『僕が君の耳になる』公開記念舞台挨拶

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YouTubeで1,000万回以上再生を突破しヒットを記録した実話を元にしたHANDSIGNの楽曲MVが映画化!
6月26日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で、映画公開記念のイベントが行われました。
ラルフローレン社から聴覚障害の子どもたちにランドセル50人分の贈呈式。
続いてダブル主演の織部典成、梶本瑞希、共演の森口瑤子、木村祐一、三浦剛、忍足亜希子、松井健太、寺田光、新宮明日香、製作総指揮の瀬古口精良氏、メガホンをとった榎本次郎監督、主題歌を担当したボーカル&手話パフォーマー“HANDSIGN”が登壇しての舞台挨拶。

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ラルフローレンでキメた“HANDSIGN”のお二人

<物語>
路上で弾き語りをしている大学生の純平(織部典成)は、耳が聞こえないろう者の美咲(梶本瑞希)と知り合った。美咲に出会って初めて障がい者の世界を知り、美咲と話すために手話を猛勉強する。二人の距離は近づいたり、離れたり。

織部典成(純平):今回、ギターと手話は初挑戦で、撮影が終わるまでがむしゃらでした。でも、たくさんの方に支えていただいて、僕はクランクアップすることができました。
梶本瑞希(美咲):初日ですごく緊張しました。でもみなさんのおかげで楽しむことができました。本当に幸せな時間を過ごすことができました。この映画をみなさんに楽しんで見ていただけたら嬉しいです。
森口瑤子:美咲ちゃんと一緒に、この映画を愛していただけたら大変嬉しいです。本日はありがとうございました。
木村祐一:(撮影場所が)本当のインド料理屋さんでした。india(インディア)って書いてあったんですけど、どう見ても小さい i が後付けの iでした(笑)。

本作の手話指導を行い、2人の実話がストーリーのモチーフにもなった三浦剛と忍足亜希子夫妻も続いてご挨拶。
三浦剛(美咲の父役):実際に家族3人で映画館に行けたのは1回だけなんですが、この映画は全シーンに字幕がついているので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいと思います。
忍足亜希子(美咲の先生役):ヒロインの瑞希ちゃんを見て、私も映画デビューしたときのことを思い出しました。彼女は演技経験がない中、一生懸命演技をやって、努力したんだなと思いました。聞こえる世界、聞こえない世界、私も大変で悩みました。私も(美咲のように)実際に(三浦を)振った経験があります。でも、この映画のようにまた再会しました。ろう者の世界、手話という言葉、すごく素晴らしいんです。それを皆さんに見てもらって、理解してもらえたらなと思います。
織部典成(純平):まずはこの日を迎えられたことを嬉しく思います。この作品はキャスト一同、そしてスタッフさんももちろん、みなさんと一緒に作り上げた素敵な作品だと思っています。この作品を通して、僕自身もいろいろなことに気づかせてもらいました。1人でも多くの方に届いて、そしてもっとろう者の方への理解が深まる、そんな世の中になればなと思いますので、みなさんどうぞ、お力を貸してください。

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W主演のお二人だけでなく、助演のみなさんも手話で自己紹介されていました。
手話も点字も日本語です。自分が使わなくても知らないままじゃいけないな、と思っています。HANDSIGNのTATSUさんが、「ありがとうを英語でThank youと言うように、手話でありがとうを言えるのが当たり前になってほしい」とおっしゃっていました。
ほんとにそうですよね。(白)


★ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開中。
公式HP https://bokukimi.net/

『ハチとパルマの物語』大館市特別先行上映会にザギトワ選手が登壇!

ハチとパルマの物語

今も愛され続ける、もうひとつのハチの物語。
空港で飼い主を待ち続けた、ロシアの忠犬パルマの感動の実話が日露合作で映画化。

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@Shutterz/ CB

5月28日(金)からの全国公開を前に、大館市で開催された特別先行上映会に本人役で出演したザギトワ選手が登壇!

70年代のモスクワの空港で2年もの間、飼い主を待ち続けた“忠犬パルマ”の実話を描いた日露共同製作映画『ハチとパルマの物語』大館市特別先行上映会が、5月23日(日)10時より、大館市民ほくしか鹿鳴ホールにて開催された。

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@Shutterz/ CB

それに先立ち、上映前に本人役で映画初出演を果たしたアリーナ・ザギトワ(19)、やはり本人役で出演した福原淳嗣大館市長(53)、アナスタシア・ラザレフ役のアナスタシア(8/子役)が登壇し、舞台挨拶を行った。

司会は、ABS秋田放送の井関裕貴アナウンサーが担当。ザギトワ選手がまず「みなさんこんにちは私はアリーナ・ザギトワです。元気ですか?」と流暢な日本語で挨拶を披露すると、大きな拍手が客席から起こった。その後ロシア語で「大館に招待して頂き、誠に有難うございます。オリンピックが終わってから、私の人生は大きく変わりました。いろんな国を訪れて様々な人と会うことになりました。今はコロナウィルスによる様々な制限がありますが、日本に来てからはちゃんとルールを守って移動し、大館には10時間車に乗ってやってきました」という思いの深さに大きな拍手が。「この映画を観て、自分にとって何が大切なことなのか、それを見つけることができるのではと思います。愛と友情によって、私たちは様々な事が実現可能になります」と想いを語り、さらに秋田犬の故郷である大館市民に「マサルは元気です。皆さんに宜しくと言ってました」と語った。

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@Shutterz/ CB

福原大館市長が「ようこそ大館へ、ザギトワ選手、大歓迎します」と歓待の意を伝え「秋田犬の故郷大館には忠犬ハチ公という素晴らしい物語がありますが、今日、もう一つ素晴らしい物語を共有することが出来ます。それがこの『ハチとパルマの物語』です」と語った。
続いてザギトワ選手が映画初出演の感想を「この映画の中に、社会、または人間の在り方に関わる話がたくさんあります。私の心に触れた場面もとても多かった。また今日ご覧になる方々は感動して泣いてしまう方も多いと思います」とコメント。愛犬マサルとのエピソードを「仕事の関係で出張も多いので、様々なところへ行ったり、ずっと不在の時もあります。そんな時よく家族から写真が届きますが、マサルは窓を覗いて私の帰りを待っているようです。それを見ると非常に私も淋しいな、早く会いたいなという気持ちにいつもなりますね」と語った。
ザギトワ選手は今回、日本とロシアの文化交流の一環として、映画が公開されるこのタイミングに来日。さらに日露友好の架け橋となる特別フィギュアスケートプログラムを撮影し、後日配信という形で日本中に披露する。その件に関して「日本でフィギュアスケートをお見せします。そのプログラムに招待されたことを大変光栄に思っています。みなさん、できるだけ頑張りますので楽しみにして下さい」と演技に対する想いを述べた。

質疑応答の後、劇中でロシアと秋田犬を繋ぐキャラクターを演じた、子役のアナスタシアが“もふもふリュック”を背負って登壇。日本語で自己紹介した後に、「みなさんこんにちは、私はアナスタシア・ラザレフ役のアナスタシアです。(ザギトワ選手に)会えて嬉しいです。この映画に私も出てましたが、気に入ってもらえましたか? また日本に来てね」とロシア語でザギトワ選手にメッセージを伝えた。
メディアと観客への写真撮影終了後、福原大館市長が「秋田犬の里はこの映画から新しい時代を迎えます。人と犬の絆をこれからも大切にしていきます。みなさん一緒に楽しみましょう」とコメント。アナスタシアは日本語とロシア語で「みなさんぜひ映画を楽しんでください」とご挨拶。ザギトワ選手が「本当に素晴らしい映画です。楽しんでください」と締めの挨拶をして、舞台挨拶が終了した。
会場は、感染防止のため客席の間を1席ずつ空けて約500人の観客が着席。客席からは、拍手の他、ロシア語の言葉を書いたボードで、ザギトワへのメッセージを伝えるなど、工夫された穏やかな上映会となった。

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@Shutterz/ CB

舞台挨拶後には映画のロケ地でもある、秋田犬の里を訪れ、マサルの兄弟・勝大(しょうだい)と初対面した。新型コロナウイルス感染症対策徹底のため、直接触れ合うことはできず、ガラス越しの対面となったが、「本当にかわいい~」と満面の笑みを見せていた。

『ハチとパルマの物語』 
★5月28日(金)より全国にて公開

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©2021パルマと秋田犬製作委員会

<ストーリー> 
旧ソ連時代の1970年代。検査の手違いから仕方なくモスクワの空港に置き去りにされた犬、パルマ。 いつの日か飼い主が迎えに来ることを信じて、 今日もパルマは滑走路の傍らでじっと待ち続ける。そして1人の少年と出会う…。2年もの間、実際にモスクワのヴヌーコヴォ国際空港で待ち続け、 いまもロシアで多くの人に語り継がれる感動の実話“パルマの物語”、待望の映画化。

シネジャの作品紹介はこちら

出演:渡辺裕之 藤田朋子 アナスタシア 壇蜜 高松潤 山本修夢 早咲
阿部純子(友情出演) 堂珍嘉邦(友情出演) アリーナ・ザギトワ(友情出演)
アレクサンドル・ドモガロフ レオニド・バーソフ ヴィクトル・ドブロヌラヴォフ
監督:アレクサンドル・ドモガロフJr. 脚本:アレクサンドル・ドモガロフJr./村上かのん 
プロデューサー:益田祐美子
公式サイト https://akita-movie.com/
YouTube https://youtu.be/NA5s2u8ovk8
©2021パルマと秋田犬製作委員会
配給:東京テアトル/平成プロジェクト



『ミセス・ノイズィ』公開から15週目突入  ロングラン記念舞台挨拶!!

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左から天野千尋監督、新津ちせ、篠原ゆき子、長尾卓磨、宮崎太一


2021年3月6日(土)ロングラン記念舞台挨拶
渋谷・ユーロスペースにて
登壇者 篠原ゆき子、長尾卓磨、新津ちせ、宮崎太一、天野千尋監督
MC   伊藤さとり

・シネマジャーナルHP 作品紹介『ミセス・ノイズィ』
・本誌103号でも紹介
・『ミセス・ノイズィ』公式HP
・シネマジャーナルHP 特別記事
 『ミセス・ノイズィ』天野千尋監督インタビュー記事はこちら

第32回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門にて上映、その後も海外でのさまざまな映画祭でも上映され話題となった天野千尋監督オリジナル脚本の映画『ミセス・ノイズィ』(出演:篠原ゆき子、大高洋子、新津ちせ ほか)が、2020年12月4日(金)より全国公開中。スランプに陥った小説家・吉岡真紀(篠原ゆき子)と、騒音を巻き起こす隣人若田美和子(大高洋子)とのご近所トラブルが、世間を巻き込んだ大騒動となるさまを描く。
ささいなすれ違いから生まれた隣人同士の対立が、マスコミやネット社会を巻き込んで、2人の女の運命を狂わせる大事件へ発展していく。「SNS炎上」や「メディアリンチ」「規格に合わないものに対する皮肉」など、現代の社会事情を反映した作品。後半は思わぬ方向に展開し、あらゆる「争い」が、ちょっとした食い違いから大きな争いに発展するさまを描いた。観客の口コミなどで広がり、ロングランヒットを記録。6日から公開劇場がユーロスペースに移し上映され、ロングランを記念して舞台挨拶があった。今後は地方の映画館などの上映のほか、東京では下高井戸シネマで4月24日から上映がある。

天野千尋監督は「映画を始めた時からユーロスペースで上映できたらいいなと考えていたので、この劇場で上映されることになりとてもうれしいです。昨年、冬の初めに公開が始まったのですが、3か月も上映され、春まで上映していただけるとは。はじめは想像もしていませんでした。口コミで広がっていったからですね。伊集院光さんや放送作家の鈴木おさむさんなどがラジオで話してくれたりもしましたし、松尾貴史さんもテレビで紹介してくださいました。観客の皆さんからは、「職場の先輩に勧められた」とか、「友だちに勧められた」とか、一番いい形で広まっているなと思いました。本当に感謝しています」と緊張しつつも感激の言葉を述べた。

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主人公の新進小説家吉岡真紀を演じた篠原ゆき子さんは、本作への出演を「なんだかドキュメンタリーのようでした」と語り、「閉店セールのようにそろそろ終わると言いながら、3カ月も続き、口コミで広げてくれた皆さんに感謝します。真紀は私に似ていると言われたり、映画の口コミサイトなどで真紀はムカつく女だと書かれていたり、当て書きだと言われたりして、落ち込んだりもしました」と苦笑い。でも「映画楽しんでいただけましたか?」と問いかけると満席に近い会場から拍手と歓声が飛んだ。

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お隣さんとのトラブルに妻に寄りそうでもなく迷惑顔で、どこか他人事な真紀の夫吉岡裕一を演じた長尾卓磨さんは「悪役でもないけど、無関心を装い、距離を置いた役でした。僕自身はそうではない人間のつもりですが、それで叩かれるのはわかります」とぼやき観客を笑わせた。

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真紀の娘、菜子を演じた新津ちせちゃんは「私は役でいろいろなことにチャレンジすることが好きです。本当の私は臆病で、誰かに怒られるようなことはしない性格ですが、この映画で私が演じたなっちゃんは自分のやりたいようにおもちゃをガッシャーンとひっくり返したり、白い壁に落書きしたりする役。この役を通して大胆な性格になれたかなと思います」と笑顔で語り、今年の抱負を尋ねられると「これからもまわりの方に感謝しながらいろんな役にチャレンジしていきたい」と、10歳とは思えないようなしっかりした答えが返ってきた。

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隣の家の若田美和子の夫、若田茂夫を演じた宮崎太一さんはハサミ虫について問われ「あれはCGではありません。スタッフがヤフオクで買った本物です。ハサミ虫が体を這うシーンは覚悟を決めて臨みました。ハサミ虫は大量にはいないので、何度もシーンを撮ったりしました」と答えていた。それは大変だったかも。

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面白かった話題はコロナ禍の話題で、「コロナでトイレットペーパーが買えなかった時、近所のおばあさんがトイレットロールがなくて困っていたので、3ロール差し上げたら、お返しにメロンをいただきびっくりしました」と篠原ゆき子さんが語っていた。

天野監督も「コロナがきっかけで近所の方との距離が近くなりました」と話し、映画のことも話すことができ、そのへんからも口コミが広がりましたと答えていた。次回作について「私は社会のちょっと悪いことをしてしまうグレーな人に興味があります。普通の女たちが悪巧みをするんだけど、それには正義があり、それぞれの生き様がありというような作品を撮りたい」と語っていた。
取材・写真 宮崎暁美


取材を終えて
この作品、試写、東京国際映画祭でも見逃していたのですがなんとか観ることができました。3か月も続いていたとはびっくりです。最初は嫌な女同士の争いかと思わせて、最後はそれぞれの思いがうまくかみ合う大団円で終わりホッとしました。でも、私としては新人小説家の吉岡真紀にしろ、となりの家の若田美和子にしても、家事をほとんどこなし、夫の面倒をみすぎという感じがして、そんなもの自分でやらせないの?と思ってしまうシーンがいくつもありました。真紀の家では妻が食器を片付け洗ったりしているのに夫はただのうのうとしていたりするシーンも何回かあったし、隣の若田家は、いくら夫がうつ病気味とはいえ、夫のハサミ虫布団を夫が自分で干すのではなく、いつも妻がやっている。ま、争いを起こす原因を作るための手段だったのかもしれないけど、観ていてちょっとイライラしてしまった。せっかく女性監督の作品なんだから、日本社会の妻の家族への献身しすぎ、家庭貢献事情にちょっと皮肉でも入れてくれたらなんて思ってしまった。そして篠原ゆき子さん大活躍ですね。今、TV番組「相棒」で刑事役で頑張っている!
それにしても、この天野監督の『ミセス・ノイズィ』のロングランといい、大九明子監督の『私をくいとめて』の東京国際映画祭の観客賞受賞といい、最近の二人の活躍が嬉しい。私は観ていないのだけど、新進女性監督3人による『放課後ロスト』(2014)というオムニバス作品に天野監督と大九監督は参加している。あいち国際女性映画祭2014ではもう一人の名倉愛監督と3人によるトークがあった。この時はまさか、二人がこんなに活躍するまでになるとは思わなかったので余計感慨深い。

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あいち国際女性映画祭2014にて

『レディ・トゥ・レディ』公開記念舞台挨拶

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12月13日(日)ヒューマントラストシネマ渋谷
W主演を務めた大塚千弘さん、内田慈さん、これが商業映画監督デビューとなる藤澤浩和監督が登壇しました。
公式レポが届きましたのでご紹介いたします。
作品紹介はこちら
大塚千弘さん、内田慈さんインタビューはこちら
(C)2020 イングス
http://lady-to-lady.net/


◆誕生日が同じ二人が全集中
大塚 こんなにも体力と筋肉が必要なのかと驚きました。約2ヶ月の練習では朝から2時間くらい“全集中”で踊っていたので、ダンスの稽古だけで4キロ以上体重が落ちました。ダンス後はお腹がペコペコでした。
内田 大会シーンはプロのダンサーの方々が大勢いる中で、色々なダンスが同時進行します。何テイクも撮影できないので、ダンスシーンは“全集中”で臨みました。まさに“阿吽の呼吸、ダンスの形”でした。

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大塚 大勢のダンサーの方が参加してくれて、私たちも煌びやかに着飾らせてもらいました。撮影ではダンス練習期間の想いが溢れてきて、一回目のワルツで感情が溢れ出て涙が…。二人で目を合わせながら“泣ける~!”となって、藤澤監督から『泣くのは早いです!』とNGになりました(笑)。

◆役作り
大塚 自分の専業主婦の母を見て、そこから盗めるものは盗みました。例えばサンバイザーを付けたり、ウォーマーを付けたり。そういったものを衣装合わせの際に御提案しました。

内田 かつて店頭販売のバイトをしていたので、アルバイトシーンは当時を思い出しました。またオーディションのシーンでは客観的に見て下手に思われるように、緊張してちょっと声が上ずっているような演技を意識しました。
大塚 オーディションのシーンは見ていて爆笑しました(笑)。

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◆商業映画監督デビューで競技ダンス
藤澤監督 「テーマは役割からの解放」です。その中で競技ダンスのリード&フォローの概念を知りました。そしてお互いがお互いを支えるのがダンスだと理解。女性同士でお互いを支えるという設定に辿りつきました。

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◆みなさまへ
内田 映画の認知はまだまだこれからですが、沢山の方々に観てほしいです。価値観が大きく変わる世の中で、なかなか今までのようにはいかず、どうやったら希望を持てるのかわからない時代かもしれません。真子と一華は前例のないことに突破して、やりたいからやる!と言い切ります。そこに希望がある。夢を語るのはタダ!この映画がみなさんのエネルギーになれば。

大塚 コロナ禍という暗いニュースが多い中で、今こそ『レディ・トゥ・レディ』は公開するべきだと思いました。元気をもらったり、明るくなれたり、観てくれた方がちょっとでも挑戦をしようと思ってくれたら幸せです。明るくスッキリしたスポコン映画。このエンタメで気分転換してもらえたら嬉しいです。

『本気のしるし 劇場版』初日舞台挨拶 

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作品紹介はこちら
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/477615990.html
2020年製作/232分/G/日本
配給:ラビットハウス
(C)星里もちる・小学館/メ~テレ
公式HP  https://www.nagoyatv.com/honki/
★2020年10月9日(金)より全国順次公開

10月9日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷
3時間52分の本編上映後森崎ウィンさん、土村芳さん、深田晃司監督が拍手に迎えられて登壇しました。客席との間に飛沫防止シートがあるので、ゲストはマスクをせずにご挨拶。(MC:小沢まゆ)


森崎 辻一路役を演じさせていただきました森崎ウィンです。本日は足元の悪い中お越しくださってまことにありがとうございます。みなさまのお陰でカンヌ映画祭のオフィシャルセレクション2020に選ばれたこの作品、ご覧になっていかがだったでしょうか?(拍手)よろしくお願いします。(拍手)
土村 葉山浮世役を演じさせていただきました土村芳(つちむらかほ)です。ドラマとして始まったこの作品が映画としてまた新しい姿で、こうしてみなさんにお届けすることができて、すごく嬉しく思います。本日はよろしくお願いします。(拍手)
監督 本日は4時間、長い時間をご覧いただきましてありがとうございます。そろそろお尻も疲れてきているんじゃないかと思いますが、もうちょっとお付き合いください。この作品は20年前に初めて漫画を読んで、映像化したいと願ってからほんとに20年かけて。願いは叶うものなんだなと実感しています。今日はみなさんに観ていただけてとても嬉しいです。ありがとうございました。
(ここで着席)

―それでは森崎ウィンさん、本作は「共感度0,1%」というキャッチコピーがついていますように、演じられた辻くんも善人なのか悪人なのかわからない。女性に対しても二股、三股という八方美人のような役どころでした。どのようにこの辻役を掴んでいかれたのでしょうか?
森崎 これはすごく個人的に思うことでもあるんですけれども、僕もウィンとして生きていく中で、ウィンがどういう人間なのかというのを自分で紐解いても100%紐解けない瞬間がやっぱりあるんですね。なので辻くんに関しても100%理解しているかと言われたら、そうとも限らず。現場で辻くんが二股も三股もかけている女優さんたちとキャッチコピー、じゃなくてキャッチボール、会話や芝居のキャッチボールを楽しみながら純粋に演じさせていただきました。一つだけ勘違いしてほしくないのは、僕は二股三股しません(ざわざわ笑)。えー、あんまりウケなかったですね(笑)。すみません。ごめんなさい。

―映画の中でやはり受け身だった浮世という存在によって、自ら人生を選び取るようになっていくのも見どころでしたよね。
森崎 おっしゃるとおりです。実際の人生のたくさんの出会いの中、恋愛に限らず仕事の中―それこそ今回土村さん、そして深田監督に出会って、また役者として一つも二つも変わった自分もいます。そういう意味では人と出会うことによって、人は変化していくんだなというのをこの作品を通じて僕自身もすごく勉強させてもらったと思っております。
今日は口が回ります(爆)。

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―土村さんが演じる浮世という役は、見る人のイライラをどんどん加速させていくような、そんな役だったと思います。ただ、浮世自身はいたって悪気がないというか天然というか、かなり難しい役どころだったんじゃないかなと思いますが、浮世と言う女性をどのように捉えて演じられたのでしょうか?
土村 おそらく大多数の方が「なんだ、この女性は?」と思ったと思うんですけど…。確かにめちゃくちゃな行動が目立つ女性ではあるんですけど、私はすごく興味を持って浮世という女性を追ってしまいました。なせそうなってしまうのか、と考えたときにその一見めちゃくちゃな行動っていうのは、浮世さんの表面的な部分であって、その行動の裏にひたむきさやピュアな部分があるから憎み切れない、っていうんですかね。私もその裏に見え隠れしている部分を意識して大事にして演じさせていただきました。はい。

―土村さん自身は浮世に似ているなぁと思うところがありますか?
土村 いえ、全くありません。(会場 笑)。えっ?
森崎 これ、たぶんあの作品に出ていた役者みんな否定しますよ。(本人は否定しても、それを否定するという意味。つまり似ているとみんな思っている)
土村 えっ!そんな。(笑)
監督 石橋けいさんも、アパートで撮影している土村さんを見ながら「ほんとにいいキャスティングだよね」って(笑)。だからって浮世みたいってわけではないんだけど、キャスティングの評判は良かったですね。
土村 喜んでいいのかちょっととまどってしまうんですけど。(笑)

―土村さんがおっしゃった浮世の内側にあるひたむきさとかピュアさとかは、土村さんご自身が持っているものが現れたんじゃないかな、と。
土村 あ、そうかもしれません。
監督 そこですね。みんなが注目したのは。
森崎 感謝ですね。(MCさんに)
土村 そうですね。(笑)

―深田監督は20年前にこの原作と出会ってどうしても映像化したい、と思い続けて夢が叶ったとおっしゃっていましたが、どんな部分に惹かれて映像化を熱望されたのでしょうか?
監督 まずストーリーの運びがめちゃめちゃうまくて、これはすごいなと思ったんです。元々星里先生の漫画はその前から読んでいて好きだったんです。「夢かもしんない」「結婚しようよ」とか。それはちょっと遊びで森崎さんの台詞に引っ張ってきて言わせて(星里)ファンにはわかってもらえるような感じで入れました。
それまでラブコメが得意だった星里先生が一切コメディの部分を封印して、ヒリヒリするような恋愛だけを描くというのはものすごく異様で、迫力があると思ったんです。「本気のしるし」ってほんとに星里先生は本気だなというところにすごく惹かれて。今#Me Tooの時代を経て振り返ってみると、青年誌の中での浮世という女性の描き方が現代的だったなと。いわば男性社会の中で「擬態」のように、自分を守る術のように男性を引きつける言葉を言ってしまったり、思わせてしまったりとか、そうすることでしか身を守れない女性。そこが面白かったですね。

―ご覧になった方の感想や反響を受けて今どんな風に感じていらっしゃいますか?
監督 想定通りというか、想定以上にイライラする方がすごく多かったみたいです。ドラマ放送当時にも「本気のしるし」と検索すると、勝手に関連ワードに「イライラ」が出てくる(笑)。自分自身、浮世にそんなにイライラしないと思っていたんですが、想像以上に反響があったんです。
それでもみんな見続けてくれて、その印象が後半になるにつれ、どんどん反転していくのが面白くて、後半になればなるほど、「浮世よりむしろ辻の方がヤバい」という感想も出てきたりして、そこを視聴者の人と一緒に見続けられるというのが面白かったです。今またみんな一気見してどうだったのか、感想を聞きたいなと思っています。

―森崎さん土村さん、深田監督の演出で心に残っているようなことはありますか?
森崎 レストランのシーン、浮世がご飯食べていなくて「私辻さんに…」あれ?「心許してる?」(監督と土村さんからフォローが入る)「油断してるのかな」というところを演出していて、「これ、浮世がどういう形で言うのがいいのか、目を見て言うのか、外して言うのか。目の前に座っている辻くんとしてどう思う?」と聞いてきたときに…(監督に)目は外しているんですよね?
監督 使ったのは…「辻の肩あたりを見て」という指示でやってもらったのを本番では使っています。
森崎 それ聞かれたのが初めてだったので、すごく印象に残っています。

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―印象的なシーンですものね。
森崎 はい。たしかオーディションのときもあのシーンをやったんです。
監督 そうですね。あのシーンをやりました。辻(森崎)さんにも土村さんにも、別々でしたけどやってもらいました。とても核になるシーンだと思います。映画の。

―土村さんいかがですか?
土村 一度現場中に迷いがあって監督に「この台詞はどういう気持ちで言ったらいいでしょうか」と相談したときに、その話の流れだったか「そもそも役というのを100%理解して演じるのは必ずしも正しいとは限らない」とお話ししていただいたことがありまして。そのお話しを聞けたおかげで私も浮世さんに対して、何かこう言葉でうまく言えないんですけど、感覚的な余白というかそういうものが存在していた方が、きっと浮世さんの魅力も現れてくるんじゃないかと思えた瞬間でした。演じさせていただく上でとてもためになりました。

―とても素敵なお話です。「本気のしるし」というタイトルにかけまして「思わず自分が本気になってしまうこと」を教えていただきたいですが、いかがですか?
森崎 本気になってしまったこと…僕は常にゼロか100かの人でして、やるならとことんやる、やらないならやらないっていう風で。辻くんとは真逆で「優柔不断」という言葉は自分には合わないな、と思うんですけど。なんですかね、本気になってしまったこと。今日一日本気を出したら…ツイッターにも書かれたんですけど、「ウィンが本気を出したら雨が降る」(爆笑)
監督 雨が降るし、台風も来るって書いてありましたね。(笑)
だからファンの方が「雨や台風で喜んでいる」っていう風な(笑)不思議なツイートが(笑)
森崎 マネージャーが僕に見せてくれたのが検索トレンドに「台風、台風、森崎ウィン」ってあった(笑)。「台風も来て、ウィンも来てるね!」ってつまらないギャグと共に(笑)。あのー、以上森崎ウィンでした。(笑)
―今日は森崎ウィンさんの本気が台風に現れているということですね。
森崎 すいません。(笑)

―土村さん思わず本気になってしまうことは?
土村 つい先日の話なんですけど、食器棚が新しく届きまして、それを一晩かけて夢中で組み立てたこと。扉を取り付けるのに観音開きの高さを合わせるのがけっこう難しいんですよね。(客席へ)やったことない?いらっしゃいませんかね。あの微調整するのがすごく難しくて、でも寸分の狂いなく揃えたくてなってしまう。 
森崎 それって元々あるところのネジ回すだけ、とかじゃなくて?
土村 ネジを調節して高さだったりを…
森崎 日曜大工にハマってる?
土村 すごくハマってる。あの“カムロック”(金具)がすごく難しい。
森崎 カムロック、ちょっとわからない。

―共感度が(笑)
監督 お客さんの上にハテナマークが、「カムロックって何?」(笑)
―0,1%に持ってくるところがさすがだなと(笑)
土村 すみません、それが本気になってしまうことだったんです。失礼しました。(笑)

―可愛いです。ありがとうございます。深田監督はいかがですか?
監督 仕事に関しては「本気だ」みたいなことは一応言っとくんですが(笑)思わず本気になるっていうと…映画が撮り終わって宣伝に入るじゃないですか、監督は別に宣伝部ではないから、宣伝は宣伝部に餅は餅屋に任せておけばいいんですけど、宣材を勝手に作るっていうのは趣味でやっていて…フォトショップっていうソフトで画像をいじったりすると、お絵描きしているような感じでけっこう楽しいんです。あれがハマり始めると徹夜で作ったりして。たいていハマっているのは脚本とかが煮詰まっているときで、まあ逃避なんですけど。宣材物作りは本気になっちゃいますね。
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―この『本気のしるし 劇場版』のポスターも監督がお作りになった?
監督 あっ、はいはいはい。ドラマ版のときに何か盛り上げられないかな、何かやりたいって思って…ドラマは毎週毎週感想が届くっていうのが新鮮だったんです…その感想をばーっと並べてやろうとTwitterからいろいろ拾ってきて。輪郭に合わせて切ったりするのは意外と地道な作業で、そういうのチマチマやるのが楽しいんです。そのときには単に趣味で、日曜大工的に作ったんですけど、劇場版を作るとなってちゃんとデザイナーの方が整えて作ってくれています。だいたいあんな感じのものを作りました。

―皆様のTwitterにあげた感想ももしかしたら入っているかもしれないので、ぜひじっくりと読んでみるといいかなと思います。

ここでマスコミのフォトセッション、続いて観客も短い時間ですが、撮影可となりました。

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―では登壇の皆様を代表して、深田監督からひとことご挨拶をいただきたいと思います。
監督 今のこのパネルも星里先生が俳優をイメージして描いてくれたもので、この作品はほんとに星里先生あってのものだと思っています。先生もドラマから今回の劇場公開も楽しみにしていろんな絵をあげてくださっているので、よければ先生のTwitterを見てみてください。
今回劇場版にしたいと思った理由の一つは、ドラマは東海三県と一部の地域しか放送されていなかったので、見たいけど見られないという人がとても多かった。今回映画という形で全国の映画館に回していきたいです。今映画館は大変な状況で、コロナでお客さんも減っていたりしています。そんな中ですがぜひ多くの方に来てほしい、この映画は予告編がテレビに流れるようなタイプの作品ではないので、ほんとに口コミがすごく大事なんです。今日観て面白いなとか、琴線に触れる部分があれば、そのことを友達や家族や同僚やSNSなどで拡散していただければ嬉しいです。本日はどうも有難うございました。

(取材・写真 白石映子)
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