『恋恋豆花』今関あきよし監督インタビュー

2020年2月22日(土)新宿ケイズシネマほか 全国劇場公開
上映情報

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『恋恋豆花』(れんれんどうふぁ)

恋愛も人間関係も含め大学生活がつまらなくなり、中退を考えている奈央。そんな中、父・博一の提案で、彼の3度目の結婚相手となる綾と台湾旅行をすることに。父の再婚相手というだけでよく知らない女性となぜ旅行をしなければならないのか? 納得がいかないが、せっかくだから思いっきり楽しんでやろうと思う奈央の台湾旅行には、台湾の魅力的なスイーツやグルメとの出会い、そして思いがけない人々との出会いが待っていた…。
富田靖子(『アイコ十六歳』)、松浦亜弥(『美・少女日記』)、佐藤藍子(『タイム・リープ』)など数多くの美少女の面差しを映像に切り出してきた今関あきよし監督が今回カメラを向けた先は、「装苑」でモデルデビュー後、数々のファッション誌や広告に出演し、現在は映画・ドラマの出演が控え女優としても注目度№1のモトーラ世理奈。独特の雰囲気を持つ彼女が今関あきよし監督によってどう映像に切り出されるのだろうか。
奈央と台湾の旅を共にする綾には『朱花の月』、『ヘヴンズ ストーリー』の大島葉子、父・博一役には意外にも今関作品初出演となる利重剛、そして『刀剣乱舞』や『最遊記歌劇伝』などの2.5次元舞台で活躍中の椎名鯛造の出演も期待を膨らませる。
また本作は、今関映画の原点ともいうべき「ポップな楽曲が全編を彩る」音楽映画でもある。その、思わず心がほっこりするようなメロディを歌い上げるのは、女優としても進境著しい、これが久々の本格レコーディングとなる後藤郁、本人役で出演もしている日台ハーフのシンガーソングライター・洸美-hiromi-、日本でも人気急上昇中の台湾ポップス界の実力派・PiA吳蓓雅と、音楽業界も注目の女性ヴォーカリストたちである。
プレス資料より

シネマジャーナルHP 作品紹介『恋恋豆花』
『恋恋豆花』 公式HP

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(C)映画「恋恋豆花」製作委員会

今関あきよし監督インタビュー 2019年1月10日
宮崎 暁美

★この作品を台湾で撮ろうと思ったきっかけは?

編集部 この作品のアイデア、発想などはどういうところから生まれたのですか?

今関監督 映画自体のスタートは、元々はこのスタイルの予定ではなかったんです。血のつながりはないけど、これから親子になるであろう二人の旅ドラマというのは、あとから出てきたアイデアです。
最初はまったく違う話で、姉妹愛のつもりでした。台湾にいる姉と妹の姉妹愛を描こうと思ってシナリオも作りあげたのですが、シナリオを作ってみたら、台湾でなくてもいいなと思って、その台本はやめてしまいました。僕が台湾を訪れた時の印象とか、面白さ、いろいろな人にもお会いしたので(台湾の人も含めて)、そこで食べたものも含めて、とても楽しかったので、この楽しい気持ちをそのまんま映画にしてみようと思ったのです。ということで半分ドキュメンタリー、半分ドラマというようなスタイルになりました。

編集部 それでは、先に台湾で撮ろうというのがあったのですね。

監督 そうですね。どこで撮ろうかというより台湾ありきですね。最初は映画を撮ろうと思って旅したわけではないないですが、何回か台湾を旅するうちに、息抜き行ったらはまってしまったんです。最低でも2ヶ月に1回行っています。実は昨日、台湾から帰ってきたばかりなんです。

編集部 今回、どうしてインタビューしようと思ったかというと、私は中華圏の映画にはまっていて、台湾が舞台なので監督にインタビューしてみたいと思ったのです。

監督 ありがとうございます。

編集部 私も台湾には何度か行っているのですが、この作品はグルメとかスィーツ、観光地案内的なところもあるけど、台湾のいろいろなところに行っているというのにも興味を持ちました。何ヶ所くらいですか。

監督 北から南まで、台湾中を見てまわりました。でも一番気になったのは台中ですね。台中はあまり観光地化されていないのと、台湾の人に聞くと、あそこは住みやすい。住むなら台中という方が多くて。その魅力はなんだろうと思い、台中には一番多く行っています。なんで観光地化されていないかというと、交通の便が悪いからです。台北だと電車でどこでも行けるけど、台中はバスかタクシーで移動しかないので、初心者にはきついですね。

編集部 今もですか?

監督 今も電車網はないですね。行くにはちょっとハードルが高いかな。バスに乗れるようにならないと難しいですね。あるいはお金がかかってもいいならタクシーですね。

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(C)映画「恋恋豆花」製作委員会

★タイトルとロケ地について

編集部 台湾には20回くらい行ったということですが、実際の撮影はどのくらいだったのですか。

監督 ドラマの撮影自体は2週間強ですね。ドラマ部分は1回の撮影で撮って、後は風景や食べ物を別に撮りに2回くらい行きました。

編集部 タイトルの『恋恋豆花』は、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『恋恋風塵』から来ているのですよね。

監督 侯孝賢監督の作品が好きで、そこから取りました。あと「恋恋」の並びが好きで、可愛らしい言葉だし、愛しいとかの意味を知って、このタイトルにしました。「豆花」に関しては、それまで知らなかったのですが、豆花を食べたらはまってしまって、このタイトルを入れたいと思いました。

編集部 私は『恋恋風塵』の舞台、十分(シーフェン)や、『悲情城市』の舞台九份に3回くらい行っているのですが、あのあたりの雰囲気大好きです。でもかなり観光地化してしまいましたね。

監督 そうですね。今は観光地化しすぎてしまってつらいです。

編集部 2月初旬に、私も台湾に行くのですが、この十分で行われる「平渓天燈節(平渓天燈上げ祭り)」に行く予定です。

監督 僕も、昨日まで台湾に行っていたのですが、今回は侯孝賢監督の『ミレニアム・マンボ』のロケ地を訪ねて行ったんです。この映画のフーストシーンでスーチーが屋根のある長い歩道橋を歩いていくシーンがあるのですが、この歩道橋が今年取り壊されてしまうというので、それが取り壊される前に撮りたいと思って、これを撮りに基隆(キールン)まで行きました。

編集部 基隆も私の好きな町ですが、日本人町が残っているというのを、林雅行監督の湾生(戦前、台湾で生まれた日本人)を描いた作品『心の故郷~ある湾生の歩んできた道~』で知りました。ここも見てみたいです。

監督 湾生を描いた作品としては、『湾生回家』(黄銘正/ホァン・ミンチェン監督)という作品を観ました。

編集部 その橋も日本統治時代に作られたものかもしれませんね。

監督 どうなのでしょう。でも古くなって取り壊されるということなので、時代的にはその頃作った橋かもしれませんね。ここ1年くらいで壊されてしまうということなので、行っておいたほうがいいですよ。

編集部 基隆の廟口夜市も好きです。

監督 僕もあそこの夜市好きですね。

編集部 台湾に着いて最初のシーンで、九份に行って、夜、お母さんになる予定の綾(大島葉子さん)とぶつかり、宿を出て歩き回るシーンがありましたが、あれは九份かなと思ったのですが、そうですか?

監督 そうです。九份の民宿に泊まっています。僕も何回か泊まったけど、九份はほとんど民宿です。ちょっと奥に行くと民宿がいっぱいあります。夜、店が閉まって、まだ電灯がついている時間というのが30分くらいあるんです。その時間が大好きで、それは泊まらないと見ることができないんです。観光客が帰ってしまって、いなくなった瞬間がいいんです。ほんとの30分くらいですが。

編集部 人が多いのに、ここの映像よく撮れたなと思いました。

監督 いやいや、昼間は歩けないですよ。昼間行くもんじゃないですよ(笑)。あそこのシーン大好きです。わずか30分しか時間がないので、1日じゃ撮れませんでした。

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(C)映画「恋恋豆花」製作委員会

編集部 台湾コーディネーターに杉山亮一さんの名前がありましたが、知り合いです。彼はどんな役割だたんですか。

監督 台湾でのキャスティングが一番大きいですね。台湾側のキャスティングをどうしようかという時にお願いしました。そんなに有名な人は使えないけど、芝居や映画が好きという人にあたってもらいました。準備段階から相談はしています。いろいろ紹介してもらい、台湾に行った時にその人たちに会っています。けっこう有名な人にも会いました。『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』で主人公を演じた簡嫚書(ジエン・マンシュー)にも会っています。

編集部 けっこうマニアックな台湾も出てきたので、こういうところに杉山さんがかかわっていたのかなと思ったのですが、監督自身がこんなに台湾に行っているので、そのたわものだったんですね。


監督 有名な観光地ばかりではつまらないから、「ここはどこ?」というようなところもないとと思ったので入れました。台北で試写をした時、台湾の人にも「あれはどこで撮ったか教えてほしい」と言われました。それで今、まとめています。

編集部 夜市のところなどは、だいたい土林夜市多いけど、ここに出てきたのは寧夏(ニンシア)夜市ですか?

監督 そうです。あそこの夜市が好きなんです。

編集部 実は私、「豆花」を初めて食べたのが、この夜市だったんです。台湾人の友だちが屋台の脇にある豆花店に連れていってくれました。だからこの『恋恋豆花』というタイトルに親しみを感じます。この作品でも、台湾の友人がおいしい「豆花」の店に連れて行ってくれたシーンありましたね。

監督 そうでしたか。この夜市の食べ物屋おいしいですね。クオリティ高いです。台湾に行くと時間があれば行きます。この夜市の入り口近くに豆花荘という店があって、この豆花はおいしいです(笑)。ここの豆花は蜜からして違います(笑)。豆花は、あれって思うのもあるし、ピンキリですけどね。
映画のシーンでは、友だちに会うといって違うところに行くのですが、ここに出てきたグラデンスという女の子に紹介された店は、家の近くにおいしい店があると言って連れて行ってもらいました。

編集部 私も台湾人の女性に連れていってもらって、初めて豆花を食べたので、同じようなシチュエーションだと思いなが観ていました。

監督 やっぱり地元の人の紹介が一番信用できますね。ガイドブックより。

編集部 だからこの映画は台湾好きな人の心をくすぐるシーンがたくさんあると思いました。

監督 あまり通好みにしちゃうととっかかり悪いので、初心者向けと中級者向けぐらいからがいいかなと思って作りました。

編集部 最初、奈央が綾さんと合わずにつんけんしていたのが、いろいろな食べ物を食べたりしているうちになじんでくるというところはうまく繋がっているなと思いました。

監督 ありがとうございます。台湾のご飯って、全体にやさしいじゃないですか。中華料理と間違えて油っこいという人がいますが、油っこいのってそんなにないですよね。今、台湾のスイーツ、タピオカミルクティが日本でブームですが、映画の中では全然出てこないですよね。意図的というよりは、僕があまり好きではないので出していないんです。

編集部 一気にブームになってビックリです。

監督 台湾の友だちが日本に来て街を歩くと行列ができていてビックリするんですよ。インスタで広がったんですよ。台中の春水堂が発祥の地らしく、行きましたが、日本にも春水堂を始めとして、今じゃあちこちタピオカティの店ありますね。

★ストーリー展開

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編集部 この台湾への旅は、お父さんも一緒に3人で行く予定だったんですか?

監督 いや、二人で行かせて、仲良くさせたいというお父さんの魂胆があるわけですよ。

編集部 そうだったんのですね。それに奈央が気落ちしていた時だったからというのもありますかね。

監督 ただで行けるからラッキーというのもあるでしょう。ま、我慢していればいいかっていうつもりですかね。知らない人ではあるけど、お父さんのパートナー。自分にとってのお母さんには成り得ないから割り切っている感じですね。まして設定上ではバツ2ですから。3人目ですので、もう勝手にしろっていう感じじゃないですか。もうお父さんの身勝手さ満載ですから。

編集部 そうですね。観ていてどうなってるのと思ってしまいました(笑)。

監督 私もバツ1なんで、人のことはあまり言えないですが、さすがに僕は3人目は無理だろうと思います(笑)。

編集部 以前だったら考えられない設定だなと思いました。

監督 いまどきですね。だから日本に帰ってきても、友だちと台湾ヅイーツの店なんです。

編集部 マニアックそうで、そうではない女の子も観るかもしれないなという感じですね。

監督 あまりアート映画にしてもしょうがないので、タピオカミルクティを飲んで台湾に興味を持ってくれて、豆花に興味をもってくれて、映画に繋がってくれたらいいなと思っています。

編集部 旅にもって行くカメラですが、持っていきやすい大きさのものがいいですね。若い人はそれで動画も撮っていますしね。
*ここで、私が持っていったカメラの話から、カメラの話が続いたのですが、それは割愛。
注釈:奈央のカメラはチェキという「ポラロイドカメラ」です。

監督 今の若い子はスマホで動画も撮っちゃいますからね。でも限られてしまうのでつまらないですけど。

★キャスティング

編集部 キャスティングについて聞きたいのですが、まずライブのシーンに出てきた方ですが、実際に日本と台湾で活動している方なんですか?

監督 洸美-hiromi-さんと言って、日台ハーフで、高校まで台中にいて、その後、歌をやりたくて日本に来て、日本で活躍しています。2/3日本、1/3台湾くらいでライブ活動をしているようです。今回、劇中歌『恋恋豆花』を歌っています。

編集部 先にお母さん役の大島葉子(はこ)さんが決まっていて、あとでモトーラ世理奈さんが決まったとどこかで見たのですが、実際は?

監督 台湾を舞台に映画を作ろうかなと思った時に、ある機会に葉子さんとお会いして、とてもナチュラルであまり女優ぜんとしていなくて面白いと思って、映画の中身決めていないけど、次出てねって言ったんです。それからストーリーを決めてから、娘役のオーディションをやったんです。有名な人も含めて2000人くらい集まりました。その中にモトーラ世理奈も来ていて、独特な個性でインパクトがありました。最終的に決める時は葉子さんも呼んで、葉子さんと芝居をさせて、「どう?」って聞いたらモトーラがいいということで決めたのですが、モトーラ以外は質感がみんな似ているんです。最終的に5人残ったのですが、モトーラありきか、それ以外を選ぶかという感じでした。

編集部 最後に残った人たちは、別の役で出ていたりするのですか?

監督 いや、出ていないです。その役でオーディションをしているわけですから、今回は他の役に振ってはいないです。

編集部 お父さん役の利重剛さんですが、彼はどのように。

監督 彼は高校時代から知っています。ずっと知っているのですが、電話したら「やっとオファーきたか」と言われました。彼は監督でもあるので、僕の映画をずっと見てもらっていました。

編集部 利重さんは、私の中では監督のイメージだったんですが…

監督 彼は「相棒」で犯人役で出ていたりしていますね。CMも多いですし。

編集部 キャスティングというのは、この人だったからピッタリとかありますよね。

監督 重要ですよね。キャスティングが決まった時点で、ほとんど映画は決まるというけど、そう思います。

編集部 台湾の方はどのようにしたんですか?

監督 主にはティエンとヴィッキーですね。今回の台湾行きでもティエンに会ってきたのですが、ティエンは今、相当出ていますね。『若葉のころ』では主人公の若い頃を演じています。
*石知田/シー・チーティエン 潘之敏/ヴィッキー・パン・ズーミン

編集部 シー・チーティエンの出演作『軍中楽園』『私の少女時代-Our Times-』も観ています。でもどこに出ていたのか思い出せない(笑)。再度観てみたらわかるかも。ヴィッキーさんの出演作『河豚』『粽邪』は観ていないです。
*2/16に『河豚』の上映会があり行ってきました。今関監督もゲストで来ていました。

監督 シー・チーティエンは4月3日に公開される『悲しみよりもっと悲しい物語』(韓国映画のリメイク版)にも出ているし、二人は大陸の映画にも出ています。

編集部 バックパッカー役の椎名鯛造さんはどうですか?

監督 彼は『中学生日記』や『キッズ・ウォー3』の子役で活躍したあと、『最遊記歌劇伝』『刀剣乱舞』『刀剣乱舞 -継承-』など2,5次元などの舞台を中心に活躍しています。彼はピンポイントで人気ありあす。アニメおたくとか。台湾のファンもいます。
モトーラ世理奈は台湾でも有名ですね。モトーラが出るというので、台湾のキャストが出てくれたというのもあります。

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(C)映画「恋恋豆花」製作委員会

★これからの作品の予定は?

編集部 前作がロシアなどで撮っていて、今回は台湾。次の作品は?

監督 僕はロシアで撮ったり、ウクライナで撮ったり、今回は台湾、日本に近づいています(笑)。けど、もう一本、台湾で撮りたいというのと、ヨーロッパ圏でもう1回撮りたいという思いがあります。2つ迷いつつ台湾で撮りたいという構想はあるので、それで今回、台湾に行ったというのもあります。台南の方でイメージするものがあって、基隆と台南、両方に行ってきたのですが、構想中という感じ。日本で撮るというのは、今、思い浮かばないです。海外の方が楽しいです。台湾は南に行くほど人がやさしくなるし、味付けが甘くなる感人じ。台湾の人いわく「南に行くほど味付けが良くなる」と言っています。

編集部 私は台北のあたりにしか行ったことがないので、台北以南のことは映画でしか知らないので、ぜひ機会があれば行ってみたいと思っています。侯孝賢監督の作品に影響を受けて九份とか金瓜石、基隆、平渓線沿線ばかりに行っているので。

監督 侯孝賢監督と撮るのけっこう大変みたいですね。向こうのスタッフとかプロデューサーに会っていますけど、リテイク多くて泣くって言っていました。侯孝賢監督とずっとやりたいという人と、もうやりたくないという人と分かれるようです。いわゆる予定通り終わる人でないので、撮影終わって編集しているのにもう一回撮り直しするとか、あり得ないことを言い出すので、プロデューサーも心して撮影にインしないと無理なので、彼につく人は肝をすえてやらないと、ということのようです。次の仕事を入れていたりするとだめなんです。次、空けておかないと、まだ撮る、まだ撮るというタイプなので。そういう意味では粘る監督です。僕は『ミレニアム・マンボ』に関しては観ていなくてやっと観たんですが、けっこうはまって、それで、この間、そのロケに使った歩道橋を見に行って、撮影してきたところです。

*編集部 私も2月に見てきました。
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編集部 スーチーが出ていた作品ですよね。彼女は台湾の人だけど、香港映画で有名になりましたし、シルヴィア・チャンなんかも台湾出身だけど香港映画で活躍しているように、日本の俳優さんでも台湾で活躍したりとか、けっこうアジア圏ではそういうことがありますよね。

監督 言葉の問題が多少ありますが、香港が今、ゆれているけどそういう影響もありますね。台湾もそういう状態になってしまうかもしれないということがありますね。僕が台湾に行っていた時は、ちょうど選挙戦の時で、ただ見ていただけなのに旗を渡されてしまったんですが、街をあげて大騒ぎでした。中国側につくタイプの人か、そうでないかで大接戦です。高尾の方の人なんかは中国側についたほうが得だと思っている人も多いですが、そうだと国が失われてしまう国家の危機というのがあるので、いまの総統につくという人と半々という感じです。どうなるんだろう。シリアスな問題です。
俳優や監督も、SNSで台湾は1国だと主張するような人は中国では働けないし、みんな言いたいけど言えない状態で悩んでいます。言っている人もいますけど。中国でも仕事をしようと思うと、その問題はデリケートです。

編集部 日本人はそのへんのことあまり知らないですよね。

監督 これだけ日本からたくさんの観光客が行っているし、人が行き来しているのに、僕も台湾に行くまで台湾の大使館がないというのを知らなかった。中国にならって国として認めていないわけですから、非常に複雑ですね。

編集部 台湾の話ばかりになってしまいましたが、監督が台湾にはまってしまったきっかけはなにかあるんですか?

監督 僕は甘党なのでスイーツですね。タピオカミルクティはもちろん日本でも飲んでいたけど、そんなでもないんですが、愛玉子 (オーギョーチー) とか豆花とか含めて好きです。オーギョーチーなんか、材料を買って自分で作ったりしましたから。あれ作った日本人はあんまりいないと思いますよ。原料の実をガーゼに包んで、水の中でグニュグニュすると寒天状のものが出てくるんです。そういうのにはまって、台湾好きになっていったというところがありますね。映画でなくて、台湾話、もっとしたいですね。

編集部 はまると台湾通いになりますよね。

監督 台湾の映画もたくさん観るようになりました。台湾の映画クオリティ高いし、むしろ日本の映画のほうが遅れていると実感しています。

編集部 そういう意味では、コラボレーションとかあると面白いですね。

監督 この映画を台湾で上映する時に、なんか台湾の方のと一緒に上映するとか、仲良くなった監督も何人かいるので、一緒にやってもいいかなと思っています。

編集部 最近、若手の人多いですよね。

監督 多いですね。がんばっています。面白いし。すごいです。インディーズで撮っている人もいるし、みんな苦労しながら撮っていますよ。

編集部 この『恋恋豆花』も、大手の会社というのではなく撮ったのは?

監督 そうですね。自分で自由に撮りたいなというのがありますね。もちろん大手もいいけれど、自分の大好きな台湾で、スイーツで、自分のテリトリーでやりたいというのがスタートではあります。

編集部 ありがとうございました。

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