『レディ・トゥ・レディ』大塚千弘さん 内田慈さんインタビュー

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大塚千弘さん、内田慈さん
2020年11月9日、ダンスビュウ編集部会議室にて

大塚千弘(おおつか ちひろ)鈴木真子役
1986年3月12日、徳島県生まれ。2000年第5回東宝シンデレラ 審査員特別賞受賞。2003年ドラマ「ショコラ」(MBS・TBS)で主役に抜擢される。WOWOドラマW「メガバンク最終決戦」(2016)、TBS「凪のお暇」(2019)、テレビ朝日「鉄道捜査官」(2012~)テレビ朝日「嫉妬」(2020)などに出演。映画では 2014年『東京難民』(佐々部清監督)2016年『僕の妻と結婚してください』(三宅喜重監督)2017年『ゾウを撫でる』(佐々部清監督)、『ジョニーの休日』(新谷寛行監督)、『光』(河瀬直美監督)、2019年『ダンボ』では吹き替え、劇中歌を歌唱。舞台は、ミュージカル「レベッカ」(2019)「ダンスオブヴァンパイア」(2019)、朗読劇「もうラブソングは歌えない」(2020)など。第36回菊田一夫演劇賞。

内田慈(うちだ ちか)城島一華役
1983年3月12日、神奈川県生まれ。日本大学芸術学部中退後、演劇活動を始める。2008年『ぐるりのこと。』(橋口亮輔監督)でスクリーンデビュー。その後、2010年『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(白石和彌監督)ではデリヘル嬢と地下アイドルという2つの顔を持つ女性を演じ注目を集める。主な映画出演作に『きみはいい子』(呉美保監督)、『下衆の愛』(内田英治監督)、『葛城事件』(赤堀雅秋監督)、『響-HIBIKI-』(月川翔監督)、『ピンカートンに会いにいく』*主演(坂下雄一郎監督)などがある。TVでは2019年「Heaven?〜ご苦楽レストラン〜」(TBS)、2020年「トップナイフー天才脳外科医の条件ー」 (NTV)「半沢直樹」(TBS)などに出演。Eテレの幼児向け番組「みいつけた!」ではデテコイスの声を長年つとめている。

作品紹介はこちら
監督・脚本:藤澤浩和 
http://lady-to-lady.net/
(C)2020 イングス
★2020年12月11日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開


―この映画のお話がきたときどう思われましたか?
内田 オーディションだったんです。企画書をもらったときに「あ、これ絶対やりたいです!」。ひとつにはとても楽しそうな空気を感じたんです。ダンス!楽しそう!しかも競技ダンスはやったことがないので、知らない世界に触れられるのかな。歳の近い監督さん、出会ってみたいなって。私はそのとき年齢的にも、もう一回何か挑戦してみたいな、初心にかえって何かやりたいなという時期で。迷いなく「これは受けます!」と。オーディションの項目に「30秒ダンスをしてください」っていうのがあって。
大塚 あった!(笑)
内田 舞台の稽古中でけっこう忙しい時期だったんですけど、稽古が終わった後に自分でスタジオを取って(笑)30秒のダンスを作って挑みました。楽しかったです。
大塚 私もマネージャーさんから「オーディションを受けてみない?」と企画書をいただいて。元々『Shall we dance?』やミュージカル映画が大好きなので、ぜひやってみたい!と思ったんです。オーディションは、お芝居と30秒のダンスを踊ることでした。ダンスが好きだったので、オーディションはとても楽しかったですね。
―モダンダンスというか創作ダンスなんですか?
大塚 何でもいいんです。
内田 うん、何でも。
大塚 何でもいから30秒踊るんです。
―残念、動画サイトならここで踊っていただくのに。
大塚・内田(笑) なに踊ったか覚えていない(笑)。
大塚 しかも、しかもですよ、ダンスオーディションなのにめっちゃ部屋が狭かった(笑)。
内田 そうだった(笑)。
大塚 椅子とかに当たらないように踊らなくてはいけない。なんか精一杯踊ったというのは覚えています。
内田 床から出てるコードとかを避けながら一生懸命踊った(笑)。
―これから仕事に入るのに怪我したらたいへんですね。
内田 その環境の中で、どれだけのことができるかを考えながらのぞみました。
―応募のときはどのキャストかわかるのですか?
内田 実は、私は「真子役」で受けていたんです。
大塚 オーディション自体が真子だった気がする。
内田 そうだよね。そうそう、一応真子の台詞と一華の台詞があって。
大塚 オーディションのときに真子と一華、交互に演じましたね。
内田 そのときの台本だと一華のほうがリードの設定だったんですけど、たぶんオーディションをやって、いろいろな組み合わせとか、適性とかで、いろいろ変更があったんだと思うんです。私は一華になって、リードは真子になって。
大塚 監督が脚本も書かれているので、現場でいろいろ変わることもありましたし、最初の一ヶ月、お稽古する中で設定も変わっていく感じでした。
―ダンスのお稽古が一ヶ月ですか?あのワルツやらクイックやら…
内田 タンゴも。
大塚 朝10時から2時間。2時間踊ったらヘトヘトなんです。もうすごい痩せましたもん。
内田 でも千弘ちゃんその後にヨガ行ったりしてたよ(笑)。
大塚 器械体操やダンスを習っていたので、とにかく動くのが好きなんです(笑)。お稽古で踊った後にヨガに行くこともありましたね。

―ぴったりの役ですね。真子さんは主婦とパートとダンスもやって。一華さんは女優さんで啖呵切ったりしていましたけど、あれは…”演技”ですよね?
大塚・内田 (笑)
内田 もちろんです(笑)。
―すみません(汗)。ちかさんはてきぱきしてはっきりものを言うイメージで。
大塚 確かに。そういう役多い?
内田 多いですねぇ。
―そしてリスクがあっても挑戦する、そういうイメージがあったので重なりました。
内田 それはなんだか嬉しいです。

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―役作りのご苦労は? 
内田 うーん。どう?(大塚さんへ)
大塚 主婦のモヤモヤした感じは想像で演じました。
―娘にわかってもらえなくて辛そうなシーンがありました。
大塚 まだ、母親の経験がないので難しかったですね。
―監督から役についてのアドバイスなどは?
大塚 わりと自由にやらせていただきました。
内田 ダンスの稽古が1ヶ月あるのと、プラス演技のリハーサルが数日間あったんです。あれ、一日??(笑)
―撮影は何年前ですか?
大塚・内田 2年前です。
内田 インする直前に演技だけのリハーサルもあったんですよ。
大塚 私は1日ありました。
内田 人によって違うのかな、私は2日あった気がする。
大塚 私は家族とちかちゃんのシーンを1日で。
内田 家族パートとわかれてたんだね、きっと。だから全体では3日くらいあったかも。
そのとき、「演技体のテンションがどれくらい振り切れるか」によって、コメディの度合いが変わると思っていたのでそれについて聞いたり、一華のグイグイした性格をどう表現するか・どういう人なのか?などを話し合ったりしました。
例えば真子からは「ほんと自分勝手だよね」という台詞をもらうことが多い。たしかに自分勝手な部分もあるけれど、周りが見えないタイプではなく冷静な部分もあるかも、とか。真子との関係において、彼女に対してだけ見せられるキャラもあるだろうなんて話もしました。彼女の強いキャラをキャラとして演じずに、あくまで内面に寄り添ってつくるよう共有しました。

―初共演ですか?
大塚 はい!私たち実は、同じ誕生日なんです。
―(プロフィールを見て)あら!ほんとだ!
大塚・内田 3月12日!(笑)
―うお座?
大塚 うお座B型(笑) 
内田 O型(笑)
大塚 初めて会った時にちかちゃんが「誕生日同じなんだよね」と言ってくれて。
―お誕生日が一緒ってなんだか共通点が多そうでいいですね。
内田 奇跡的!
大塚 身近な感じがします。
―そして一ヶ月身体を酷使しつつ特訓、それもペアで。
内田 そうなんです。千弘ちゃんはミュージカルの方ですし、器械体操もやられていたので、筋力も強いし、身体の使い方も圧倒的で。さらにヒールで踊るので、足が痛かった!
大塚 マメがつぶれて皮が剥けてね。
内田 (ポスターの)このポーズはリードが幹のように立っていて、私は弓形にバランスを取りながら身体をあずけるというか。だから私自身の軸もかなりしっかりしていないといけないんですけど、軸や筋肉がまだまだでグラグラになったりで、よく「ごめん!」って言ってました(笑)。
大塚 いやぁ(笑)。競技ダンスっていうのは、めちゃくちゃアスリートの競技。華やかで綺麗にくるくる回っているって思っていたんですけど、こんなにトレーニングしないとダメっていうくらい、身体を酷使することに驚きましたね。
―なおかつ、苦しい顔しちゃいけないんですよね。
大塚・内田(笑)そうそう!
大塚 それがやっぱり難しいんです。簡単にできることではないです。
―順撮りでしたか?
内田 全然。
大塚 そう!一ヶ月のお稽古後、そのまま撮影に突入して怒涛の2週間でした。競技シーンは夜中の2時位まで撮影していましたね。
内田 うん。
大塚 何回も踊るので、体力の限界でしたね。ドレスを着たまま座って寝ていました(笑)。
―それは大変でした。血豆ができても休めない?
大塚 2,3日はお休みできました。
内田 痛すぎてね。
大塚 ちかちゃんは、レッスンを始めるのが遅かったよね。
内田 舞台の本番中だった気がする。
大塚 ちかちゃんが来てから、女性パートを練習するということになって、その時に休ませてもらいました。
内田 それでも全然時間足りなかったんですよ。その間ににクイックステップ覚えて…とか思っていたのに、クイックステップ私にはほんとに難しくって全然覚えられなくて。
大塚 振り回してたよね、私が(笑)。
内田 こっちだよー!って(笑)。
―会場は広いし、動き回るし、顔や足や全体も撮らなくちゃいけないですね。カメラは何台でしたか?
大塚 普通は1台。競技シーンは2台。カメラマンの麻樹さんがジブみたいなので撮ってた気がするけど。
内田 あれね、面白いんですよ。客席に観客のエキストラさんが最初びっしりいたんですけど、終電が迫ってきてだんだん減っていく(笑)。そうすると「寄ってください」となって、撮れるカットも限られていくんです。
大塚 そうなの、そうそう。夜中だからね(笑)。
内田 あまり回転しちゃうとカメラも回転するので(空席が映って)バレちゃうから(笑)。
―お二人は今どこを撮られているかはわかるものですか?
大塚 最初は一連で全部踊るんですけど、その後に監督が撮りたいパーツを撮っていくって感じです。だから「今、ここを決めれば大丈夫」というのはわかるんです。
―どうやって撮っていくのかなと思っていました。ちょうど撮影の伊藤麻樹さんとお仕事した監督さんの取材をしたばかりです。とても優秀な方だと伺っています。
内田 別の作品でお世話になったことがあるんですけど、新しいアイディアを下さったり、考えさせられる視点を下さるカメラマンさんでした。
大塚 今回のワルツのシーンで二人がくるくるくるっと回ってドレスが円になるところは、麻樹さんのこだわりの絵だそうです。女子同士でドレスだからこその。

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―∞マーク、太極マークみたいでした。衣裳がよくお似合いでしたが、お二人のお好みが入っているんですか?
大塚 作っていただいたんです。
内田 チャコットさんにご協力いただいて。
大塚 色は言った気がする…。
内田 一回着てみて、形はこれとか、なんとなくは言ったよね。
―きっとすごく高価だと思うんですが、汗もかきますよね。1着ですか?
内田 そうですね。でもきっととんでもないお値段だと思うので1着。今、公式のTwitterで監督が「制作日記」を書いているんです。その中で、ドレスのことを書いていて、女性同士だからドレスの正面がつぶれちゃうので、横に広がりを持たせるようにしたとありました。
大塚 サイドに模様が見えるように。前だと隠れて見えないので。
内田 そうそうそう。工夫があったみたいです。
―そして、リボンを踏むシーンもありました。
内田 それが深夜の2時くらい(笑)。
大塚 なんか朦朧としながら(笑)。
内田 ほんとにもう、フン!っとやって(笑)。ヘトヘトだったけど、でも楽しかった。
―あれは脚本にあるシーンなんですね。
内田 そうです。最終稿まではちょこちょこ変わって、その間に役についての意見を聞かれたり、お話する中で変わっていったりした部分もありましたが、基本的な筋は最初から決まっていました。現場でのアドリブを求められるところは基本なかったけれど、俳優からの質問やアイディアなどにとても真摯に寄り添ってくださいました。
大塚 一ヶ月のお稽古を監督が毎日見にいらしてて、その中で二人から生まれる会話を使いたい、と言って下さって。好きに言いたい放題言ったところを使ってくれたんです。
内田 そうだ。ダンスの中で喧嘩するシーンはほぼアドリブだったね。
大塚 お稽古中に「もっとここをこうしたらいいよね」とか「もっと腹筋を入れないとダメだね」とか、いろいろわかって来て。
内田 実際そんな喧嘩したわけじゃないですよ!(笑)実感を元にデフォルメさせたり出し方を変えたりして利用しました。

―完成作をご覧になったのはいつですか?
内田 二人とも最近で、私はつい数日前(笑)。
大塚 私は10月の初号で観ました。
―ご苦労なさって、完成作を観ていかがでしたか?
内田 ほんとに3日前くらいに観たんですけど、向井役の清水葉月ちゃんとこの2年の間に「ちかさん続報聞きました?」
「早く試写観たいよね!」とかやりとりしてて(笑)。やっている舞台に監督が来てくれるたび「試写はいつになりますか?」って聞いて(笑)、いよいよ決まったって時には新納さんとも「やったー!」って連絡したり(笑)。葉月ちゃんが先に試写を観て「ちかさん、これめっちゃいい映画ですよ!」って連絡くれて、永井ちひろちゃん(ドレスやさんの店員役)も「早く観てください。すごい幸せになりますよ」って連絡くれて。ハードル上がってたんですけど(笑)、自分が出ているのも忘れて新鮮に観られた。
エンタメに振り切りつつ、人間の描き方は繊細で、「これぞ映画!」というドラマチックな描き方、でもドラマチックさはあくまで演出的にという意味で、思想としては現実をクールに捉えたリアリティがある。笑いのセンスもコアでなく、ちゃんとみんなに伝わるような間口の広い笑い。一緒に観た方が「フェミ映画だね」「コメディに描かれているけれども、とっても重要な問題提起が軸にあるよね」とおっしゃっていました。エンタメに終わらず楽しくも見られるし、真面目にも見られる、とにかく宣伝をしていろんな方に観ていただきたい映画だと思います。
大塚 やっぱり昔ながらの男尊女卑のようなものが根本に問題としてあるのですが、それを押しつけがましくなく、みんなにわかってもらえるっていうのがすごくいいなぁと思います。

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―オーディションでの質問や、セクハラ・パワハラ監督やいろいろなエピソードが入っていました。
内田 はい。それを男の監督が描いているというのが面白いですよね。
―共同脚本などで女性が関わっているのかと思いましたが、いないんですね。お二人はどう思うかと意見を聞かれたりはしましたか?
大塚 それはなかったです。ダンスのことは感じたことを監督にお伝えしたんですけど。
内田 台本の話をする中で聞かれたりはあったかな。あ、でもタイトルが。
大塚 タイトルがめっちゃ変わったね。
内田 最初は『アタシは、貴女と踊りたい!』だったんです。「#Me too」やワインスタインのことや、世の中でも色々あって、脚本は脚色されたり、増えたりはしていた、よね。その中でより色濃く出てきた様々なテーマを込めて『レディ・トゥ・レディ』になさったんじゃないかと思うんです。
大塚 この間初号を観たときに監督がいらっしゃって、「2年前より、今こそ観てほしい時期になってきたんじゃないかな」と仰ってました。
内田 そうだね。埋もれさせない世界になっているよね、今の方が。
―はい、一華さんが言っていましたね。「私は黙らない!」って。
内田 はいはいはい!
―いい台詞でした!豪邸からパワハラに屈しないで出てくるところがカッコよかったです。印象的なシーンでした。
内田・大塚(笑)
―豪邸は借りたんですね?
内田 ハウススタジオだったと思います。
―真子さんの旦那様はリストラにあったんでしょうか?
大塚 自分でやめたんじゃないかな。ほんとは何か夫も会社で問題をたくさん抱えて悩んでいたのに、私(真子)が自分のことしか考えてないので、夫の悩みに気づいてあげられなかったということなんです。
―今コロナ禍で、ああいう状況になっている人もいるんじゃないかと思ってしまいました。
大塚 そうかもしれないです。
―真子さんはいきなりスーパーのシフトを増やしましたね。
内田 ずーっと〇で(笑)。
―これ、すごくリアルだ!と、いろんなところで共感できました。主婦の面も、苦労している女優さんの面も。
内田 実際にオーディションでああいう結婚云々とか全く同じ経験があったわけではないですが、ふとした会話の中にとんでもないハラスメントが存在するなっていうのは、コメディタッチに描かれているけれど、すごく共感しながら演じました。

―お二人は女優さんとしてベテラン…ベテランと言っていいでしょうか?
大塚 長いです(笑)。
―いろんな役柄でいろんな人間を生きて来られたと思います。全く知らない世界の役を演じるのと、自分の体験や思いを表現するのとどちらがいいでしょう?
内田 私、その差がないです。どっちにしても自分と何か共通するところというか、何か潜り込める隙を見つけないと演じられないな、と感じています。だから結局すごく遠いような人をやっていても、結果的にすごい自分と似てるなと思いながらやることばかりで。あまり関係ありません。
大塚 あんまりそういう区別をして考えたことがなくて、脚本をいただいて読んだとき、その人の人生を考えてたくさん想像して演じます。けれども演じるのは自分自身なので、表現というかしぐさなどは自分にしか出せないものがあります。それがちかちゃんが言っている「遠いけど似てる」というところに繋がるのかな。あまりこだわらずに演じられたらいいな、と常に思っています。

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―女優さんの道を選ぶにあたって、たとえばこの人に憧れたとか、この映画に感銘を受けたとか、きっかけはありましたか?
大塚 私は『釣りバカ日誌』ですね。
内田 意外なんだけど(笑)。
大塚 『釣りバカ日誌』が大好きで西田敏行さんが好きっていうことを「東宝シンデレラ」オーディションの時に言っていたんです。家族で楽しめる映画が『釣りバカ日誌』で。映像の中の世界に入ってみたい、っていう思いが幼な心にあったというか。コロナで自粛のときも『釣りバカ日誌』を観なおしました(笑)。
―面白いこと聞いちゃいました(笑)
内田 聞いたことなかった(笑)。
大塚 今でも好きだなぁと。
―まだ続いてますものね。ちょっとずつ変わって。ちかさんはどうですか?
内田 私、影響を受けたのは松尾スズキさん。
大塚 へええ。
内田 たまたまテレビに出演されていたのを見て、もう衝撃を受けて。皮肉的な表現が、本当は誰もが思っていてもなかなか言えない真実に見えて。舞台映像も流れていて、すっごいヘンテコでむちゃくちゃかっこよくて。こんなに何かを観て笑ったのも初めてだった。今まで見たこともないセンスで、一挙手一投足が想像を超えていくのがすごく面白くて、スズキさんが演劇界の方だから演劇に進んだんです。
大塚 何歳のとき?
内田 17かな。高3の夏。それが、進路が決まった瞬間だったんです。今すごい影響をうけているのは…あのう私「刑事コロンボ」が大好きで(笑)。
大塚 ちかちゃんも同じじゃない(笑)。
内田 元々好きだったんですけど、コロナでシリーズが観られて、なんて素晴らしいんだ!ピーター・フォークになりたい!みたいな(笑)。
―お二人とも渋いですね。
大塚 そうですね(笑)。
内田 クリント・イーストウッドの顔の皺見てるだけで泣けるじゃん。そういう皺の刻み方をしていきたい、というか生き方をしたい。もういろんなもの出たね。釣りバカやコロンボやら。

―これからのお二人の女優さんとしての目標はなんですか?こういう作品に出たいとか、監督したいとか、ありませんか?
内田 今ほんと、なんだか学ぶことが楽しくて。占いみたら、今、私の好奇心は17歳くらいの感じらしく(笑)、遅れてきた青春を生きてる的なことが書いてあって(笑)。だからとにかくなんでも学びたい。そしていつか監督もしてみたい、ってまだ何にも勉強してないのに言ってみた(笑)。
―池田エライザさん、監督作品出したばかりですよ。
大塚 黒木瞳さんも。
―口に出しておくと「夢」は近づくものじゃないですか?
大塚 言っておこう!
内田 監督か…(笑)。
―大塚さんはいかがでしょう?
大塚 目標、そうですね。コロナの影響でこのような世の中になって、お芝居ってこんなに楽しかったんだってことを思い知らされました。好きなことを続けていられることにあらためて感謝しました。そのうえで必要としていただけるなら、私ができる中で精いっぱいやり続けたいなと思います。

―これから作品を観る方にひとことずつどうぞ。
大塚 皆さんがこの映画を観て、新しいことに挑戦したり、何か始めようと思ってくれたら嬉しいですね。そして元気に明るく過ごしていただければいいなぁと思います。
内田 ほんとですよね。コロナの状況になって思うのが、ご飯を食べて寝るというだけでは、なかなか日々を元気に過ごすのは難しいんだなって。この映画の中では、彼女たちが描いた夢は現実にはすべては叶わなかったわけです。でも彼女たちが生きるために自分のやりたいことを掲げて「希望に向かった」ことはすごい活力、生きるエネルギー。それが観る人にとって、押しつけがましくなく伝わるといいなと思います。特にこの時代だからこそ響くものがあるといいな。
―ありがとうございました。

=取材を終えて=
大塚千弘さん、内田慈さんお二人を前にして、銀幕の中の方がこちらに出てきてくださった~とドキドキしました。後で書き起こして自分の質問の迷走っぷりに汗が出ましたが、なんとかまとめましたので、お届けします。
お二人は初共演だったそうですが、社交ダンスの特訓で共に足にマメを作った仲、息もぴったりのペアでした。テンポの良いやりとりで映画制作の思い出のほか、とても貴重なお話も伺えてたいへん楽しい取材になりました。これから出演作を拝見するたびに、初めてお目にかかったこの日を思い出しそうです。ますますのご活躍を!
(まとめ・写真 白石映子)

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