映画『ミッドウェイ』公開記念初日トークイベント

映画『ミッドウェイ』公開初日トークイベントが11日、都内・スペースFS汐留にて無観客で行われた。
登壇したのは、大日本帝国軍側の連合艦隊司令長官・山本五十六を演じた豊川悦司、 第一航空艦隊司令官・南雲忠一を演じた國村隼。第二航空戦隊司令官・山口多門を演じた浅野忠信は自宅からリモート出演して、3人はハリウッドでの撮影時を振り返りトークを繰り広げた。
さらにパトリック・ウィルソン、ローランド・エメリッヒ監督からのビデオメッセージも紹介された。
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なお、本作は第二次世界大戦の中でも歴史を左右するターニングポイントとなった激戦として知られるミッドウェイ海戦を描いた作品。『インデペンデンス・デイ』『パトリオット』などで知られるローランド・エメリッヒ監督が約20年かけて徹底的にリサーチした上で、新たに発見された日本軍側の資料をもとに製作した。キャストとしてウディ・ハレルソン、パトリック・ウィルソン、デニス・クエイド、アーロン・エッカート、豊川、國村、浅野忠信など日米の実力派俳優が集結し、山本五十六やチェスター・ニミッツをはじめとした実在の人物を演じている。

<映画『ミッドウェイ』公開記念初日トークイベント概要>
日時: 9月11日(金) 19:00~ 
会場: スペースFS汐留(東京都港区東新橋1-1-16 汐留FSビル3F)
登壇者:豊川悦司、國村隼
リモート参加者:浅野忠信
コメント動画参加:パトリック・ウィルソン、ローランド・エメリッヒ監督
MC:伊藤さとり


まず実在の人物を演じることについて、山本五十六役を演じた豊川悦司は「ほとんどの日本人が知っているビッグネームでありますし、歴史上の素晴らしい人物。お話をいただいたときにはびっくりしました。自分の中では類似点をまったく見いだせなかったので、なぜぼくにという気持ちでした」と語った。役作りについては、「偉大な大先輩たちが何人も演じていらっしゃるので、その映画を片っ端から見て、先輩方がどういう風に山本五十六というキャラクターと対峙していったのかを見られたのはラッキーだったと思います」と振り返る。

山口多聞を演じた浅野忠信は、「多聞さんのことを調べていくうちに多聞さんの魅力をいろいろ知ることができましたし、映画を見ていただくと分かるのですが、とても複雑な状況にいて、過酷な戦いを強いられる中でも最後まで冷静に生きた人なんだなと尊敬しています。インターネットを通じてリサーチできる時代になったので、インターネットを使っていろいろ調べ、多聞さんのお墓参りに行って、気持ちを高めました」と役作りの方法を明かした。

南雲忠一を演じた國村隼は、「山本五十六さんにしろ、山口多聞さんにしろ、演じられる立場として光栄だとお二人がおっしゃるのを羨ましいなと思って聞いていました。南雲さんってミッドウェイの海戦においていちばん“お前があかんやろ”と言われている人なので。南雲さんを演じる上でありがたいなということはなかったのですが、南雲さんもあのときになんであんなとんでもない判断ミスをすることになってしまったのか、そこは僕も興味をそそられ、彼がミッドウェイで実際に執った作戦行動、爆弾と魚雷の載せ替えとか、なぜあの時にあの判断を下したのかというところを糸口に僕の妄想を広げるという形でイメージしてやってみました」と語った。
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撮影現場でのエピソードについて、豊川は「海外をベースに仕事をされている日本人の俳優さんがたくさんいらっしゃることに驚きました。夢をもって、生活を懸けて厳しいフィールドで仕事をしている同業者を見たことにはすごく感銘を受けました」とし、「緊張感のあるシーンですが、浅野さんがいて國村さんがいて、言っちゃあいけないのでしょうけれど、やっていて正直、楽しかった。とても安心してできました。浅野さんとは共演するシーンが多かったので、早く國村さん来ないかなと言っていたのですが、いらっしゃった当日にホテルの目の前が有名な教会で、そこのライトアップをご覧に行かれて、その帰りにホテルでお会いして」と語ると國村が「そうそう、仕事で行っといて何しとるねんって感じでしたよね」と引き取った。

浅野は「カナダで撮影して、日本とは全然違う環境だったのですが、共演の方々を含めて新鮮な気持ちでしたし、監督がとても穏やかな方だったので、現場は和やかに進みました」とし、豊川悦司との共演について尋ねられると「昔から共演させていただいているので心強かったですし、先輩がきちんと先輩の役を演じてくださるのはありがたかったですね。僕も楽しかったです」と豊川を立てた。

國村は「3人が一緒だったのは1シーンだけでしたが、撮影現場にいるとハリウッド映画を撮っている気がせず、日本で別の映画を撮っているような気がしました」と懐かしんだ。
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日本との違いについて尋ねられると、豊川は「月並みですがスケール感、スタジオ1つ取っても大きいですし、働いているクルーの数も多い。僕らは1つ1つトレーラーが与えられて、それが控室になっている。日本ではそれだけのスペースがないので、そういうことはできません。全体を作ることはできませんが、空母であったり、戦艦であったり、ブリッジであったり、甲板の一部であったりは作ってありましたし、それだけでもボーリングができるんじゃないかと思うくらいスペースがありました。しかもローランド監督がその場で背景をはめ込んだ映像を見せてくれたので、その世界観にすんなり溶け込めたのはありがたかったです」。

浅野は「早い段階で、戦艦の甲板でみなさんとお話をする重要なシーンを演じたのですが、ローランド監督は力が入っていましたし、僕も力を入れていましたから、疑似的にその時間を経験できた感じがありました。緊張感も高まっていいシーンが撮れたと思います。船の中のシーンもいくつかありましたが、内部のディティールにもこだわっていらっしゃいました」。

國村は「いろいろな作品で特殊効果の機材を見てきましたが、今回、すごいなという機材に出会いました。主人公が急降下して爆弾を落とし、それが艦のすぐ脇に着弾するというシーンを撮ったのですが、直径が5~60㎝はあるバズーカ砲みたいな筒が3~4本立っていて、水柱を打ち上げたんです。高さでいえば10mくらいドーンと上がって、爆弾が着弾してできる水柱を再現する特殊効果の道具だったんです。監督もそのシーンの撮影はかなりテンションが上がっていて、『これ何テイクでできるかい、本来なら1テイクでいきたいんだけど』とおっしゃり、日本でもよくある“一発で撮らなきゃ”みたいな緊張感がありましたね。ハリウッド映画で珍しいことです。そして僕が甲板に行くと横からドーンと水柱が上がってその水柱を被るのですが、それが痛いこと、痛いこと。びっくりしました。あそこはCGじゃないんです」。
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ここで、いったん浅野が退室し、アメリカ海軍の分析官、エドウィン・レイトン少佐役を演じたパトリック・ウィルソンからのビデオメッセージがスクリーンに映し出された。

パトリックは日本語で「こんにちは」と挨拶をし、来日できなかったことを残念だと話した上で「この映画は日米両方の視点を大事にしている作品だ。アメリカと日本の海軍を丁寧に描き、これまでにない戦争映画が完成した。ぜひその点に着目してほしい。この映画で僕が最も心を動かされたシーンの1つが日本軍を描いたシーンだった。日本人俳優の活躍は本当に素晴らしかったと思う。悦司の英語は見事だが、僕の日本語は全然ダメだ。ぜひ大目に見てほしい。短い期間だけれど日本語の勉強は楽しかった。いろいろ教えてもらったよ」と語り、最後も日本語で「ありがとう」と締めた。
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続いて、ローランド監督からのビデオメッセージがスクリーンに投影された。モントリオールで新作を作っているローランド監督も「東京にはぜひ行きたかった」と来日できなかったことを残念がり、「この映画を撮る時、僕が重要視したのは日本軍を単なる“敵”ではなく“人間”として描くことだった。戦争映画で人々を描くときにただの敵という描写はよくない。彼らは任務を遂行する人々だ。ミッドウェイ海戦について学び、非常に感銘を受けたことがあるそれは日本人の気質だ。特に日本海軍の人々というのは実に高潔な人々の集まりだった。これは大事なことだから、本当は直接お話したかった。ビデオ参加は想定外だったよ」と語った。そして、配役について、「この作品では日本人俳優が不可欠だ。キャスティングはあちこち探し回った。そしてたくさんの日本映画を見ていたら、豊川悦司という俳優が目に留まった。彼の起用については驚いた人も多かった。彼は山本五十六を演じているが、素顔の彼に軍人の雰囲気はない。だが、さっき説明したとおり、僕は人物の描写にこだわりがあった。悦司にはとても知的な雰囲気があり、高貴さを感じさせる俳優だから、山本五十六役にぴったりだ。本当に素晴らしい仕事をしてくれたよ。浅野忠信という俳優はアメリカ映画で見て知っていた。彼の起用は早くから決めていた。國村隼という俳優に関しても同様で何の迷いもなく決めていた。彼も自分の役を完璧に演じてくれたね。だからこそ、僕が楽しみにしているのが日本の人たちの反応なんだ。とにかく、この作品はアメリカを初めとする世界の観客向けに漫然と撮った映画じゃない。アメリカと日本の観客が対象だ。目指したのは両軍に対する敬意を表することだ。ぜひ、この作品を楽しんでほしい。僕はこの作品をどうしても撮りたくて、長年、努力を重ねてきた。実は20年前から構想を練っていたんだ。やっと公開になって本当にうれしい。楽しんでください」と語った。
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このメッセージを受け、ハワイのプレミアに参加した豊川が監督、脚本家、プロデューサー、アメリカ側のキャストと話をしたときにみんなが日本の観客はこの映画をどういう風に見るかを気にしていたと語った。そして、ミッドウェイ海戦を題材にする以上、日本軍側をどうセンシティブに描くのかということは彼らのとても大きなチャレンジだったとし、「できあがった映画を見ても、彼らのチャレンジは成功したんじゃないかなと思います」と話した。
そして「この3人の中でいちばん英語ができないんで、監督の演出も『今、何て言っていたんだろう?』と聞いたりしていたんで、このお二人には本当に助けていただきました」と恥ずかしそうに語った。
また國村は「余談なんですが…」と断りながら、監督と自分が1955年11月生まれで同じ歳であることを明かし、当時はまだ戦争の影が色濃く残っている時代だったこと、監督がドイツ、自分が日本で日独伊三国同盟の負け組3国の2国の人間がミッドウェイ海戦をの映画を一緒に作ったことに不思議な縁を感じているといい、「撮影しているときに分かっていたらもっと話ができたのに」と残念がった。

人生のターニングポイントを聞かれ、豊川は大学で新歓の時期に演劇部に誘ってもらったことが役者を始めるきっかけになったといい、「演劇部に入らない?とキレイなお姉さんに誘われて、ふらふら部室について行き、そのお姉さん目当てに部室に通っているうちに芝居が好きになった」と話した。
浅野も中学生のときに役者を始めたことを挙げ、舞台出身の國村は映画というメディアに出会ったこととし、「映画はそもそもグローバル。どこの国で誰が作ろうが、できあがった作品はそのまま世界中の人が見るし、見られる。こういうメディアは他にない。このメディアで何ができるのかという興味がすごく強くなった」と語った。

そして、戦後75年の節目に、本作をどのように観てほしいかという質問に対して、國村は「僕ら世代が最後かもしれない。両親は戦争の渦中にいましたから、その話を聞いたり、両親を通して何となく感じたり。でもだんだん世代交代が続いて、戦争の記憶は史実の中のことになっている気がします。このミッドウェイ海戦を通して、かつて日本が起こした戦争という過ちをちゃんと記憶として風化させないように、この作品を見てくださった人に戦争のことを知ってもらえたらなと思います」と語った。
浅野は自分がクウォーターであることを明かし、「戦争はいけないことですが、それがあったから祖父母が出会い、自分が生まれた。その自分がこういう映画に出演する。不思議なことだなと思います。世界中の人が力を合わせて、映画を作れるということに感謝したい。どうか作品を堪能してください」と繋げた。
最後に、豊川は「楽しさも悲しさも、痛さや辛さ、笑うこと、泣くこと、いろんな感情を映画から学びました。考えてみたら役者をやる前、子どもの頃からいろんな映画やドラマの中でいろんなことを学んできました。楽しみながら学べるのは映画の本当に素晴らしいところ。この『ミッドウェイ』を観て、何かを感じたり、楽しんでいただけると素晴らしいものになると思います」と語り、トークイベントは幕を閉じた。

『ミッドウェイ』
監督・製作:ローランド・エメリッヒ 
脚本:ウェス・トゥーク 
出演:エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ルーク・エヴァンス、アーロン・エッカート、豊川悦司、浅野忠信、國村隼、マンディ・ムーア、デニス・クエイド、ウディ・ハレルソン
2019年/アメリカ/カラー/138分
配給:キノフィルムズ/木下グループ
Midway ©2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.
公式サイト:https://midway-movie.jp/
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中

映画とゲームの融合!?「DEATH COME TRUE」

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左から森崎ウィン、栗山千明、本郷奏多、梶裕貴、山本千尋

2月6日(木)新宿バルト9にて実写ムービーゲーム「DEATH COME TRUE」プレス発表会が開催されました。 
まず制作側の梅田 慎介氏(イザナギゲームズCEO)、安藤隼人氏(ムービー・ディレクター)、小高 和剛氏(ディレクター/シナリオライター)。続いて映画のキャスト、本郷奏多、栗山千明、森崎ウィン、梶裕貴、山本千尋が登壇。ツイッターのお知らせをRTした中から抽選で招待されたファン70名の歓声があがりました。 
スクリーンで予告編を紹介、「インタラクティブコンテンツ」というジャンルだそうです。プラットホームも使用可能言語も多数。
映画のストーリー中、主人公が選択しなければならない場面がたびたび出てきます。その選択次第でゲームがどちらかに進み、何通りもの組み合わせが生まれます。映画を観ているような感覚で、ふだんゲームをやらない人に体験してもらいたい、と映画と同じ設定の格安価格です。これは買って試してみたいです。
6月の発売に向けて準備中のため、スタッフ・キャストたちもネタバレを避けなければならず、Q&Aに苦戦していました。(白)

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梅田 慎介氏、安藤隼人氏、小高 和剛氏

≪DEATH COME TRUE≫
舞台は、とあるホテル。
主人公、カラキマコト(本郷奏多)は連続殺人事件の犯人として指名手配されている。
しかし男には一切の記憶がない。
そんな状況の中、男には死ぬと『タイムリープ』して過去に戻る不思議な能力がある。
犯人として追われながら、男は誰を信じて、誰を疑う?
そして、自分自身の本当の正体とは?
選択と死を繰り返しながら、男は真実を目指す。

■CAST
本郷奏多:カラキ マコト役 
栗山千明:サチムラ アカネ役 
森崎ウィン:クジ ノゾム役 
梶裕貴:ホテルのフロント役 
山本千尋:クルシマ ネネ役 

■STAFF
ゲームディレクター・シナリオ:小高和剛
プロデューサー:梅田慎介
クリエイティブディレクター:鎌田俊輔
製作:イザナギゲームズ
リリース予定:2020年6月 予定価格1900円 
(C)IZANAGIGAMES, Inc. All rights reserved.
■『Death Come True』カウントダウンサイト:https://deathcometrue.com/
■『Death Come True』公式Twitter:https://twitter.com/DeathComeTrue 

『サイゴン・クチュール』グエン・ケイ監督来日イベント

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『サイゴン・クチュール』
1969年のサイゴン。代々続くアオザイ仕立屋の母と対立、60年代の洋服にこだわる娘・ニュイが21世紀にタイムスリップ。変わり果てた自分と寂れた店に驚愕。自分の《人生》を変えるべく奔走するファッション・ファンタジー。1人の女性の成長を鮮やかに描いた、女性が元気になれる【ビタミンムービー】。
★2019年12月21日(土)より全国順次ロードショー
作品紹介はこちら

2019年11月11日(月)笹塚ボウルにて、ベトナムから来日されたグエン監督を囲んでのイベントが開催されました。
グエン監督は深い黒地に色とりどりの花を散らしたアオザイで登場しました。ゲストにベトナムで活躍中の落合賢監督、歌手の野宮真貴さん、俳優のデビット伊東さんを迎えてのトークと、華やかなアオザイのファッションショーが行われました。
司会は映画ライターの新谷里映さん。通訳は秋葉亜子さん。

1960年代を舞台にした映画を製作した理由について、グエン監督「1960年代は素晴らしいことがたくさんあった希望に満ちた時代でした。そんな時代をとても愛しているからです」と回答。
元々の脚本は姉妹の設定だったのが、母と娘のストーリーに変更になったことなど製作中の裏話を明かしました。
アオザイをはじめとするファッションをデザインしたのは、プロデューサーも務めたトゥイ・グエン。デザイナーである彼女から、「フランスの植民地時代の象徴である花柄のタイルや、1960年代の象徴である水玉模様をアオザイのデザインに取り入れたいと提案されたんです。彼女のおかげで現代的でありながらもレトロな雰囲気を持つ、素晴らしい衣装となりました。嬉しいことにこの映画をきっかけにアオザイを普段から着る若い人たちが増えたんです」と笑顔で語りました。

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第1部の終盤には、ベトナムで映画を製作、『サイゴン・ボディガード』、『パパとムスメの7日間』などヒット作を送り出した落合賢監督が登壇しました。お二人はこれが初対面でしたが、グエン監督が落合監督の2作品を観ていること、お互いに共通の友人がいることがわかりお話がはずみました。
落合監督はベトナムの印象を「エネルギーに満ち溢れている国。どの人もフレンドリーで仕事がしやすい」と語り、『サイゴン・クチュール』については「特に美術と衣裳について色使いが印象的でした。どのようにアプローチされましたか?」と質問。学生時代美術を専攻していたというグエン監督は「1960年代はポップな色使いをする時代でした。また、ベトナムのような熱帯の場所はトロピカルカラーが映えるんです」。
アオザイを何着お持ちですか?の問いに、「3着です。イベントや結婚式に着ます。昔はアオザイを男性も着ていてとても素敵でした。この映画の2ではアオザイと背広の葛藤部分を。3では京都を舞台に描く予定です」と続編の話題にもちょっと触れました。60年代のアオザイや最先端のファッションまで、映画のために用意されたたくさんの衣装は231着にも上ったそうです。

トークショー第2部には、90年代の渋谷系と呼ばれていた“ピチカート・ファイヴ”のボーカル、今はソロのミュージシャンの野宮真貴さん、ベトナムで俳優も経験、今年ホーチミンにラーメン店を出店したデビット伊東さんが登場しました。
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作品についての感想を野宮さん「とてもカラフル、キュートでポップ!まさにピチカート・ファイヴで着ていたような60年代のお洋服、ベトナムの民族衣裳のアオザイもたっぷり見られますし、久しぶりにワクワクするような楽しい映画でした」。ベトナムを訪ねたおり、オーダーメイドでアオザイを含めて10着くらい作られたそうです。「見本を持って行くと滞在中にできるんです。ベトナムは人が優しいですし、食事が美味しいですし、買い物も楽しいですし…」とベトナムの魅力も。
デビット伊東さん「とにかくカワイイ映画。映画の中で主人公の母親が「基本を大事に」と言うんです。僕はあの言葉が大好きで。どんな業界でも基本を大事にすることで新しいことに進めます。監督、あれはどこから来たんでしょう?」と監督に質問。

グエン監督「私の祖母や母がよくそう言っていましたので、私もそれを映画で使いました。アオザイは、だんだん着られなくなっていましたが、嬉しいことにこの映画で”アオザイってカワイイじゃない"と思ってもらえました」。
デビットさんのお店に友人を引き連れて伺います、と約束した監督、野宮さんに「第3作目は京都を舞台にする予定なので、野宮さんには一番良いアオザイを10回くらい着替える役で出て欲しい。すごく似合うと思います」と今からオファー。野宮さんも「ステージで10回着替えたことがあります。着替えは得意です」と、嬉しそうです。

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イベント終盤には、本作のコスチュームデザインを担当したテュイ・グエンによるブランドTHUY DESIGN HOUSEの革新的なファッションをお披露目するスペシャルファッションショーも開催。華やかなアオザイ姿のモデルさんが次々とランウェイならぬボウリング場のフロアを歩きます。作品のテーマ曲をバックにベトナム人ダンスグループ9Flowersが、元気いっぱいのダンスで会場を盛り上げました。
(資料提供:ムービー・アクト・プロジェクト 取材・写真:白石映子)

グエン監督インタビューはこちらです。

『カーマイン・ストリート・ギター』公開記念 高田漣、カーマイン・ストリート・ギターから直輸入のギターを弾く

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高田漣

ニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジにある、手作りのギターショップを描いた映画『カーマイン・ストリート・ギター』が、8月10日㈯より公開されている。その公開に先駆けて、同店の職人リック・ケリーが制作したギターが直輸入され、その音色を聴く試奏会が開催された。演奏者はギタリストの高田漣さん。

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日時 :2019年 8月5日(月)
会場 :御茶ノ水 Rittor Base
試奏者:高田漣 (ギタリスト)

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©MMXVⅢ Sphinx Productions.
ニューヨークの建物の廃材を使ってギターを手作りする「カーマイン・ストリート・ギター」の職人リック・ケリー。彼が古い木の板を使って作るギターは世界で一つしかないギター。伝説のギタリストたちを虜にしている。ルー・リード、ボブ・ディラン、パティ・スミスら、フォーク、ロック界の大御所がリックのギターを愛用。劇中でも有名なギタリストが来店し、リックが作ったギターを手に演奏に熱中する姿が映し出される。
古い木材のほうがギターの響きがいいということを発見したリックは、廃材があると聞くと引き取りに行き、ギターとして復活させる。こうして長年愛されてきた街の歴史がギターの中に生き続ける。
この店では、ほかに見習いのシンディ・ヒュレッジとリックの母親が働いている。シンディは、大工だった父親の影響で物作りに興味を抱き、アートスクールに通ってからこの店に入った。細かい作業が得意でウッドバーニングやペイティングを施したギター、ストラップも作っている。

そんなギターが直輸入され、試奏会が行われた。リックが作ったギターを試奏したのは高田漣さん。なぜ漣さんと思ったら、細野晴臣のニューヨーク公演に同行した際、このカーマイン・ストリート・ギター」を訪れたという。漣さんの語りとギターの演奏をしばし楽しませてもらいました。
店の様子は映画で出てきた感じそのもので、リックは作業を止めて、ひとつひとつ丁寧に説明してくれたという。仕事が滞ってしまうのではないかと心配になるくらいと語っていた。工房の壁という壁に、もらってきた木材が積み上げられていて圧巻でした。その風景だけでも一見の価値ありと、材木のあまりの量に驚いていた。

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©MMXVⅢ Sphinx Productions.

シネマジャーナルでの作品紹介はこちら

さらに驚いたのはリックが持つ工具の数。ギター職人が持つ工具の量じゃなかった。彫刻家とか芸術家の作業場を見ているような雰囲気だったそう。ただ雑然と工具が置いてあるように見えたけど、必要な工具がどこにあるかはリックだけがわかるのでしょう。
劇中に登場するギタリストたちを魅了している理由は「リックの心意気や姿勢に共感し、彼らは楽器を買うと同時に、その心意気をかっているのだろうと語った。30分以上はいたけど試奏は出来なかったので。今回、試奏したいという念願がかないましたと言っていた。
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ギターを持ち、最初に出た言葉は「ネックがものすごく太い! 今まで触ったギターの中で一番太いネックかも」と言い、しきりにネックを触っていた。「細いネックに慣れた人は驚くかも知れないけれど、ネックが太い分、手が疲れないのでは」と言っていた。そして、重さが先端(ネック)にある方が音に重みが生まれて、鳴りがいいのでは」と語った。しかし、手が小さい人は扱いにくいかも。他の「カーマイン・ストリート・ギター」制作のギターもみんなそうなのだろうか?と、思わず思ってしまった手の小さな私。試奏後、司会者から「このギター欲しいですか?」と聞かれ、「欲しいです」と即答していた。「オーダーメイドのギターは値段があってないようなもの。欲しくなったら困ると思い、店では値段を聞かなかったと言っていたけど、このギターの値段を聞き、思ったより高くはないですねと語り、そのくらいなら買えばよかったと残念がっていた。「このギターは作り手の愛情が感じられ、リックの佇まいが出ているように思います」と、ギターへの思いを語り試奏は終了した。
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音響の良い会場だった。試奏会のあと、「このギターを弾いてみたい方、触ってみたい方はどうぞ」と案内があり、参加者たちが次々とギター演奏していた。たぶんそうそうたるギタリストたちが来ていたのかも。私も手にとってみようと思ったけど、皆さんとても上手で、私など、とてもギターのそばには寄れなかった。
それにしても、古い木材のほうが良い音が出るというのが、この映画を観た発見だった。家にあるギターは、50年くらい前に買って10年以上ほったらかしにしているけど、意外にきれいな音が出るのかもしれないなどと思った。取材 宮崎暁美

8月10日(土)より新宿シネマカリテ、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!公開中
監督・製作:ロン・マン
扇動者:ジム・ジャームッシュ 
編集:ロバート・ケネディ
出演:リック・ケリー、シンディ・ヒュレッジ、ドロシー・ケリー
ジム・ジャームッシュ(スクワール)、ネルス・クライン(ウィルコ)、カーク・ダグラス(ザ・ルーツ)、ビル・フリゼール、マーク・リーボウ、チャーリー・セクストン(ボブ・ディラン・バンド)他
音楽:ザ・セイディーズ

高田漣さんのエピソード

私は高田漣さんの父の高田渡さん同じアパートに住んでいた。高校時代にフォークソングに目覚め、初めて買ったのが高田渡さんのレコードだった。ライブに行ったこともある。三鷹に長年住んでいたけど、街を歩いていると時々高田渡さんに会うので、この辺に住んでいるのかなと思っていたけど、あるとき引越ししたら、そのアパートに渡さんは住んでいた。めったに会わかなかったけど、会えば挨拶はしていた。また漣さんのお母さんも知り合いだったけど、その頃はすでに別々に暮らしていたので漣さんに会うことはなかった。
漣さんのことは、渡さんのバックで演奏もしていたので、ギタリストとして活躍しているとは知ってはいたけど、CDなどは買ったことがなかった。私は中島みゆきさんのファンで、数年前、彼女の新しいCDが出たので、東京駅中にあるタワーレコードに買いに行った。彼女のCDをみつけ、他にも何かCDをと思ったら、偶然目に入ったのが高田漣さんの「コーヒーブルース~高田渡を歌う~」というCD。
これは父親の渡さんが歌っていた歌をカバーをしたもの。こんなCD出したんだと思って、これも買うことにした。さらに、中島みゆきのコーナーで「歌縁」(うたえにし)というアルバムをみつけ、これも買った。これは中島みゆきをリスペクトする歌手たちが一同に会して中島みゆきの歌を歌ったコンサートのCDだった。この日、この3枚のCDを買ったのだけど、なんと、この「歌縁」の音楽監督は高田漣さんだった。なんという偶然と思った。そして漣さんの意外な仕事を知り、嬉しかった。

『旅のおわり世界のはじまり』青木崇高さんのウズベキスタン弾丸ツアー!スペシャル映像上映付き加瀬亮さんとのトークイベント

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黒沢清監督、前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生らが出演するシルクロードを舞台に描く『旅のおわり世界のはじまり』が全国公開中だ。

この度、友だちの加瀬亮さんに会うために青木崇高さんが大河ドラマ収録の合間をぬい、ウズベキスタンまで弾丸ツアーを敢行した旅行記映画が完成。

青木崇高初監督作品として、加瀬亮さんと青木崇高さんによる上映付きトークイベントが行われた。
題して、「あおきむねたかのウズベキスタンまでちょっと会いに。」

イベント 6月21日(金)21:05〜
於:テアトル新宿
東京都新宿区新宿 3-14-20 新宿テアトルビル B1F


司会者の「初監督作品ですね」との問いかけに、
青木:僕の主演映画の時もこの映画館で初日舞台挨拶したんですけど、全然その時より多いですやん!(笑) こんなに集まって下さって嬉しいですよ〜。
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司会:お二人の付き合いは長いんですか?
青木:吉高由里子さん主演の『婚前特急』での共演が初めてですね。
加瀬:それとマーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』(16)で共演しました。『沈黙』は台湾ロケだったので、仲良くなったのは『沈黙』からですね。撮影オフの日には2人で台湾をあちこち回りました。
帰った後は、青木さんから当日のご飯の誘いが多いんですよ(笑)
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青木: 「今日ご飯行きませんかァ〜?」って電話するんです。
司会:いつまでもお話を聞いていたいですが、早速上映と行きましょう。
青木:はい!もう、なるようになれ〜っちゅう感じで撮ったんで気軽に観てください。それから、タイトルなめてて、すんません(笑)

スペシャル映像「あおきむねたかのウズベキスタンまでちょっと会いに。」の内容は、「スタッフ日記」をご閲覧ください。
http://cinemajournal.seesaa.net/article/467414022.html


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観客席で一緒に鑑賞した加瀬亮さんと青木崇高さん。上映後、再登壇して開口一番
加瀬:んもう、前田敦子さんの「愛の讃歌」の余韻(本編の)が台無しじゃないですかァ〜(笑) もろにYouTuber目指してるってバレバレですよ(笑)
それにしても、本当に来るとはねぇ。半々くらいに思ってて、軽い気持ちで「来れば?」ってメールしたら…(笑)
青木:いやぁ〜 、観てから気が付いたんですけど、縦(サイズ)で撮っててゴメンなさい。スクリーンに合わせることを考えてなかった。
着いた時、柄本時生と加瀬さん、前田敦子さんが階段で笑って待っててくれたのが嬉しかったですよ〜。
加瀬:でも撮影、上手でしたね。僕は本編ではカメラマン役で撮ってるから、ドキュメントとの比較が面白い。
青木:初っ端のメール画面から笑い声が起きたのは意外でした。前日まで大河ドラマの「西郷どん」の収録で、雨だったら企画はおじゃん。直行便はないし、苦労しても会いたい人に会いに行けて良かったです。
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加瀬:青木さんが持ってきた「地球の歩き方」を見せてもらったら、バス便まで線引きしてあるんですよ。旅の仕方が自分と似てると思いました。怪しい人には”付いていく”という(笑)
青木:そうそう、”付いていく”(笑) とりあえず逃げるルート確保しつつ…みたいな(笑) あまり観光地らしい所には行かないですよね。
映画に登場する人たちは仕込みじゃなく、本当にリアルに出会った人たちですよ。
加瀬:僕ら俳優は撮影中、体調を恐れたんですよ。一応、気をつけるじゃないですか。食べたいものも我慢して。だから試したいものは青木さんに毒味させる(笑)
ウズベキスタンはもっともっと行ってみたい所や、もっと食べたかったものもありました。
青木:うどんは美味しかったです。もっと田舎のほうにも行きたかったし。
加瀬:地方での待機時間て楽しいですよね。 台湾は楽しかった。あの時と同じ感じ。
青木:観てて感動したんですけど、あの(家に招いてくれた)おっちゃんにとっては 、あれが普通なんですよね。こっちは”想い出の出逢い”なんて勝手に感動してるけど、おっちゃんには、あれが日常になってる。帰る時も普通に家に入って行きましたもん。
加瀬:東洋人は少ないからね。外国人を歓待してくれる。
青木:鳥の占いですけど、嘴が欠けたんちゃうか?と思うほど…動物虐待?(笑)
占いの紙に書いてある内容が分からなかったんで、帰国してから訳してもらったんですよ。そしたら、
「会いたい人に会える」
って内容だったんでビックリしました。まさに当たってたわけなんです。
色んな人たちから、「映画に出てないのになぜ行ったの?」とよく聞かれるんですけど、僕としては会いたい人に会いに行っただけなんです。
加瀬:旅番組持ちたいよね?(笑)
青木:今回の経験で作り手に興味を持ちましたね。今までは、「青木さん、オールアップ、お疲れ様でした〜」で去ってたけど、監督やスタッフはその後も色々な作業があんねやなぁ、ということが分かりました。一つ夢を叶えられました。本当に皆さん、有難うございました。(場内拍手)
加瀬:もう、これで上映はないんですか?…あぁ、そうですか。アハハ、まぁ本編も公開中ですから、そちらのほうも宜しくお願いします!
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トークを終えた加瀬亮さんと青木崇高さん。名残惜しそうに捌ける間際まで手を振り続けていた。
息の合った2人の和やかなトークに、観客席からも笑いが途切れない楽しいイベントとなった。青木さん初監督作品がDVD特典映像に収録されることを祈りつつ…。

取材:大瀧幸恵(文)、景山咲子(写真)


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『旅のおわり世界のはじまり』
監督・脚本:黒沢 清
出演:前田敦子、加瀬 亮、染谷将太、柄本時生、アディズ・ラジャボフ

配給:東京テアトル
公式HP:tabisekamovie.com
★テアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開
(C)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

シネマジャーナル 作品紹介