特集上映「そしてキアロスタミはつづく」初日 中村獅童さん登壇!

「そしてキアロスタミはつづく デジタル・リマスター版特集上映」初日

キアロスタミ監督ファンを代表して、
中村獅童さん(歌舞伎俳優)登壇

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■日程:10月16日(土)12:40回 『友だちのうちはどこ?』※上映前
■場所:ユーロスペース

★「そしてキアロスタミはつづく デジタル・リマスター版特集上映」
公式サイト
シネマジャーナル

イラン映画の巨匠アッバス・キアロスタミ監督の初期7作品のデジタル・リマスター版特集上映「そしてキアロスタミはつづく デジタル・リマスター版特集上映」が2021年10月16日(土)にユーロスペースで公開初日を迎えました。
映画『友だちのうちはどこ?』上映前に、キアロスタミ監督ファンを代表して、中村獅童さん(歌舞伎俳優)による舞台挨拶が開催されました。(聞き手:藤井克郎さん/映画記者)

◆キアロスタミ作品のあるがままの演技に衝撃を受けた
獅童:久しぶりにユーロスペースにきて、キアロスタミ監督の作品がデジタル・リマスター版として蘇ることにとても興奮しています。

― 今日は短い時間ですけど、よろしくお願いします。

獅童:映画やキアロスタミ監督への思いをいっぱいしゃべりたいのですけど、15分しかないから話しきれないです。

― 90年代にキアロスタミに出会われて衝撃を受けたそうですね。

獅童:90年代、僕は大学生でミニシアターブームでした。僕自身まだまだ映画やテレビに出させていただけなくて無名時代で、たくさんの映画を観客として楽しんでいたのですが、もちろん役者としての目線もありました。当時、ユーロスペースに行くと、いい映画がかかっているというイメージでした。まだ向こう(桜丘 さくら通り)にあった頃でしたが、そんな思いでユーロスペースに通っている中で、キアロスタミの映画に出会って、衝撃的でした。自然な少年の姿、演技じゃ出せない味、それを僕ら役者はやらないといけない。プロだけど一期一会。自然の姿をと。
歌舞伎というのは、400年の歴史があって、型のある世界だけれど、その中に自分の魂や気持ちをどうやって込めていくかを研究しているときにキアロスタミ監督の作品に出会って、演じている人たちの自然な姿に衝撃を受けました。

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― キアロスタミの映画の中から、演技をしていく上で、どういう風に学ばれましたか?

獅童:15分じゃとても語れません。人間として生きてきたら、大人になっていつのまにか生き方が上手になっていたりします。役者も同じで、なんとなく演じていると、それらしくなって身についていると思います。映画で演じる時には、歌舞伎役者・中村獅童はしまいます。台本をもらった時に、自分に何が求められているのかを考えて演じます。
歌舞伎は、1か月、毎日毎日同じことを演じるけど、今日出会ったお客様と一期一会。どうやってその日その日、新鮮な気持ちでお客様のハートに届くかを考えます。
『友だちのうちはどこ?』の主人公・アハマッドは、キアロスタミ監督に見いだされた素人の少年で、芝居じゃない、一期一会の気持ちでやってて、褒められようとも思ってない。計算じゃない、純粋な少年の気持ちでやってます。自然な姿はプロの役者にかなわない。純粋に演技をする気持ちを忘れてはいけないと、キアロスタミ監督の作品は思い出させてくれます。プロの役者が目指す自然な姿をぜひ観てください。

◆映画館で時を共有する醍醐味
― 『友だちのうちはどこ?』は、世界中の子供から大人まで愛される名作ですが、陽喜くん、夏幹くんと一緒に観る予定は?

獅童:自分が新作歌舞伎を作る時も、子供から大人まで楽しめるように作ることを意識しています。特に子供に楽しんでほしいと思っています。キアロスタミ監督の作品は原点にもなっていて、影響はすごく大きいと思います。
今、皆さんが劇場の椅子に座って映画の始まるのを待っているワクワク感が伝わってきて、やっぱり劇場で共有するというのはいいなぁ~と思います。
自分の出演した映画も、DVDをくれるといわれても、映画館で観客の皆さんと一緒に観ます。ここで笑ってくれるんだという楽しみもあります。今は、家で映画も楽しめる時代ですが、やっぱり映画館に行くと、暗くなって、予告編があって、本編が始まるという映画館独特の味わいがあります。
コロナ禍で映画館や劇場に足を運ぶのが難しい時代ですが、映画は家で観るのと映画館で観るのとでは全然違います。
劇場に行って映画を楽しんだこと、ユーロスペースに通ったことが蘇ってきて、足を運ぶということが、自分の人生の思い出となって、明日からまた頑張れるという糧になります。

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あっという間に時間が経ち、最後に、司会の方から、「キアロスタミ監督ファンを代表して、一言お願いします」と言われた獅童さん。
「ファンを代表してなんて、全作品を観ているわけじゃないし、おこがましいです。先ほども言った通り、共有するというのは生きているということ。同じものを観て、泣いたり笑ったりして、感動することが大切。まだまだ大変な日常が続いていますが、ぜひ劇場に足を運んで、キアロスタミ監督の中の子供たちの姿をみて優しい気持ちになったり、一瞬でも夢を見たりしてほしいです。それが映画や演劇の醍醐味。僕の大好きなキアロスタミ監督の作品を肌で感じて、楽しんでください。


このあと、マスコミ向けの」フォトセッション。
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「こういう時、お客様は一番つまらないですよね」と気遣う獅童さん。
最後に、一般のお客様にも撮影が許されました。


◆今後のユーロスペースでのトークショー予定
10月23日(土)12:40『風が吹くまま』
上映後 ゲスト:ショーレ・ゴルパリアン(映画プロデューサー、翻訳家、通訳)

10月24日(日)12:40『そして人生はつづく』
上映後 ゲスト:佐藤元状(英文学・映画研究者)


「そしてキアロスタミはつづく デジタル・リマスター版特集上映」
期間・劇場:2021年10月16日(土)よりユーロスペースほか全国順次開催
 ユーロスペース 公式サイト:http://www.eurospace.co.jp/

上映作品:
『トラベラー』(1974)
『友だちのうちはどこ?』(1987)
『ホームワーク』(1989)
『そして人生はつづく』(1992)
『オリーブの林をぬけて』(1994)
『桜桃の味』(1997)
『風が吹くまま』(1999)

作品内容詳細など、公式サイトでご確認ください
https://kiarostamiforever.com/

『僕が君の耳になる』公開記念舞台挨拶

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YouTubeで1,000万回以上再生を突破しヒットを記録した実話を元にしたHANDSIGNの楽曲MVが映画化!
6月26日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で、映画公開記念のイベントが行われました。
ラルフローレン社から聴覚障害の子どもたちにランドセル50人分の贈呈式。
続いてダブル主演の織部典成、梶本瑞希、共演の森口瑤子、木村祐一、三浦剛、忍足亜希子、松井健太、寺田光、新宮明日香、製作総指揮の瀬古口精良氏、メガホンをとった榎本次郎監督、主題歌を担当したボーカル&手話パフォーマー“HANDSIGN”が登壇しての舞台挨拶。

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ラルフローレンでキメた“HANDSIGN”のお二人

<物語>
路上で弾き語りをしている大学生の純平(織部典成)は、耳が聞こえないろう者の美咲(梶本瑞希)と知り合った。美咲に出会って初めて障がい者の世界を知り、美咲と話すために手話を猛勉強する。二人の距離は近づいたり、離れたり。

織部典成(純平):今回、ギターと手話は初挑戦で、撮影が終わるまでがむしゃらでした。でも、たくさんの方に支えていただいて、僕はクランクアップすることができました。
梶本瑞希(美咲):初日ですごく緊張しました。でもみなさんのおかげで楽しむことができました。本当に幸せな時間を過ごすことができました。この映画をみなさんに楽しんで見ていただけたら嬉しいです。
森口瑤子:美咲ちゃんと一緒に、この映画を愛していただけたら大変嬉しいです。本日はありがとうございました。
木村祐一:(撮影場所が)本当のインド料理屋さんでした。india(インディア)って書いてあったんですけど、どう見ても小さい i が後付けの iでした(笑)。

本作の手話指導を行い、2人の実話がストーリーのモチーフにもなった三浦剛と忍足亜希子夫妻も続いてご挨拶。
三浦剛(美咲の父役):実際に家族3人で映画館に行けたのは1回だけなんですが、この映画は全シーンに字幕がついているので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいと思います。
忍足亜希子(美咲の先生役):ヒロインの瑞希ちゃんを見て、私も映画デビューしたときのことを思い出しました。彼女は演技経験がない中、一生懸命演技をやって、努力したんだなと思いました。聞こえる世界、聞こえない世界、私も大変で悩みました。私も(美咲のように)実際に(三浦を)振った経験があります。でも、この映画のようにまた再会しました。ろう者の世界、手話という言葉、すごく素晴らしいんです。それを皆さんに見てもらって、理解してもらえたらなと思います。
織部典成(純平):まずはこの日を迎えられたことを嬉しく思います。この作品はキャスト一同、そしてスタッフさんももちろん、みなさんと一緒に作り上げた素敵な作品だと思っています。この作品を通して、僕自身もいろいろなことに気づかせてもらいました。1人でも多くの方に届いて、そしてもっとろう者の方への理解が深まる、そんな世の中になればなと思いますので、みなさんどうぞ、お力を貸してください。

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W主演のお二人だけでなく、助演のみなさんも手話で自己紹介されていました。
手話も点字も日本語です。自分が使わなくても知らないままじゃいけないな、と思っています。HANDSIGNのTATSUさんが、「ありがとうを英語でThank youと言うように、手話でありがとうを言えるのが当たり前になってほしい」とおっしゃっていました。
ほんとにそうですよね。(白)


★ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開中。
公式HP https://bokukimi.net/

『ハチとパルマの物語』大館市特別先行上映会にザギトワ選手が登壇!

ハチとパルマの物語

今も愛され続ける、もうひとつのハチの物語。
空港で飼い主を待ち続けた、ロシアの忠犬パルマの感動の実話が日露合作で映画化。

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@Shutterz/ CB

5月28日(金)からの全国公開を前に、大館市で開催された特別先行上映会に本人役で出演したザギトワ選手が登壇!

70年代のモスクワの空港で2年もの間、飼い主を待ち続けた“忠犬パルマ”の実話を描いた日露共同製作映画『ハチとパルマの物語』大館市特別先行上映会が、5月23日(日)10時より、大館市民ほくしか鹿鳴ホールにて開催された。

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@Shutterz/ CB

それに先立ち、上映前に本人役で映画初出演を果たしたアリーナ・ザギトワ(19)、やはり本人役で出演した福原淳嗣大館市長(53)、アナスタシア・ラザレフ役のアナスタシア(8/子役)が登壇し、舞台挨拶を行った。

司会は、ABS秋田放送の井関裕貴アナウンサーが担当。ザギトワ選手がまず「みなさんこんにちは私はアリーナ・ザギトワです。元気ですか?」と流暢な日本語で挨拶を披露すると、大きな拍手が客席から起こった。その後ロシア語で「大館に招待して頂き、誠に有難うございます。オリンピックが終わってから、私の人生は大きく変わりました。いろんな国を訪れて様々な人と会うことになりました。今はコロナウィルスによる様々な制限がありますが、日本に来てからはちゃんとルールを守って移動し、大館には10時間車に乗ってやってきました」という思いの深さに大きな拍手が。「この映画を観て、自分にとって何が大切なことなのか、それを見つけることができるのではと思います。愛と友情によって、私たちは様々な事が実現可能になります」と想いを語り、さらに秋田犬の故郷である大館市民に「マサルは元気です。皆さんに宜しくと言ってました」と語った。

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@Shutterz/ CB

福原大館市長が「ようこそ大館へ、ザギトワ選手、大歓迎します」と歓待の意を伝え「秋田犬の故郷大館には忠犬ハチ公という素晴らしい物語がありますが、今日、もう一つ素晴らしい物語を共有することが出来ます。それがこの『ハチとパルマの物語』です」と語った。
続いてザギトワ選手が映画初出演の感想を「この映画の中に、社会、または人間の在り方に関わる話がたくさんあります。私の心に触れた場面もとても多かった。また今日ご覧になる方々は感動して泣いてしまう方も多いと思います」とコメント。愛犬マサルとのエピソードを「仕事の関係で出張も多いので、様々なところへ行ったり、ずっと不在の時もあります。そんな時よく家族から写真が届きますが、マサルは窓を覗いて私の帰りを待っているようです。それを見ると非常に私も淋しいな、早く会いたいなという気持ちにいつもなりますね」と語った。
ザギトワ選手は今回、日本とロシアの文化交流の一環として、映画が公開されるこのタイミングに来日。さらに日露友好の架け橋となる特別フィギュアスケートプログラムを撮影し、後日配信という形で日本中に披露する。その件に関して「日本でフィギュアスケートをお見せします。そのプログラムに招待されたことを大変光栄に思っています。みなさん、できるだけ頑張りますので楽しみにして下さい」と演技に対する想いを述べた。

質疑応答の後、劇中でロシアと秋田犬を繋ぐキャラクターを演じた、子役のアナスタシアが“もふもふリュック”を背負って登壇。日本語で自己紹介した後に、「みなさんこんにちは、私はアナスタシア・ラザレフ役のアナスタシアです。(ザギトワ選手に)会えて嬉しいです。この映画に私も出てましたが、気に入ってもらえましたか? また日本に来てね」とロシア語でザギトワ選手にメッセージを伝えた。
メディアと観客への写真撮影終了後、福原大館市長が「秋田犬の里はこの映画から新しい時代を迎えます。人と犬の絆をこれからも大切にしていきます。みなさん一緒に楽しみましょう」とコメント。アナスタシアは日本語とロシア語で「みなさんぜひ映画を楽しんでください」とご挨拶。ザギトワ選手が「本当に素晴らしい映画です。楽しんでください」と締めの挨拶をして、舞台挨拶が終了した。
会場は、感染防止のため客席の間を1席ずつ空けて約500人の観客が着席。客席からは、拍手の他、ロシア語の言葉を書いたボードで、ザギトワへのメッセージを伝えるなど、工夫された穏やかな上映会となった。

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@Shutterz/ CB

舞台挨拶後には映画のロケ地でもある、秋田犬の里を訪れ、マサルの兄弟・勝大(しょうだい)と初対面した。新型コロナウイルス感染症対策徹底のため、直接触れ合うことはできず、ガラス越しの対面となったが、「本当にかわいい~」と満面の笑みを見せていた。

『ハチとパルマの物語』 
★5月28日(金)より全国にて公開

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©2021パルマと秋田犬製作委員会

<ストーリー> 
旧ソ連時代の1970年代。検査の手違いから仕方なくモスクワの空港に置き去りにされた犬、パルマ。 いつの日か飼い主が迎えに来ることを信じて、 今日もパルマは滑走路の傍らでじっと待ち続ける。そして1人の少年と出会う…。2年もの間、実際にモスクワのヴヌーコヴォ国際空港で待ち続け、 いまもロシアで多くの人に語り継がれる感動の実話“パルマの物語”、待望の映画化。

シネジャの作品紹介はこちら

出演:渡辺裕之 藤田朋子 アナスタシア 壇蜜 高松潤 山本修夢 早咲
阿部純子(友情出演) 堂珍嘉邦(友情出演) アリーナ・ザギトワ(友情出演)
アレクサンドル・ドモガロフ レオニド・バーソフ ヴィクトル・ドブロヌラヴォフ
監督:アレクサンドル・ドモガロフJr. 脚本:アレクサンドル・ドモガロフJr./村上かのん 
プロデューサー:益田祐美子
公式サイト https://akita-movie.com/
YouTube https://youtu.be/NA5s2u8ovk8
©2021パルマと秋田犬製作委員会
配給:東京テアトル/平成プロジェクト



『ミセス・ノイズィ』公開から15週目突入  ロングラン記念舞台挨拶!!

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左から天野千尋監督、新津ちせ、篠原ゆき子、長尾卓磨、宮崎太一


2021年3月6日(土)ロングラン記念舞台挨拶
渋谷・ユーロスペースにて
登壇者 篠原ゆき子、長尾卓磨、新津ちせ、宮崎太一、天野千尋監督
MC   伊藤さとり

・シネマジャーナルHP 作品紹介『ミセス・ノイズィ』
・本誌103号でも紹介
・『ミセス・ノイズィ』公式HP
・シネマジャーナルHP 特別記事
 『ミセス・ノイズィ』天野千尋監督インタビュー記事はこちら

第32回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門にて上映、その後も海外でのさまざまな映画祭でも上映され話題となった天野千尋監督オリジナル脚本の映画『ミセス・ノイズィ』(出演:篠原ゆき子、大高洋子、新津ちせ ほか)が、2020年12月4日(金)より全国公開中。スランプに陥った小説家・吉岡真紀(篠原ゆき子)と、騒音を巻き起こす隣人若田美和子(大高洋子)とのご近所トラブルが、世間を巻き込んだ大騒動となるさまを描く。
ささいなすれ違いから生まれた隣人同士の対立が、マスコミやネット社会を巻き込んで、2人の女の運命を狂わせる大事件へ発展していく。「SNS炎上」や「メディアリンチ」「規格に合わないものに対する皮肉」など、現代の社会事情を反映した作品。後半は思わぬ方向に展開し、あらゆる「争い」が、ちょっとした食い違いから大きな争いに発展するさまを描いた。観客の口コミなどで広がり、ロングランヒットを記録。6日から公開劇場がユーロスペースに移し上映され、ロングランを記念して舞台挨拶があった。今後は地方の映画館などの上映のほか、東京では下高井戸シネマで4月24日から上映がある。

天野千尋監督は「映画を始めた時からユーロスペースで上映できたらいいなと考えていたので、この劇場で上映されることになりとてもうれしいです。昨年、冬の初めに公開が始まったのですが、3か月も上映され、春まで上映していただけるとは。はじめは想像もしていませんでした。口コミで広がっていったからですね。伊集院光さんや放送作家の鈴木おさむさんなどがラジオで話してくれたりもしましたし、松尾貴史さんもテレビで紹介してくださいました。観客の皆さんからは、「職場の先輩に勧められた」とか、「友だちに勧められた」とか、一番いい形で広まっているなと思いました。本当に感謝しています」と緊張しつつも感激の言葉を述べた。

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主人公の新進小説家吉岡真紀を演じた篠原ゆき子さんは、本作への出演を「なんだかドキュメンタリーのようでした」と語り、「閉店セールのようにそろそろ終わると言いながら、3カ月も続き、口コミで広げてくれた皆さんに感謝します。真紀は私に似ていると言われたり、映画の口コミサイトなどで真紀はムカつく女だと書かれていたり、当て書きだと言われたりして、落ち込んだりもしました」と苦笑い。でも「映画楽しんでいただけましたか?」と問いかけると満席に近い会場から拍手と歓声が飛んだ。

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お隣さんとのトラブルに妻に寄りそうでもなく迷惑顔で、どこか他人事な真紀の夫吉岡裕一を演じた長尾卓磨さんは「悪役でもないけど、無関心を装い、距離を置いた役でした。僕自身はそうではない人間のつもりですが、それで叩かれるのはわかります」とぼやき観客を笑わせた。

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真紀の娘、菜子を演じた新津ちせちゃんは「私は役でいろいろなことにチャレンジすることが好きです。本当の私は臆病で、誰かに怒られるようなことはしない性格ですが、この映画で私が演じたなっちゃんは自分のやりたいようにおもちゃをガッシャーンとひっくり返したり、白い壁に落書きしたりする役。この役を通して大胆な性格になれたかなと思います」と笑顔で語り、今年の抱負を尋ねられると「これからもまわりの方に感謝しながらいろんな役にチャレンジしていきたい」と、10歳とは思えないようなしっかりした答えが返ってきた。

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隣の家の若田美和子の夫、若田茂夫を演じた宮崎太一さんはハサミ虫について問われ「あれはCGではありません。スタッフがヤフオクで買った本物です。ハサミ虫が体を這うシーンは覚悟を決めて臨みました。ハサミ虫は大量にはいないので、何度もシーンを撮ったりしました」と答えていた。それは大変だったかも。

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面白かった話題はコロナ禍の話題で、「コロナでトイレットペーパーが買えなかった時、近所のおばあさんがトイレットロールがなくて困っていたので、3ロール差し上げたら、お返しにメロンをいただきびっくりしました」と篠原ゆき子さんが語っていた。

天野監督も「コロナがきっかけで近所の方との距離が近くなりました」と話し、映画のことも話すことができ、そのへんからも口コミが広がりましたと答えていた。次回作について「私は社会のちょっと悪いことをしてしまうグレーな人に興味があります。普通の女たちが悪巧みをするんだけど、それには正義があり、それぞれの生き様がありというような作品を撮りたい」と語っていた。
取材・写真 宮崎暁美


取材を終えて
この作品、試写、東京国際映画祭でも見逃していたのですがなんとか観ることができました。3か月も続いていたとはびっくりです。最初は嫌な女同士の争いかと思わせて、最後はそれぞれの思いがうまくかみ合う大団円で終わりホッとしました。でも、私としては新人小説家の吉岡真紀にしろ、となりの家の若田美和子にしても、家事をほとんどこなし、夫の面倒をみすぎという感じがして、そんなもの自分でやらせないの?と思ってしまうシーンがいくつもありました。真紀の家では妻が食器を片付け洗ったりしているのに夫はただのうのうとしていたりするシーンも何回かあったし、隣の若田家は、いくら夫がうつ病気味とはいえ、夫のハサミ虫布団を夫が自分で干すのではなく、いつも妻がやっている。ま、争いを起こす原因を作るための手段だったのかもしれないけど、観ていてちょっとイライラしてしまった。せっかく女性監督の作品なんだから、日本社会の妻の家族への献身しすぎ、家庭貢献事情にちょっと皮肉でも入れてくれたらなんて思ってしまった。そして篠原ゆき子さん大活躍ですね。今、TV番組「相棒」で刑事役で頑張っている!
それにしても、この天野監督の『ミセス・ノイズィ』のロングランといい、大九明子監督の『私をくいとめて』の東京国際映画祭の観客賞受賞といい、最近の二人の活躍が嬉しい。私は観ていないのだけど、新進女性監督3人による『放課後ロスト』(2014)というオムニバス作品に天野監督と大九監督は参加している。あいち国際女性映画祭2014ではもう一人の名倉愛監督と3人によるトークがあった。この時はまさか、二人がこんなに活躍するまでになるとは思わなかったので余計感慨深い。

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あいち国際女性映画祭2014にて

『レディ・トゥ・レディ』公開記念舞台挨拶

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12月13日(日)ヒューマントラストシネマ渋谷
W主演を務めた大塚千弘さん、内田慈さん、これが商業映画監督デビューとなる藤澤浩和監督が登壇しました。
公式レポが届きましたのでご紹介いたします。
作品紹介はこちら
大塚千弘さん、内田慈さんインタビューはこちら
(C)2020 イングス
http://lady-to-lady.net/


◆誕生日が同じ二人が全集中
大塚 こんなにも体力と筋肉が必要なのかと驚きました。約2ヶ月の練習では朝から2時間くらい“全集中”で踊っていたので、ダンスの稽古だけで4キロ以上体重が落ちました。ダンス後はお腹がペコペコでした。
内田 大会シーンはプロのダンサーの方々が大勢いる中で、色々なダンスが同時進行します。何テイクも撮影できないので、ダンスシーンは“全集中”で臨みました。まさに“阿吽の呼吸、ダンスの形”でした。

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大塚 大勢のダンサーの方が参加してくれて、私たちも煌びやかに着飾らせてもらいました。撮影ではダンス練習期間の想いが溢れてきて、一回目のワルツで感情が溢れ出て涙が…。二人で目を合わせながら“泣ける~!”となって、藤澤監督から『泣くのは早いです!』とNGになりました(笑)。

◆役作り
大塚 自分の専業主婦の母を見て、そこから盗めるものは盗みました。例えばサンバイザーを付けたり、ウォーマーを付けたり。そういったものを衣装合わせの際に御提案しました。

内田 かつて店頭販売のバイトをしていたので、アルバイトシーンは当時を思い出しました。またオーディションのシーンでは客観的に見て下手に思われるように、緊張してちょっと声が上ずっているような演技を意識しました。
大塚 オーディションのシーンは見ていて爆笑しました(笑)。

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◆商業映画監督デビューで競技ダンス
藤澤監督 「テーマは役割からの解放」です。その中で競技ダンスのリード&フォローの概念を知りました。そしてお互いがお互いを支えるのがダンスだと理解。女性同士でお互いを支えるという設定に辿りつきました。

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◆みなさまへ
内田 映画の認知はまだまだこれからですが、沢山の方々に観てほしいです。価値観が大きく変わる世の中で、なかなか今までのようにはいかず、どうやったら希望を持てるのかわからない時代かもしれません。真子と一華は前例のないことに突破して、やりたいからやる!と言い切ります。そこに希望がある。夢を語るのはタダ!この映画がみなさんのエネルギーになれば。

大塚 コロナ禍という暗いニュースが多い中で、今こそ『レディ・トゥ・レディ』は公開するべきだと思いました。元気をもらったり、明るくなれたり、観てくれた方がちょっとでも挑戦をしようと思ってくれたら幸せです。明るくスッキリしたスポコン映画。このエンタメで気分転換してもらえたら嬉しいです。