント「昔から、私が思う本当に強くて優しい男は【無口で孤独】。正に坂崎磐音は、私が思う本当に強い男そのものでした。 時代劇の映画は数々観てきましたが、この時代ならではの、こんなに切なくて淋しくて…どうしたらいいんだろう? と考えさせられる映画は初めてでした。そして衝撃過ぎる結末とそれでも諦めない人を愛する心に号泣でした」が映し出され、女性を中心に涙を流した人が多かったようだと司会が一般の人の似たような感想を読み上げた。それに対して松坂が「監督の演出で意図したものがしっかり伝わっていた」と反応すると、本木監督は「2人(松坂や木村)が磐音とおこんを演じてくれたから」と答えたが、木村が松坂との間を広げて「本当はここにもう一方いて、私は横からじーっと見つめているだけでしたからね」と自虐的に笑いを誘った。

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時代劇を撮ってきた先輩たちから「いいじゃん、松坂」と言われた監督

松坂は司会に女性からの反応を聞かれ、ちょっと戸惑いながらも、予告編が公開されたときに磐音が自分のことを“某(それがし)”と言っていたことをドラマの撮影の現場で照明部の男性からいじられていたことを告白。女性からの反応を問われていたが、さらりと男性との話にすり替えた松坂。その照明部の男性から「某って言ってたね」と言われたと、この質問を締めた。
木村は女性として感じることを問われ、「女性に観ていただきたい映画だなと思います。 ただ、女性は泣いてしまうので、カップル、ご夫婦で行かれたときはメイクポーチが必須。男性には化粧直しを待っている心の広さと余裕を持っていただいたら、その後のご飯がもっと楽しくなる」と男性へのアドバイスに繋げた。
監督は「時代劇を撮ってきた先輩方から、よくここまでちゃんとした時代劇にしてくれたとお褒めいただいた。『いいじゃん、松坂』と言われました」

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好きな気持ちを原動力に変える!

特別企画として「お仕事相談コーナー」が開かれ、会場からの仕事上の悩みに登壇者が応えた 。最初は松坂桃李ファンの女性から、「桃李さんがステキすぎて、磐音さまがステキすぎて、日中仕事に集中できないのですが、どうしたらいいですか」と苦しい胸の内の告白があると、松坂が「僕も撮影のときに、好きなアニメや週刊ジャンプについて考えてしまうことが確かにあります(笑) 。これが終わったらアニメを見る、これが終わったらコンビニに行ってジャンプを買おうとその気持ちを原動力に変えると、目の前の仕事に対して集中して、あっという間に時が過ぎると思います」と答えた。

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初めての環境に馴染むには名前を呼ぶことが大事

続いて、4月から働き始めた新社会人が「みなさんは新しい環境にはすぐに馴染めますか」と質問をした。それに対して、木村が「初めての環境は大変ですよね」と相槌のようなコメントをすると、 松坂が「我々は派遣みたいなものですから」と言った後、「スタッフさん同士が何と呼びあっているかをさり気なく聞いたりして、その名前で呼んでみたり、スタッフさんが会話で何かで盛り上がっていたら、自分もちょっと入ってみたりする。仕事に向き合っていれば心配なくスムーズに時間が経てば馴染んでいるじゃないでしょうか」。木村も松坂の答えに賛同し、「名前って魔法がありますよね。 積極的に名前を呼ぶと絆は強くなる」と答えると、質問者が「名前を早く覚えます」と返事をした。
ここで、松坂たちはいったん降壇し、大きな大入り袋を持って会場中央に再登場。フォトセッションをした後に、松坂が「本日はみなさん、ありがとうございました。こうやってもう一度舞台挨拶ができるということはみなさまの応援のおかげだと思っております。これだけ多くの方に支えられているんだなと改めて実感しております。もっともっと時代劇が多くの方に見てもらえるようにこれからも自分自身も精進していこうと思っておりますので、ぜひともこの『居眠り磐音』応援のほどよろしくお願いいたします」と締めて、大盛況のうちに幕を下ろした。
(取材:白石映子・堀木三紀、文:堀木三紀)

『山懐に抱かれて』初日舞台挨拶4/27(白)

今頃ですが、この素敵なご夫婦の言葉をやっぱり残しておきたいので、おくればせながら書き起こしました。
東京のポレポレ東中野での上映は今週金曜日まで。この後全国各地での上映となります。詳細はこちらのHPの上映情報をご覧ください。

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遠藤隆監督 今日の主人公はこのお二人です。私はインタビュアーになります。実はお二人が映画を観るのは今日初めてです。ご覧になった感想を。

お父さん(吉塚公雄)どうもみなさん、今日は本当にありがとうございました。岩手県で一番の、日本で一番の貧乏暮らしがこんな映画になって信じられない気持ちでいっぱいです。あの場面あの場面の子どもとの思い出とか、いろんなことを思い出すと…胸がいっぱいで…とにかく今までね。奇跡的につぶれないでこれて、なにもかにも思い返すと遠藤さんのおかげでした。牛乳屋が生まれてできたことも遠藤さんのおかげ、こんな映画にも…(涙ぐむ)ほんとにもう感謝しかありません。これを支えてくれたみなさんが牛乳をとってくれて…ほんとにありがとうございました。
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お母さん(吉塚登志子) 新しい気持ちで今日見せてもらったんですけれども、よくここまでこれて、ましてこんな映画にまでなったなんて信じられない。ずっとテレビ岩手の遠藤さんに、ずっともう小汚い家に何回も通っていただいて、子どもたちと接していただいて。初めのころは遠藤さんが持ってきてくれるお土産を楽しみに(爆)みんな待っていたような感じでしたが(笑)、こういう形になったというのは、ほんとに感謝して、感動しています。

遠藤監督 自分で作って泣くのもおかしいんですが、見てて涙が出てきてしまいました。昔、私と出会ったころはたぶん一番厳しいころだったと思うんです。ただ逆に子どもたちが小さくてお父さんの話をちゃんと聞いてくれて、家族の仲がすごくうまくいっていた時期でもあります。あの頃のことを思い返していかがでしょう?

お父さん そうですね。画面の中にも出てきましたけど、子どもたちが小さい頃はね。親父が右といえば、右(笑)。「早く終われ!」と怒りつけて頭をゴンってやったり(笑)、そうやって私が家族を思い通りにやらせてきた。それが徐々に成長してきて、自分の思いを認めてもらえない、って。頭ごなしにやってきたのがああいう風になるわけなんです。今思えばひどい親父だな、と思いますが。でもその時その時、精一杯やってきましたんでね。反省はしても後ろ向く暇がない(笑)。とにかく前を向く。希望の光を目指してですね、進むことしか考えてないアホですから(笑)あんまり反省はしない。申し訳なかったとは思っていますけれども、今からも前進することだけを信じてやっていきます。早くしないと人生おわっちゃうんで。

遠藤監督 確かに取材していても、僕も理不尽だなと思うことはありました(笑)。僕も実はお父さんとずいぶん喧嘩しています。子どもたちもああやって喧嘩しているんだけれども、お父さんはとてもよく聞いています。聞いてていろんなことを思っているんです。自分で頑固親父だと言っていますけど、一応人の話を聞く頑固親父でした(笑)。お母さんはそれをずっと受け止めて。どういう思いでやってこられたんでしょうか?
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お母さん はい。よく皆さんに「お母さんよく頑張ってこれたね。どうして?」と聞かれるんです。私の子どものころの夢は「家族みんなでご飯が食べたい」。それが夢でした。小さいころに預けられて、クリスマスに姉と2人だけでロールケーキを食べたことがあります。「これを家族みんなで食べたらどんなに美味しいかね」と言いながら食べた記憶があるので。両親をを早くなくしているので「お金がなくたって、何もなくたって、家族みんなが健康ならなんとかなるじゃん」って。何かにぶつかったときにも「みんなが元気ならいいじゃん」って思います。だから頑固でいろいろありましたけど(お父さんと顔を見合わす 笑)こういう皆さんと会う機会ができて遠藤さんに一番感謝します。ほんとありがたいだけです(拍手)。

遠藤監督 結婚を決めたのはどういうところか、僕はもう100回くらい聞いているんですけど(笑)、お父さんからお見合いの話を。

お父さん 電気のないところで学生のころ20歳から一人頑張ってきたんですけど、それまで自炊したことがなかったんです。健康のために玄米食にして一汁一菜でした。朝たくさん炊いて、しゃもじで三等分にしてしゃもじのまんま食べる。すると洗い物が少なくてすむので(笑)。三等分を六等分にするとさらに楽なんです(笑)。そんなことをしていたらだんだん痩せてきて、栄養失調になってこのままじゃやべぇなと、初めて実家に助け船を求めたんです。「嫁さんなんとかなんねぇかな、女ならだれでもいいから」(笑)。
そういうことで候補に挙がってきたのがこの方でございまして(笑)。当時私は28歳、彼女は22歳。お袋が親代わりで連れてきました。牛を追って九州から北海道までいろいろ歩いたんですけど、女性との経験がまるでないもんですから舞いあがっちゃって食事ものどを通らなくなったりしてね(笑)、大変な思いをしました。
でも開拓農家ですから、仕事をやってみてもらおうと思って一輪車で薪を運んでもらったんです。そしたら、この人は一輪車に割った薪を一個乗っけて運んでいるんです(笑)。そして次に2個(笑)。次に10個というならまだわかるけど、ちょっとこれは申し訳ないけど、この人に開拓は無理だなと。可愛いかなんかしんないけど、若いかもしんないけど無理だなと、帰ったらお断りしようと思ったんです。
帰る日の朝、食事前に牛の乳絞っていたら彼女がパパパパと走ってきて、「私合格ですか?」と言うんです。
22歳の若い女の子が「合格ですか?」ってね。傷つけないように頭めぐらして考えました。そして出てきた言葉が「僕で良ければ」(爆笑と拍手)。
そういういきさつがございまして、めでたくですね。どっちがめでたいんだか?今二人並んでいるわけでございます。ほんとに馬鹿馬鹿しいお笑いで(拍手)。

遠藤監督 最後のほうのカットで二人が結婚なさったときの写真があります。あれはつい最近見たんですが、お父さんとお母さん目があってなくて、変な写真なんです。あの頃、お孫さんのいる今を想像もできなかっただろうな、と。誰もそうですけど、素敵だなとああいう構成にしました。
私はディレクターとしてずっと関わってきました。今日も撮影に来ている田中君も20年撮影してくれました(拍手)。映画にしろと言ってくれた社長、ほかにもたくさんのスタッフがいます。
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田中カメラマンと遠藤監督

そのみんなが映像しか見ていなくても、吉塚さんに夢中になって、ここにたどり着いたんです。そのことはぜひ知っていただけたら、と思います。どうもありがとうございました。(拍手)

田野畑村の石原 弘村長が駆けつけ、石塚夫妻と遠藤監督に花束を贈りました。
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(まとめ・写真 白石映子)